燃料噴射

エンジンに関する用語

「噴射遅れ」って何? エンジン制御の隠れた立役者

現代の自動車エンジンにおいて、電子制御システムは燃料噴射のタイミングを精密に制御することで、最適な燃焼と排ガス浄化を実現しています。しかし、燃料噴射の指令を出してから実際に燃料が燃焼室に到達するまでには、わずかながら時間差が生じます。これが「噴射遅れ」と呼ばれる現象です。 噴射遅れは、燃料の圧力や温度、噴射ノズルの形状など、様々な要因によって変化します。電子制御システムは、これらの要素を考慮しながら、噴射タイミングを細かく調整することで、常に最適な燃焼状態を維持しようと努めているのです。
エンジンに関する用語

クルマの燃費を支える「間欠噴射」とは?

自動車のエンジンにおいて、燃料を燃焼させて動力を得るためには、適切な量の燃料をシリンダー内に送り込む必要があります。その燃料供給方式のひとつに「間欠噴射」があります。 「間欠噴射」とは、エンジンの回転数や負荷に応じて、燃料噴射装置(インジェクター)から燃料を断続的に噴射する方式です。一方、従来の「連続噴射」は、常に一定量の燃料を噴射し続ける方式でした。 間欠噴射のメリットは、燃料の噴射量を精密に制御することで、燃費の向上、排気ガスの低減、エンジンの出力向上などを実現できる点です。連続噴射と比べて、必要な時に必要な量だけの燃料を噴射するため、無駄な燃料消費を抑え、環境負荷を低減することができます。
エンジンに関する用語

ディーゼルエンジンの心臓部!主噴射を解説

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、吸入した空気のみを圧縮して高温高圧状態にし、そこに燃料を噴射することで自己着火・燃焼させる仕組みです。この燃焼プロセスにおいて、燃料噴射のタイミングと量がエンジンの出力、燃費、排ガス特性を大きく左右します。 ディーゼルエンジンの燃焼システムは、大きく分けて「予混合燃焼」と「拡散燃焼」の2種類に分類されます。 「予混合燃焼」は、燃料噴射の開始時期を早め、ピストンが上死点に達する前に燃料を噴射することで、空気と燃料をよく混合してから燃焼させる方式です。これにより、燃焼速度が速く、NOxの排出量を抑えることができます。 一方、「拡散燃焼」は、ピストンが上死点に達した後に燃料を噴射し、空気と燃料が拡散しながら燃焼する方式です。こちらは、予混合燃焼に比べて燃焼速度が遅く、PMの排出量が多くなる傾向があります。 近年では、それぞれの燃焼方式のメリットを活かし、両者を組み合わせた「予混合圧縮着火燃焼(HCCI)」など、より高度な燃焼技術が開発されています。
エンジンに関する用語

自動車の制御を支える「オープンコントロール」とは?

近年、自動車業界では「CASE」と呼ばれる新しい技術革新が進んでいます。CASEとは、「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリングとサービス)」「Electric(電動化)」の頭文字をとったもので、自動車を従来の「移動手段」から「情報端末」へと進化させる可能性を秘めています。 このCASEの進化を支える重要な技術の一つが、「オープンコントロール」です。従来の自動車制御システムは、各部品が独立して機能する「クローズドシステム」が主流でした。しかし、自動運転や高度な運転支援システムの実現には、車両全体の情報を統合的に制御する必要があり、「オープンコントロール」が注目されています。 オープンコントロールとは、異なるメーカーやサプライヤーが開発した部品やシステム間で、データのやり取りを標準化し、互換性を確保することを目指す考え方です。これにより、開発者は共通のプラットフォーム上で、より高度な機能やサービスを効率的に開発できるようになります。 オープンコントロールは、自動車業界にオープンイノベーションをもたらし、開発競争を加速させると期待されています。また、消費者にとっても、より安全で快適なモビリティ体験の実現につながると考えられます。
エンジンに関する用語

クルマの心臓部!インジェクションノズルの役割とは?

