ディーゼルサイクル:圧縮着火の仕組み

ディーゼルサイクル:圧縮着火の仕組み

車を知りたい

先生、「ディーゼルサイクル」ってオットーサイクルと何が違うんですか? 図の1を見ても、よくわからないです。

自動車研究家

良い質問ですね。まず、オットーサイクルはガソリンエンジンで使われていて、ディーゼルサイクルはディーゼルエンジンで使われています。大きな違いは、燃料に火をつける方法です。

車を知りたい

火をつける方法ですか?

自動車研究家

そうです。ガソリンエンジンは、空気と燃料を混ぜてから圧縮し、点火プラグで火花を飛ばして燃焼させます。一方ディーゼルエンジンは、空気を圧縮して高温にしたところに燃料を噴射して、自己着火させます。図の1は、ディーゼルエンジンでの燃焼の様子を表していて、圧縮した状態のまま燃焼が進むのが特徴です。

ディーゼルサイクルとは。

「ディーゼルサイクル」とは、ディーゼルエンジン特有の燃焼方式を表す言葉です。ディーゼルエンジンでは、まず空気のみを圧縮し、高温高圧になったところに燃料を噴射します。このため、燃焼の仕方がガソリンエンジンなどで用いられるオットーサイクルとは異なり、一定の圧力下で燃焼する「定圧サイクル」となります。図1は、このディーゼルサイクルを示したものです。

ディーゼルエンジンの心臓部:ディーゼルサイクル

ディーゼルエンジンの心臓部:ディーゼルサイクル

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なる燃焼方式を採用しており、その心臓部となるのがディーゼルサイクルです。ディーゼルサイクルは、空気のみを圧縮して高温高圧状態を作り出し、そこに燃料を噴射することで自己着火を引き起こすという、独特のメカニズムを有しています。

ディーゼルサイクルは、吸入、圧縮、燃焼、排気の4つの工程で構成されています。まず、吸入工程では、ピストンが下降することにより、シリンダー内に新鮮な空気が取り込まれます。続く圧縮工程では、ピストンが上昇し、シリンダー内の空気を約20分の1まで圧縮します。この時、断熱圧縮によって空気の温度は約500~900℃にまで達します。

そして、燃焼工程に入ると、高圧高温となったシリンダー内に燃料噴射装置からディーゼル燃料が噴射されます。燃料は高温の空気と接触すると自己着火し、爆発的な燃焼が始まります。この燃焼圧力によってピストンが押し下げられ、仕事が行われます。最後の排気工程では、ピストンが上昇し、燃焼済みのガスがシリンダー外へ排出されます。

ディーゼルサイクルは、ガソリンエンジンと比べて熱効率が高く、燃費に優れているという特徴があります。また、圧縮比が高いため、低回転域から大きなトルクを発生させることができます。そのため、トラックやバスなどの大型車両や、パワーが必要とされる建設機械などに広く利用されています。

空気圧縮:熱の力

空気圧縮:熱の力

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なり、スパークプラグを用いずに燃料に着火します。その秘密は、ピストンによる空気の圧縮にあります。ディーゼルエンジン内では、まずピストンが上昇し、シリンダー内の空気を圧縮します。この時、空気は体積が縮められることで温度が上昇します。これは、自転車の空気入れを使った際に、ポンプ部分が温かくなるのと同じ原理です。そして、圧縮された高温の空気中に燃料が噴射されると、高温によって燃料が自然発火するのです。この一連の工程が、ディーゼルエンジンの心臓部と言えるでしょう。

燃料噴射:高圧空間への投入

燃料噴射:高圧空間への投入

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なり、スパークプラグによる点火を用いずに燃料に火をつけます。その代わりに、空気の圧縮熱を利用して燃料を自己着火させるという、独自の燃焼方式を採用しています。

本項では、燃料噴射に焦点を当て、ディーゼルエンジンがどのように高圧空間へ燃料を送り込み、燃焼させているのか解説していきます。

定圧燃焼:ディーゼルサイクルの鍵

定圧燃焼:ディーゼルサイクルの鍵

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なる燃焼方式を採用しており、これが独自の特性を生み出しています。ディーゼルサイクルにおいて、圧縮着火は重要なプロセスですが、その後の「定圧燃焼」こそが、ディーゼルエンジンの高効率と高トルクの鍵を握っています。

ガソリンエンジンでは、スパークプラグによる火花点火によって燃焼が始まりますが、ディーゼルエンジンは、空気のみを圧縮することで高温高圧状態を作り出し、そこに燃料を噴射することで自己着火させます。この時、燃焼初期段階では、燃料の噴射量を制御することで燃焼圧力をほぼ一定に保ちながら燃焼させる「定圧燃焼」を行います。

定圧燃焼は、ディーゼルサイクルの熱効率を高める上で重要な役割を果たします。圧力が一定に保たれることで、ピストンへの圧力がより長く作用し、熱エネルギーを効率的に運動エネルギーに変換することができます。これが、ディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりも高い熱効率を達成できる理由の一つです。

また、定圧燃焼は、ディーゼルエンジンの高トルク特性にも貢献しています。燃焼時間が長くなることで、より低い回転数でも大きなトルクを発生させることが可能になります。

ディーゼルエンジンは、圧縮着火と定圧燃焼という独自のメカニズムによって、高い熱効率と力強いトルクを実現しています。これらの特性は、特にトラックやバスなどの大型車両や、燃費性能と力強さが求められる車両において大きなメリットとなります。

オットーサイクルとの違い:燃焼方式の違い

オットーサイクルとの違い:燃焼方式の違い

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、どちらも内燃機関ですが、その燃焼方式には大きな違いがあります。ガソリンエンジンで採用されているオットーサイクルでは、シリンダー内に吸入した混合気にスパークプラグで着火することで燃焼させます。一方、ディーゼルサイクルでは、空気のみを圧縮し、高温高圧になったところに燃料を噴射して自己着火させます。この違いが、それぞれのエンジンの特性や効率に大きく影響しています。

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