幻のエコカー？ガスタービン自動車の過去と未来
車を知りたい
先生、ガスタービン自動車って普通の車と何が違うんですか？
自動車研究家
良い質問だね！ ガスタービン自動車は、普通の車に使われているガソリンエンジンやディーゼルエンジンとは全く違う仕組みで動く自動車なんだ。飛行機のジェットエンジンと似たような仕組みだと思えばいいよ。
車を知りたい
へぇー！飛行機みたいでかっこいい！じゃあ、なんでガスタービン自動車はあまり走ってないんですか？
自動車研究家
それは、ガスタービン自動車にも弱点があるからなんだ。例えば、燃費が悪かったり、急に加速するのが苦手だったりするんだ。だから、街中を走るような普通の車には向いていないとされているんだね。
ガスタービン自動車とは。
「ガスタービン自動車」とは、その名の通りガスタービンエンジンを搭載した自動車のことです。一般的に燃費向上のため熱交換器が備わっています。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンよりも燃焼温度が低いため、窒素酸化物の排出量が少ないという利点があります。しかし、ガスタービンを小型化すると熱効率が低下し、燃費が悪化するデメリットも持ち合わせています。また、ピストンエンジンと比較して加速性能が劣る点も挙げられます。一方で、出力の割に軽量であるため、大型車への搭載に適していると考えられています。1970年代には、ル・マン24時間レース、F1、インディ500などのレースに、ガスタービンを搭載したレーシングカーが参戦していました。
ガスタービン自動車とは？仕組みと特徴を解説
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが主流を占める自動車業界において、ガスタービンエンジンを搭載した自動車は、長らく「幻のエコカー」と称されてきました。では、ガスタービン自動車とは一体どのような乗り物なのでしょうか？本稿では、その仕組みや特徴について解説していきます。
燃費改善の鍵となる熱交換器の役割
ガスタービンエンジンは、その構造のシンプルさや高出力重量比、低振動といった利点から、自動車への搭載が長年期待されてきました。しかし、低負荷時の燃費の悪さが課題となり、広く普及するには至っていません。
ガスタービンエンジンの燃費を改善する上で重要な役割を果たすのが、熱交換器です。熱交換器は、排気ガスの熱を利用して、燃焼前の空気を予熱することで、燃費の向上に貢献します。
特に、回生型熱交換器と呼ばれる高効率な熱交換器の開発が進められており、ガスタービン自動車の実用化に向けた期待が高まっています。回生型熱交換器は、排気ガス中の熱をより効率的に回収できるため、従来の熱交換器と比較して、燃費を大幅に向上させることが可能です。
環境性能 – メリットとデメリット
ガスタービンエンジンは、その高い熱効率から、低燃費とクリーンな排ガスが期待できる動力源として知られています。従来のガソリンエンジンと比較して、窒素酸化物（NOx）や粒子状物質（PM）の排出量が少ない点は大きなメリットと言えるでしょう。とりわけ、天然ガスを燃料とした場合、二酸化炭素排出量を大幅に削減できる可能性を秘めています。
しかし、課題も存在します。ガスタービンエンジンは、低負荷時の燃費が悪化するという特性があります。これは、都市部などでのストップ＆ゴーが多い走行条件では、燃費性能が大きく低下することを意味します。また、排ガス浄化システムの開発も重要な課題です。ガスタービンエンジンは高温の排ガスを排出するため、従来の触媒では十分な浄化性能を確保することが難しいからです。
ガスタービン自動車の活躍と衰退の歴史
ガスタービンエンジンは、その高い熱効率と低排出ガス性能から、かつて自動車の動力源として大きな期待を寄せられていました。1950年代から60年代にかけて、アメリカの自動車メーカーを中心に、ガスタービン自動車の試作車が数多く開発されました。中でも、GM社が開発した「ファイアバード」シリーズは、その斬新なデザインと高い性能で注目を集めました。
しかし、ガスタービンエンジンは、低回転域での出力不足や燃費の悪さ、そして高価な製造コストがネックとなり、実用化には至りませんでした。70年代に入ると、オイルショックの影響もあり、燃費性能に優れたガソリンエンジンやディーゼルエンジンの開発が進み、ガスタービン自動車は次第に表舞台から姿を消していきました。
未来への可能性 – 大型車や発電への応用
ガスタービンエンジンは、その構造上、小型化が難しく、自動車用途としてはコスト面でも不利なため、乗用車への搭載は難しいとされてきました。しかし、大型車となると話は別です。トラックやバスなどの大型車では、積載量や走行距離の面から、ガスタービンエンジンの出力の大きさと燃費の良さがメリットとなります。
さらに、ガスタービンエンジンは、発電用途にも適しています。排出ガスがクリーンであること、起動が速いこと、負荷変動への対応が容易であることなどから、非常用電源や分散型電源としての活用が期待されています。特に、近年注目されている水素エネルギーとの組み合わせは、次世代のクリーンエネルギーシステムとしても期待が高まっています。