自動車のエンジンにとって、燃料を適切に供給することは、まさに人間でいう心臓の役割と同じくらい重要です。その重要な役割を担っているのが、「インジェクションノズル」です。 インジェクションノズルは、エンジン内部の燃焼室に、燃料を霧状に噴射する役割を担っています。霧状に噴射することで、燃料は空気と効率よく混ざり合い、スムーズで力強い燃焼を生み出すことができます。 もし、インジェクションノズルが正常に動作しないと、燃料の噴射量が不安定になったり、霧状に噴射されずに燃焼効率が低下したりします。その結果、エンジンの出力低下や燃費悪化、排気ガスの悪化など、様々な問題を引き起こす可能性があります。
電機部品に関する用語

クルマの心臓を守る「水温センサー」の役割

エンジンをかけて車を走らせると、ボンネットの中にあるエンジンは高温になります。この高温状態を放置すると、エンジンは正常に動作しなくなってしまいます。そこで重要な役割を担うのが「冷却水」です。冷却水はエンジン内部を循環し、熱を吸収してエンジンの温度を適切に保つ働きをしています。 そして、「水温センサー」は、この冷却水の温度を常に監視する役割を担っています。センサーは、温度変化に応じて電気抵抗が変化する性質を持っています。水温センサーはこの性質を利用して、冷却水の温度を電気信号に変換し、エンジンの制御装置に伝えているのです。
エンジンに関する用語

ディーゼルエンジン: 燃料噴射量の影の主役「有効ストローク」

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、吸入行程で空気のみを取り込みます。その後、ピストンが上昇して空気は高温・高圧に圧縮され、そこに燃料を高圧で噴射することで自己着火・燃焼します。 このため、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射は、エンジンの出力や燃費性能を大きく左右する重要な要素となります。最適なタイミングで、最適な量の燃料を噴射することで、効率的な燃焼を実現することが求められます。
エンジンに関する用語

車の直噴エンジンとは?メリット・デメリットを解説

ガソリンエンジンにおいて、燃料を効率的に燃焼させることは燃費性能や環境性能を向上させる上で非常に重要です。従来のエンジンは、シリンダーに入る前に空気と燃料を混ぜていましたが、直噴エンジンはシリンダー内に直接燃料を噴射するという点が大きく異なります。 具体的には、インジェクターと呼ばれる部品が、高圧で霧状にした燃料を燃焼室に直接噴射します。これにより、燃料の微粒化が進み、燃焼効率が向上します。また、噴射のタイミングや量を精密に制御することで、エンジンの出力や燃費を最適化することが可能となります。
エンジンに関する用語

自動車の心臓部: 最小噴射量の謎

自動車の心臓部であるエンジン。その性能を最大限に引き出すためには、燃料噴射システムが重要な役割を果たしています。ガソリンを霧状にして燃焼室へ送り込むこのシステムにおいて、「最小噴射量」は、エンジンの効率と環境性能を左右する、非常に重要な要素なのです。 この最小噴射量とは、エンジンが円滑に作動するために、一度に噴射できる燃料の最小単位を指します。たとえるなら、料理における「ひとつまみの塩」のようなもので、その量が少なすぎると味が薄くなり、多すぎるとしょっぱくなってしまうように、最適な量を見つけることが重要となります。
エンジンに関する用語

クルマの燃費を左右する「燃料噴射率」とは?

クルマを動かす原動力であるエンジン。その心臓部とも言えるのが、燃料噴射システムです。燃料噴射システムは、ガソリンなどの燃料をエンジン内部の燃焼室に送り込む役割を担っています。 燃料噴射率は、エンジンの回転数や負荷、アクセルの踏み込み量など、様々な状況に応じて、燃料をどれくらい噴射するかを決める重要な要素です。最適な量の燃料を噴射することで、エンジンは効率よく力を発揮し、スムーズな加速や燃費向上を実現します。
エンジンに関する用語

車の性能を左右する「最大噴射量」とは?

