クルマ開発の立役者!シャシーダイナモとは?
車を知りたい
先生、「シャシーダイナモメーター」ってなんですか?自動車の用語らしいんですけど、よく分からなくて。
自動車研究家
「シャシーダイナモメーター」は、簡単に言うと、実際の道路の代わりにローラーの上で車を走らせてテストする装置のことだよ。実車走行試験を行う装置で、ローラーと駆動力の吸収、計測装置、走行抵抗(転がり、勾配、空気)調節装置、加速抵抗(フライホイール)調節装置、降坂の逆駆動装置、車速比例の送風装置などからなるんだ。用途は、実車動力性能、燃費測定が主であったが、排気ガス、燃費試験の頻度の高まりからから急速に広まり、環境室、無響室、減圧室、電波暗室などの設備内に設置し、冷却、空調、耐寒、騒音、高地、電雑など幅広い試験に用いられているんだ。
車を知りたい
なるほど。ローラーの上で車を走らせるんですね。でも、どうしてそんな装置を使う必要があるんですか?
自動車研究家
いい質問だね! 実は、シャシーダイナモメーターを使うと、天候や道路状況に左右されずにいつでも同じ条件でテストができるんだ。それに、排気ガスや燃費を正確に測ったり、騒音や振動を詳しく調べたりすることもできるんだよ。
シャシーダイナモメーターとは。
自動車用語の「シャシーダイナモメーター」とは、実際の道路の代わりにローラーの上で車を走らせることで走行試験を行う装置です。ローラーはダイナモメーターと接続されており、これにより車の駆動力を測定します。シャシーダイナモメーターは、ローラー、駆動力吸収・計測装置、走行抵抗(転がり抵抗、勾配抵抗、空気抵抗)調整装置、加速抵抗(フライホイール)調整装置、降坂時の逆駆動装置、車速比例送風装置などで構成されています。
従来は、主に車の動力性能や燃費測定に用いられていましたが、排ガスや燃費に関する試験の必要性が高まったことを受け、近年急速に普及が進んでいます。環境室、無響室、減圧室、電波暗室などに設置されるケースも多く、冷却、空調、耐寒、騒音、高地、電波など、様々な環境条件下での試験に活用されています。
ローラーには、ツインローラー、シングルローラー、そしてタイヤの変形が実路面に近いフラットローラーがあります。ツインローラーは比較的小型ですが、タイヤの変形や滑りが大きいという欠点があります。主に排ガス試験に使用されます。シングルローラーは直径1~2mの大型のもので、表面にはスリップ防止の加工や塗装が施されています。加振試験や騒音試験のために特殊な形状が追加されることもあります。
シャシーダイナモメーターによる試験は、気象や路面状況に左右されず、固定式の計測装置を多く使えるため、路上試験に比べて開発期間の短縮につながります。そのため、近年ではシャシーダイナモメーターを利用した試験が増加傾向にあります。
シャシーダイナモの仕組み
シャシーダイナモは、巨大なローラーと、それを駆動する強力なモーター、そして車速や負荷を精密に制御するコンピューターシステムで構成されています。 車両をローラーの上に乗せ、タイヤを回転させることで、実際に走行しているのと同様の状態を再現します。このローラー部分には、回転に対する抵抗を与えるための装置や、傾斜路を模擬する機能などが備わっている場合もあります。
シャシーダイナモでできること
シャシーダイナモは、実走行を模擬した様々な条件下で車両の走行性能を評価できる、自動車開発になくてはならない装置です。具体的には、加速、減速、定常走行など、様々な走行パターンをシャシーダイナモ上で再現することで、エンジンの出力特性や燃費、排出ガスなどを測定することができます。
さらに、勾配を模擬した走行抵抗を与えることで、より実走行に近い環境での評価も可能です。これらのデータは、エンジンの制御プログラムの開発や、燃費向上、排出ガス低減のための技術開発に活用されます。
進化するシャシーダイナモ
従来のシャシーダイナモは、実際の走行状態を完全に再現するには至らないという課題を抱えていました。しかし、近年の技術革新により、その性能は飛躍的に向上しています。例えば、より高精度なセンサーや制御システムの導入により、実走行に限りなく近い状態を再現することが可能となりました。また、バーチャルリアリティ技術との融合も進んでおり、ドライバーは仮想空間の中で様々な走行状況を体験しながら、車両の性能評価を行うことができるようになっています。これらの進化により、シャシーダイナモは、自動車開発において、より重要な役割を担うようになっています。
ツインローラー vs シングルローラー
– ツインローラー vs シングルローラー
シャシーダイナモには、大きく分けて「ツインローラー式」と「シングルローラー式」の2種類があります。
ツインローラー式は、駆動輪を2つのローラーで挟み込むようにして測定する方式です。実走行に近い状態を作り出せるため、より正確なデータを得ることができるとされています。
一方、シングルローラー式は、片側の駆動輪だけをローラーに載せて測定する方式です。構造がシンプルでコストを抑えられるというメリットがあります。
どちらの方式にもメリット・デメリットがあるため、測定の目的や予算に合わせて最適な方を選択することが重要です。
シャシーダイナモが自動車開発にもたらすメリット
自動車の開発において、安全性や走行性能を徹底的に追求することは非常に重要です。しかし、実走行でテストを行うには、天候や交通状況など、様々な外的要因に左右されてしまいます。そこで活躍するのが「シャシーダイナモ」です。
シャシーダイナモは、室内に設置された装置で、自動車の駆動輪をローラーの上に乗せて回転させることで、実際の走行状態を模擬することができます。この装置を利用することで、天候に左右されずに、いつでも安定した条件下でテストを行うことが可能となります。
さらに、シャシーダイナモは、様々な走行状況を再現することができます。例えば、坂道発進や高速走行、急ブレーキなど、実走行では危険を伴うような状況でも、安全にテストを行うことができます。また、燃費や排ガスなどの環境性能の評価にも役立ちます。
このように、シャシーダイナモは、自動車開発において、安全性、効率性、環境性能など、様々な面で大きなメリットをもたらします。今後も、自動車技術の進化とともに、シャシーダイナモの重要性はますます高まっていくでしょう。