自動車の心臓部!滑り軸受けの仕組み
車を知りたい
先生、「滑り軸受け」って、普通のベアリングと何が違うんですか?
自動車研究家
いい質問だね!普通のベアリングは、軸と軸受けの間にボールやローラーが入っていて、回転が滑らかになるよね。滑り軸受けは、その名の通り、軸が直接金属の上を滑るようになっているんだよ。
車を知りたい
えー、じゃあ摩擦が大きくなって、動きが悪くなったりしないんですか?
自動車研究家
確かに摩擦は大きくなるけど、滑り軸受けには摩擦を減らす工夫がされているんだ。例えば、軸受け合金を使ったり、表面に特別な処理をしたりね。それに、構造が簡単で丈夫だから、大きな力がかかる場所にも使えるんだよ。
滑り軸受けとは。
自動車用語の「滑り軸受け」とは、軸が表面を滑りながら回転するのを支える軸受けのことです。クランクシャフトやコネクティングロッドの大端部などで使われています。滑り軸受けは、ハウジングに密着させるために少しつぶれるように設計された、半円形のベアリングメタルをキャップで固定する構造になっています。ベアリングメタルは、裏金に軸受け合金を焼き付けた上に、軸との馴染みを良くするためのオーバーレイが施されています。軸受けの耐久性を高めることと、軸との初期馴染みを良くすることは、相反する課題です。特に、高荷重用のベアリングメタルでは、オーバーレイの役割が重要になります。ちなみに、アルミニウム製のシリンダーヘッドにカムシャフトを支える場合、アルミニウム自体に軸受けとしての機能があるため、カムシャフトのジャーナル部を、ヘッドとアルミニウム製のベアリングキャップで直接挟み込むことで滑り軸受けを形成します。
滑り軸受けとは?
滑り軸受けとは、回転する軸を支え、スムーズな回転を可能にする重要な機械要素です。軸と軸受けの間に油膜やグリースを介在させることで、摩擦を最小限に抑え、エンジンやモーターなど、様々な機械の回転を支えています。その歴史は古く、古代エジプトの時代から利用されてきました。現代社会においても、自動車や航空機、産業機械など、幅広い分野で欠かせない存在となっています。
滑り軸受けの構造と素材
滑り軸受けは、回転する軸とそれを支える軸受が直接接触する、最もシンプルな構造の軸受です。軸受の表面には、摩擦を減らし、摩耗を防ぐために、軸受メタルと呼ばれる柔らかい金属 が用いられます。
軸受メタルには、すず、鉛、銅、アルミニウムなどをベースに、様々な添加物が加えられ、耐荷重性、耐摩耗性、耐腐食性などが向上されています。
軸受と軸の間には、潤滑油 が供給され、これにより、摩擦がさらに低減されるとともに、摩耗粉の排出 や冷却 も行われます。滑り軸受けは、構造が簡単で安価に製造できるというメリットがある一方、摩擦が大きく、高速回転には不向きという側面も持っています。
滑り軸受けのメリット・デメリット
滑り軸受けは、そのシンプルな構造ゆえに多くのメリットを持つ一方で、克服すべきデメリットも存在します。
最大のメリットは、製造コストが低いことが挙げられます。これは、構造が単純であるため加工が容易であることに起因します。また、高い回転速度にも対応できる点も魅力です。潤滑油が軸と軸受の間の摩擦を減らすため、高速回転時でも安定した性能を発揮します。さらに、静音性に優れている点も見逃せません。金属同士の接触がないため、騒音や振動が少なく、静粛な動作が求められる場面に適しています。
一方で、摩擦抵抗が大きくエネルギー損失に繋がる点はデメリットと言えるでしょう。特に始動時や低速回転時において、摩擦抵抗が大きくなる傾向があります。また、摩耗が発生しやすいという側面も持ち合わせています。継続的な使用により、軸受や軸が摩耗し、性能が低下する可能性があります。さらに、定期的なメンテナンスが必要となる点も留意が必要です。潤滑油の交換や摩耗状態の確認など、定期的なメンテナンスが欠かせません。
滑り軸受けが使われる場所
滑り軸受けは、そのシンプルな構造と高い信頼性から、自動車の様々な場所で活躍しています。特に、エンジン内部は、滑り軸受けの活躍の場と言えるでしょう。エンジンのクランクシャフトやコンロッドには、高温・高負荷という過酷な環境に耐えうる滑り軸受けが欠かせません。
エンジン以外にも、滑り軸受けはトランスミッションやデファレンシャルギアなど、回転を伴う様々な部品に使用されています。これらの部品において、滑り軸受けは摩擦を低減し、スムーズな回転を支えているのです。
滑り軸受けのメンテナンス
滑り軸受けは、定期的なメンテナンスが欠かせません。摩耗した軸受けを放置すると、異音や振動が発生するだけでなく、最悪の場合、エンジンの故障に繋がることがあります。
定期的な潤滑油の交換は、軸受けの寿命を延ばすために非常に重要です。潤滑油は、軸受けの摩擦を減らし、摩耗を防ぐ役割を担っています。また、軸受けの定期的な点検も重要です。点検では、軸受けの摩耗や損傷の程度を確認します。もし、摩耗や損傷がひどい場合は、軸受けの交換が必要です。