車を動かすために必要不可欠なエンジン。そのエンジン性能を語る上で、「最大噴射量」は重要な要素の一つです。では、一体「最大噴射量」とは何なのでしょうか? 簡単に言えば、「最大噴射量」とは、エンジンのシリンダー内部に、1サイクル(吸入→圧縮→爆発→排気)あたりに噴射できる燃料の最大量のことを指します。単位は「mg/st」(ミリグラム・パー・ストローク)や「mm3/st」(立方ミリメートル・パー・ストローク)で表されます。 この最大噴射量は、エンジンの排気量や構造、搭載されている燃料噴射装置などによって異なり、当然ながら、最大噴射量が多いエンジンほど、一度に多くの燃料を燃焼させることができ、大きなパワーを生み出すことができます。 しかし、最大噴射量が大きいからといって、必ずしも燃費が良いとは限りません。最大噴射量はあくまでもエンジンの潜在能力を示す指標の一つであり、実際の燃費は、運転方法や走行条件、車両重量など様々な要素によって変化することを覚えておきましょう。
電機部品に関する用語

燃料温度センサー:エンジンの隠れた立役者

自動車のエンジンは、まるで精密機械のように、様々な部品が複雑に組み合わさって動作しています。その中で、あまり表に出ることのない、しかし重要な役割を担っている部品の一つが「燃料温度センサー」です。 燃料温度センサーは、その名の通り、エンジンの燃料系統内を流れる燃料の温度を測定するセンサーです。 では、なぜ燃料の温度を測定する必要があるのでしょうか? それは、燃料の温度によってエンジンの燃焼効率や排気ガス浄化性能が変化するためです。 燃料温度センサーは、エンジンが最適な状態で動作するために必要な情報を提供する、まさに「縁の下の力持ち」といえるでしょう。
エンジンに関する用語

ヘッセルマン機関:多種燃料のパイオニア

ヘッセルマン機関は、1900年代初頭にルドルフ・ディーゼルによって発明されたディーゼル機関を改良し、ガソリンなど様々な燃料を使用できるようにしたものです。ディーゼル機関は圧縮着火方式を採用していますが、ヘッセルマン機関は「予混合圧縮着火(HCCI Homogeneous Charge Compression Ignition)」方式を採用している点が大きな違いです。 ディーゼル機関は、空気のみを圧縮して高温高圧状態にし、そこに燃料を噴射することで自己着火させています。一方、ヘッセルマン機関では、あらかじめ空気と燃料を混合した状態でシリンダー内に送り込み、圧縮することで着火させます。この方式により、ディーゼル機関よりも低い温度と圧力で燃焼させることが可能となり、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)などの排出ガスを大幅に削減することができます。
エンジンに関する用語

クルマの心臓部!蓄圧式インジェクションシステムとは?

自動車の進化を語る上で、エンジン技術の進歩は欠かせません。中でも、燃料噴射システムはエンジンの性能を左右する重要な要素の一つです。近年、多くの自動車メーカーが採用しているのが「蓄圧式インジェクションシステム」です。 従来のインジェクションシステムは、エンジン回転数に応じて燃料噴射量を調整していました。一方、蓄圧式インジェクションシステムは、高圧ポンプによって燃料を高圧に保ち、電子制御によって最適なタイミングで燃料を噴射します。この仕組みによって、より精密な燃料制御が可能となり、燃費の向上、排ガス低減、出力向上など、様々なメリットが生まれます。 蓄圧式インジェクションシステムは、ガソリンエンジンだけでなく、ディーゼルエンジンにも広く採用されています。ディーゼルエンジンでは特に、「コモンレール式」と呼ばれるシステムが主流となっています。これは、高圧に蓄えられた燃料を共通のレール(コモンレール)に送り込み、各気筒のインジェクターに供給する仕組みです。 このように、蓄圧式インジェクションシステムは、現代の自動車にとって必要不可欠な技術となっています。環境性能と走行性能の両立が求められる中、蓄圧式インジェクションシステムは、自動車の進化を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。
エンジンに関する用語

