車の乗り心地を決める「振動」の正体

車の乗り心地を決める「振動」の正体

車を知りたい

先生、自動車の『振動』について教えてください。説明を読んだのですが、ちょっと難しくてよく理解できないんです。

自動車研究家

なるほど。『振動』は少し難しいよね。簡単に言うと、物が揺れることだよ。例えば、ブランコみたいに一定のリズムで揺れ続けるものもあれば、でこぼこ道を走った時に車がガタガタと揺れるものもあるよね?

車を知りたい

ああ、なんとなく分かります。でも、説明の中に『自由振動』や『強制振動』など、種類があるって書いてありました。

自動車研究家

そうだね。例えば、でこぼこ道を走った後に車がしばらく揺れ続けるのは『自由振動』、エンジンが動いている間ずっと車が振動しているのは『強制振動』って呼ばれているよ。このように、振動の原因や続く時間で分類されるんだ。

振動とは。

「振動」とは、自動車においても重要な用語です。これは、ある基準値を中心に、量が時間とともに増減を繰り返す現象を指します。機械や電気など、様々な分野で使われる言葉ですが、自動車では主に機械的な振動を指します。振動を表すには、変位、速度、加速度といった指標に加えて、どの周波数がどれだけの強さで含まれているかを示す必要があります。

自動車における振動は、その発生原因によってさらに細かく分類されます。例えば、外部からの力を加えた後に、その力がなくなっても続く振動を「自由振動」と呼びます。車の車体が、道路の段差を乗り越えた後、しばらく上下に揺れ続ける現象がこれに当たります。一方、外部から力が継続的に加わることで発生する振動は「強制振動」と呼ばれ、車のエンジンが稼働している際の振動が代表例です。また、1秒にも満たない非常に短い時間に発生する振動は「衝撃振動」と呼ばれます。

自動車における振動とは?

自動車における振動とは?

私たちは車を運転している時、常に振動を感じています。 しかし、この振動の正体について、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか? 快適なドライブを楽しむためには、振動を理解することが重要です。この章では、自動車における振動の基礎について解説していきます。

振動の表し方:周波数と振幅

振動の表し方:周波数と振幅

心地よいドライブ、そして快適な車内空間。それらを大きく左右する要素の一つに「振動」があります。しかし、振動と一言で言っても、それが実際にどのようなものか、詳しく知る人は少ないのではないでしょうか?

この章では、振動を理解するための基礎知識として、「周波数」と「振幅」について解説していきます。

まず「周波数」とは、1秒間に何回振動するかを表す数値で、単位はHz(ヘルツ)を用います。周波数が低い場合はゆっくりとした振動、高い場合は速い振動になります。例えば、道路の継ぎ目を通過する際に感じるようなゆっくりとした揺れは低い周波数荒れた路面を走る際に感じるような細かい振動は高い周波数に該当します。

次に「振幅」とは、振動の中心からどれだけ大きく揺れ動くかを表す数値です。振幅が大きいほど揺れは大きくなり、小さいほど揺れは小さくなります。これは、ガタガタ道で感じるような大きな揺れは振幅が大きく舗装された滑らかな道で感じる揺れは振幅が小さいことに対応します。

このように、周波数と振幅の組み合わせによって、振動の感じ方は大きく変化します。この二つの要素を知ることで、車の乗り心地をより深く理解することができます。

自由振動:あの「ふわふわ感」の正体

自由振動:あの「ふわふわ感」の正体

車を走らせると、路面の凹凸やエンジンの動作など、様々な要因で振動が発生します。この振動こそが、快適なドライブを左右する「乗り心地」を大きく左右する要素です。今回は、数ある振動の中でも、あの独特な「ふわふわ感」を生み出す「自由振動」について解説していきます。
自由振動とは、一言で表すと「一度外力を加えると、その後は外力なしに振動し続ける現象」のことです。例えば、ブランコを一度押すと、その後は押さなくてもしばらくの間は揺れ続けますよね。あれがまさに自由振動です。車にも、この自由振動が発生する箇所がいくつかあり、サスペンションもその一つです。サスペンションは、バネとダンパーで構成されており、路面の凹凸を吸収する役割を担っています。このサスペンションが、路面の凹凸を乗り越えた際に自由振動を起こし、あの「ふわふわ感」を生み出しているのです。ただし、自由振動は、快適な乗り心地を生み出す一方で、振動が収束するまでに時間がかかると、逆に不快に感じてしまうこともあります。そのため、車の設計者は、自由振動の周期や減衰力を調整することで、快適な乗り心地を実現しようと試行錯誤を重ねています。

強制振動:エンジンなどから伝わる振動

強制振動:エンジンなどから伝わる振動

車は、走行中に様々な振動にさらされています。その中でも、エンジンの回転や、路面の凹凸など、外部からの力によって引き起こされる振動を「強制振動」と呼びます。

エンジンは、ピストンの上下運動などにより、どうしても振動を発生させてしまいます。この振動が、車体やシートに伝わることで、私たちは不快な揺れを感じてしまうのです。また、タイヤが路面の凹凸を乗り越える際にも、衝撃が車体に伝わります。

これらの強制振動を軽減するために、車は様々な工夫が凝らされています。例えば、エンジンマウントと呼ばれるゴム製の部品でエンジンを支えることで、振動を吸収しています。また、サスペンションも、路面からの衝撃を和らげる重要な役割を担っています。

しかし、完全に振動をなくすことは難しく、車種や走行状況によって、ある程度の振動は避けられません。この強制振動が、乗り心地を大きく左右する要素の一つとなっているのです。

衝撃振動:一瞬の衝撃と車への影響

衝撃振動:一瞬の衝撃と車への影響

路面の段差を乗り越えた時や、タイヤが石を踏んでしまった時、私たちが感じるのは「衝撃」と表現できるような瞬間的な振動です。これは「衝撃振動」と呼ばれ、一瞬にして車全体に大きな力が加わるという特徴を持っています。

衝撃振動は、その瞬間的な衝撃の大きさだけでなく、車がどのようにその衝撃を吸収し、いなすかによって、乗員が感じる不快感も大きく変わってきます。衝撃をうまく吸収できない車は、乗員に不快な揺れを与え、乗り心地を損ねてしまう原因となるのです。

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