自動車のEGRって?下流式の仕組みとメリット・デメリット

自動車のEGRって?下流式の仕組みとメリット・デメリット

車を知りたい

先生、「絞り弁下流循環式排気ガス再循環装置」って、何だか複雑な名前でよく分かりません。普通のEGR装置と何が違うんですか?

自動車研究家

良い質問だね!確かに名前は複雑だけど、要は排気ガスをエンジンのどこに戻すか、その場所が違うんだ。絞り弁下流循環式は、スロットルバルブという、空気の量を調整する弁があるんだけど、その下流に排気ガスを戻す方式なんだよ。

車を知りたい

スロットルバルブの下流…ということは、エンジンの吸気口に直接入れるわけじゃないんですね?

自動車研究家

そう!下流式はスロットルバルブを通った後、エンジンに向かう途中に排気ガスを混ぜるんだ。だから、スロットルバルブが汚れにくいというメリットがあるんだよ。だけど、排気ガスと新鮮な空気の混合が少し難しくなるというデメリットもあるんだ。

絞り弁下流循環式排気ガス再循環装置とは。

「絞り弁下流循環式排気ガス再循環装置」とは、排気ガスの一部をスロットルバルブよりも後のエンジンに再循環させるEGR装置の一種です。この方式では、EGR制御バルブで流量調整された排気ガスがスロットルバルブの下流に導入されるため、上流式と比べてスロットルバルブの汚れが軽減されます。しかし、新気との混合時間が短くなるため、各気筒への排気ガスの均一な分配が難しくなるというデメリットもあります。現在では、多くのEGRシステムでこの下流式が採用されています。一方、上流式は排気ガスの分配に優れていますが、スロットルバルブの汚れや吸入負圧の利用効率の低さから、導入部の管径を大きくする必要があるという課題があります。

EGRシステムとは?排ガス再循環の役割

EGRシステムとは?排ガス再循環の役割

自動車のエンジンは、燃料を燃焼させることで動力を得ています。しかし、この燃焼プロセスにおいて、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)が発生してしまいます。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)システムは、この窒素酸化物を低減するために開発された画期的なシステムなのです。

EGRシステムは、その名の通り排気ガスの一部を再びエンジンに取り込み、燃焼室に送り込む仕組みです。排気ガスには、すでに酸素が少ないため、再循環させることで燃焼温度を下げ、窒素酸化物の発生を抑制することができます。

このシステムは、環境保護の観点から非常に重要な役割を担っており、今日の自動車には必要不可欠なものとなっています。

絞り弁下流循環式EGRの仕組み

絞り弁下流循環式EGRの仕組み

絞り弁下流循環式EGRは、排気ガスの一部をターボチャージャーと酸化触媒の間から取り出し、吸気管の絞り弁より下流に送り込みます。この方式では、排気圧力が比較的低いディーゼルエンジンに適しています。

具体的には、排気マニホールドから分岐された配管を通り、EGRクーラーで冷却された排気ガスが、吸気管の絞り弁の手前に設けられたEGRバルブを通じて、吸気管に送り込まれます。絞り弁は吸入空気量を調整する役割を担っており、その下流にEGRガスを導入することで、吸気管内圧力を負圧に保ちながら、より多くのEGRガスを導入することが可能となります。

下流式EGRのメリット:スロットルの汚れ抑制

下流式EGRのメリット:スロットルの汚れ抑制

下流式EGRは、排ガスをスロットルバルブよりも下流側から取り入れるため、スロットルバルブに汚れが付着しにくくなるというメリットがあります。上流式EGRの場合、排ガスに含まれるPM(粒子状物質)がスロットルバルブに堆積し、汚れや動作不良の原因となることがありました。しかし、下流式EGRでは排ガスがスロットルバルブを通過しないため、このような問題を抑制することができます。

下流式EGRのデメリット:均一な分配の課題

下流式EGRのデメリット:均一な分配の課題

下流式EGRは、排気ガスをターボチャージャーの後、つまりエンジンの各気筒に繋がる吸気管に直接導入するため、排ガスを均一に分配することが難しいという課題があります。気筒間で排ガスの量が異なると、燃焼状態にばらつきが生じ、出力低下や燃費悪化に繋がることがあります。 この課題を克服するために、各気筒に均等に排ガスを分配する技術開発が進められています

上流式EGRとの比較:どちらが優れている?

上流式EGRとの比較:どちらが優れている?

排ガス浄化のために有効なEGRシステムですが、実はその方式には種類があります。本記事で解説している下流式EGRに加えて、上流式EGRと呼ばれる方式も存在します。それぞれの方式に異なるメリット・デメリットがあるため、どちらが優れているとは一概には言えません。 車の使用状況や求められる性能によって、最適な方式は変わると言えるでしょう。

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