インジェクタードライブユニット:高圧噴射を支える縁の下の力持ち

近年の自動車エンジンにおいて、環境性能と燃費性能の向上は最も重要な課題の一つとなっています。その中で、ガソリンエンジンの主流になりつつあるのが直噴エンジンです。従来のエンジンと比較して、より精密な燃料噴射制御が可能になる直噴エンジンは、燃費の向上や排ガス浄化に大きく貢献します。そして、この直噴エンジンの心臓部とも言える重要な部品の一つが、インジェクターです。 インジェクターは、燃料噴射のタイミングや量を制御する、非常に精密な部品です。 直噴エンジンでは、このインジェクターが燃焼室内に直接燃料を噴射することで、より効率的な燃焼を実現しています。 高い圧力で燃料を噴射するため、インジェクターには高い耐久性と精密な制御が求められます。インジェクターの性能が、エンジンの出力、燃費、排ガス性能に直結するため、その重要性は非常に高いと言えるでしょう。
エンジンに関する用語

懐かしの技術 連続インジェクションシステム

自動車のエンジンにおいて、燃料供給は性能を左右する重要な要素です。現代では電子制御燃料噴射装置(EFI)が主流ですが、かつては「連続インジェクションシステム」と呼ばれる機械式の燃料噴射装置が活躍していました。 電子制御以前の時代、キャブレターが燃料供給の主流でしたが、より精密な燃料制御を目指して開発されたのが連続インジェクションシステムです。その名の通り、エンジンが稼働している間、常に一定量の燃料を噴射し続けるというシンプルな仕組みが特徴です。 このシステムは、キャブレターよりも燃焼効率に優れ、排出ガスもクリーンであるという利点がありました。しかし、エンジンの回転数や負荷の変化に対して燃料噴射量を細かく調整できないため、燃費や出力の面では限界がありました。 その後、電子制御技術の進化とともに、より高度な燃料制御が可能なEFIが登場し、連続インジェクションシステムは姿を消していきました。しかし、電子制御が主流となるまでの間、自動車の進化に貢献した重要な技術と言えるでしょう。
電機部品に関する用語

クルマの縁の下の力持ち!レギュレーターを解説

「レギュレーター」と聞いて、それがクルマのどの部品を指すのか、すぐに答えられる方は少ないかもしれません。しかし、レギュレーターは自動車にとって無くてはならない、重要な役割を担っている部品なのです。 自動車の電装品は、常に一定の電圧でなければ正常に動作しません。レギュレーターは、発電機であるオルタネーターの出力を調整し、バッテリーに適切な電圧を供給する、いわば電圧の番人のような役割を果たしています。
エンジンに関する用語

車の心臓部: 噴射順序の謎

自動車のエンジンルームで力強く脈打つエンジン。その中でも、ガソリンエンジンにおいて燃料供給を司る噴射装置は、まさに心臓部の要と言えるでしょう。特に、複数のシリンダーを持つ多気筒エンジンでは、適切なタイミングで燃料を噴射する「噴射順序」がエンジンの性能を左右する重要な要素となります。 本稿では、多気筒エンジンにおける噴射順序の基本について解説していきます。まず、エンジンの基本的な構造として、シリンダー内部でピストンが上下運動を繰り返し、その動きをクランクシャフトが回転運動に変換することで動力を発生させていることを理解しておきましょう。そして、このピストンの動きは「吸入」「圧縮」「爆発」「排気」の4つの行程からなるサイクルを繰り返しており、これを「4ストロークサイクル」と呼びます。 噴射順序は、この4ストロークサイクルと密接に関係しています。具体的には、吸気行程でシリンダー内に吸い込まれた空気と燃料の混合気に、点火プラグがスパークすることで爆発行程へと移行します。この際、すべてのシリンダーが同時に爆発するとエンジンに大きな負荷がかかってしまうため、各シリンダーの爆発タイミングをずらすことで、エンジン全体の振動を抑制し、スムーズな回転を実現しています。 そして、この爆発の順番こそが「噴射順序」なのです。噴射順序はエンジン形式や気筒数によって異なり、その設計はエンジンの性能を最大限に引き出すために重要な要素となります。
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車のエンジン始動を支える「始動増量」とは?

