エンジンオイルの守護神!清浄分散剤の役割とは?

エンジンオイルの守護神!清浄分散剤の役割とは?

車を知りたい

先生、清浄分散剤ってエンジンオイルに入っているって聞いたんですけど、どんなものなんですか?

自動車研究家

そうだね。エンジンオイルは使っていると汚れちゃうけど、清浄分散剤はその汚れがエンジンにこびりつかないようにする働きがあるんだ。

車を知りたい

汚れがこびりつくとどうなるんですか?

自動車研究家

エンジンが汚れでギトギトになると、燃費が悪くなったり、最悪の場合エンジンが壊れてしまうこともあるんだよ。だから、清浄分散剤はエンジンをきれいに保つためにとても重要なんだ。

清浄分散剤とは。

「清浄分散剤」とは、エンジンオイルの性能を維持するために重要な添加剤です。エンジン内部では、燃焼のカスやオイル自身の劣化によって汚れが発生します。この汚れは、スラッジやワニスとなってエンジン各部に付着し、エンジンの性能を低下させてしまいます。そこで、清浄分散剤をオイルに添加することで、これらの汚れをエンジン内部に分散・懸濁させ、付着を防ぎます。
清浄分散剤には、金属を含むものと含まないものがあります。金属を含むものは、高温で発生するスラッジに効果的で、バリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含むスルホネート系やフィネート系などがあります。一方、金属を含まないものは、低温で発生し水分を多く含むスラッジに効果的で、コハク酸イミド系やベンジルアミン系などが用いられます。

エンジンオイルの汚れの原因とは?

エンジンオイルの汚れの原因とは?

エンジンオイルは、車の心臓部であるエンジンをスムーズに動かすために欠かせない存在です。しかし、高温・高圧な環境下で常に稼働し続けるエンジン内部では、どうしても汚れが発生してしまいます。 エンジンオイルの汚れの原因は、大きく分けて「燃料の燃焼」と「オイル自身の劣化」の二つがあります。

まず、「燃料の燃焼」によって発生する汚れとしては、不完全燃焼によって生じるススや、燃料に含まれる硫黄分が酸化してできる硫酸などが挙げられます。これらの汚れは、エンジン内部に蓄積すると、エンジンの出力低下や燃費悪化を引き起こす可能性があります。

一方、「オイル自身の劣化」による汚れは、オイルが高温にさらされることで酸化し、スラッジと呼ばれる粘性のある物質が発生することが原因です。スラッジは、オイルの循環を阻害し、エンジン内部の摩擦や摩耗を促進させてしまいます。

このように、エンジンオイルの汚れは、エンジンの性能や寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。そこで重要な役割を担うのが「清浄分散剤」です。

スラッジ・ワニスが引き起こすトラブル

スラッジ・ワニスが引き起こすトラブル

エンジンオイル内に発生するスラッジやワニスは、まるでエンジンの血管を詰まらせる悪玉コレステロールのような存在です。 スラッジは、オイルの劣化や燃焼残物などによって生じる粘性の高い物質で、ワニスはスラッジがさらに高温にさらされて硬化した物質です。
これらの厄介者は、エンジン内部に蓄積し、様々なトラブルを引き起こします。例えば、ピストンリングの動きを阻害することで、エンジンの出力低下や燃費悪化を引き起こす可能性があります。また、オイル経路を狭くしたり詰まらせたりすることで、オイルの循環が悪くなり、エンジン内部の冷却効率が低下する可能性も。最悪の場合、エンジンが焼き付いてしまうことも考えられます。
このように、スラッジやワニスは、エンジンのパフォーマンスや寿命に悪影響を与える可能性のある、注意すべき物質なのです。

清浄分散剤のメカニズム

清浄分散剤のメカニズム

エンジン内部では、燃料の燃焼によってススやスラッジといった汚れが発生します。 清浄分散剤は、これらの汚れをオイル中で細かく分散させて、エンジン内部に汚れが付着するのを防ぎます。 イメージとしては、洗剤が油汚れを落とすのと似ています。汚れを包み込んで、オイルフィルターでろ過できるサイズまで小さくする働きをします。

もし清浄分散剤がなければ、汚れはエンジン内部に蓄積し、オイルの劣化を早めるだけでなく、エンジンの性能低下や寿命を縮めることにもつながります。 清浄分散剤は、エンジンオイルの性能を維持するために欠かせない成分と言えるでしょう。

高温スラッジと低温スラッジの違い

高温スラッジと低温スラッジの違い

エンジン内部では、燃焼によって避けられない汚れが発生します。その中でも厄介なのが、高温スラッジ低温スラッジです。

高温スラッジは、エンジンが高温になることでオイルが酸化し、粘度が上昇してベタベタとした状態になったものです。主にピストン周辺やオイルリングに付着しやすく、エンジンの出力低下や燃費悪化を引き起こします。

一方、低温スラッジは、エンジンが冷えている際に発生しやすいため、短距離走行が多い車で特に問題となります。不完全燃焼によって生じる水蒸気や燃料の燃えカスなどが、オイルと混ざり合って乳化する事で発生します。マヨネーズ状の物質で、オイル経路を詰まらせ、最悪の場合、エンジンが焼き付く可能性もあります。

清浄分散剤の種類と特徴

清浄分散剤の種類と特徴

エンジンオイルの中には、その性能を最大限に引き出すために様々な添加剤が配合されています。その中でも、清浄分散剤はエンジン内部をクリーンに保つという重要な役割を担っています。

清浄分散剤と一口に言っても、実はいくつかの種類が存在し、それぞれ特徴が異なります。大きく分けると、「金属系清浄剤」と「無灰分散剤」の二つに分類されます。

まず金属系清浄剤は、主にエンジン内部に発生するスラッジやデポジットといった汚れを化学的に分解・除去する役割を担います。高温にさらされるエンジン内部では、オイルの酸化や燃焼残留物などによって、これらの汚れが溜まりやすくなります。金属系清浄剤は、これらの汚れに直接作用し、エンジン内部をクリーンな状態に保ちます。

一方、無灰分散剤は、汚れを微細な粒子としてオイル中に分散させることで、汚れの付着を防ぎます。汚れを分解するのではなく、オイル中に分散させることで、エンジン内部への汚れの付着を抑制するのが特徴です。

このように、清浄分散剤は種類によってその働きが異なります。エンジンオイルを選ぶ際には、自身の車の使用状況やエンジンの状態に合った清浄分散剤が含まれているかどうかも重要な要素と言えるでしょう。

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