車を走らせるには、まずエンジンをかけなければなりません。 キーを回したり、ボタンを押したりするだけで、エンジンが目覚めるのは「始動増量」という機能のおかげです。 エンジンは、ガソリンと空気の混合気を爆発させることで動力を得ています。 しかし、エンジンが冷えている状態では、ガソリンが気化しにくく、うまく燃焼できません。そこで、始動増量は、エンジン始動時に燃料噴射量を一時的に増やし、混合気を濃くすることで、冷えた状態でもエンジンがスムーズに始動できるようにしています。 始動増量の制御は、エンジンの温度を測る水温センサーからの情報に基づいて、コンピューターが行っています。 エンジンが温まると始動増量は自動的に解除され、通常の燃料噴射量に戻ります。
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燃費悪化の隠れた原因「後だれ」現象とは?

「後だれ」とは、エンジンを停止した後も、エンジンルーム内の高温により燃料が気化し、燃料系に残ってしまう現象のことです。ガソリン車の場合、高温になったインジェクターから燃料が気化しやすく、これが後だれの主な原因となります。ディーゼル車の場合、燃料ラインが高温になることで後だれが発生します。 後だれは、エンジン再始動時の燃料供給を不安定にしたり、蒸発ガソリンの排出による環境負荷を増大させたりする原因となります。また、燃費悪化にも繋がる可能性があります。
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深皿燃焼室:ディーゼルエンジンの進化を支える技術

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと比べて熱効率が高く、燃費が優れているという点で、自動車業界において重要な役割を担っています。その心臓部である燃焼室は、燃料と空気を混合し、爆発的な燃焼を起こすための空間であり、エンジンの性能を大きく左右する要素です。 燃焼室の形状や大きさは、燃料の噴霧、空気との混合状態、燃焼速度、熱損失などに影響を与え、エンジンの出力、燃費、排ガス特性を決定づける重要な要素となります。 最適な燃焼を実現するために、様々な形状の燃焼室が開発されてきましたが、その中でも近年注目を集めているのが「深皿燃焼室」です。
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車の心臓部!インジェクターの役割と仕組み

インジェクターとは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど、燃料噴射装置を持つエンジンにおいて、燃料をエンジン内部に噴射する役割を担う部品です。 燃料噴射のタイミングや量を精密に制御することで、エンジンの出力や燃費、排気ガス浄化性能などを最適化します。 まさに、エンジンの性能を左右する重要な部品と言えるでしょう。
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電子制御式インジェクションポンプ:ディーゼルエンジンの心臓部

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なる燃料噴射方式を採用しており、その中心的な役割を担うのがインジェクションポンプです。従来のディーゼルエンジンでは、機械式のインジェクションポンプが主流でしたが、近年では、より精密な燃料噴射制御を実現する電子制御式インジェクションポンプが主流となっています。 電子制御式インジェクションポンプは、その名の通り、電子制御によって燃料の噴射量や噴射タイミングを緻密に制御するシステムです。エンジン回転数、負荷、アクセル開度などの運転状況に応じて、ECU(エンジンコントロールユニット)が最適な燃料噴射量と噴射タイミングを計算し、インジェクションポンプに指示を出します。これにより、従来の機械式に比べて、燃費の向上、排ガス中の有害物質の低減、エンジン出力の向上、始動性の向上など、多くのメリットが得られます。
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車の燃費を左右する「コーン状噴射」とは?

ガソリンエンジンを搭載した車にとって、燃料をいかに効率よく燃焼させるかが燃費を向上させる鍵となります。そのために重要な役割を果たすのが「コーン状噴射」と呼ばれる燃料噴射の方式です。 コーン状噴射とは、その名の通り、燃料インジェクターから霧状の燃料を円錐形(コーン状)に噴射する技術のことです。従来の噴射方式では、燃料が直線的に噴射されるため、空気と十分に混ざり合う前にシリンダー壁面に付着してしまい、燃焼効率が低下するという問題点がありました。 一方、コーン状噴射では、広範囲に広がる霧状の燃料と空気がより均一に混合されるため、燃焼効率が向上し、燃費の向上と排気ガスのクリーン化に貢献します。