車の燃費を左右する「吸排気損失」とは?
車を知りたい
先生、「吸排気損失」って、エンジンが吸排気をするためにパワーを使っちゃうって意味ですよね? でも、なんでパワーを使うことになるんですか? 空気って吸ったり吐いたりするのに力がいりますか?
自動車研究家
いい質問だね! 実は、空気自体を吸ったり吐いたりするのはそれほど力は必要ないんだ。問題は、吸い込む空気と吐き出す排気の圧力の違いと、排気の熱なんだ。
車を知りたい
圧力の違いと排気の熱ですか?
自動車研究家
そうなんだ。エンジンは、低い圧力の空気を吸い込んで、高い圧力で排気ガスを吐き出す。この圧力を変えるためにエンジンは仕事をする必要がある。また、排気ガスは高温なので、その熱エネルギーも一緒に捨てていることになる。これが吸排気損失の主な原因なんだ。
吸排気損失とは。
自動車用語の「吸排気損失」とは、エンジンが空気を取り入れたり、排気ガスを出したりする際に生じるエネルギーのロスを指します。エンジンは、低い圧力の吸気側から新鮮な空気を取り込み、高い圧力の排気側から燃焼後のガスを排出します。この一連の動作で、エンジンは吸排気のために仕事をする必要があり、その分のエネルギーが損失となるのです。 圧力と体積をかけ合わせたものは仕事量を表し、これはエンジンが本来発生するべき出力の一部が、吸排気によって失われていることを意味します。低い圧力の吸気側から取り入れた空気を、高い圧力の排気側へ排出する際に生じる損失を「ポンプ損失」といいます。さらに、排気ガスは高温であるため、圧力と流量の積に比例するエネルギー(エンタルピー)を持っていますが、これも排出時に失われてしまいます。これを特に「排気損失」と呼びます。
吸排気損失とは何か?
車はエンジン内部で燃料を燃焼させることでパワーを生み出しますが、この燃焼に必要な空気を取り込み、発生した排気ガスを排出する過程で、どうしても抵抗が生じてしまいます。この抵抗こそが吸排気損失です。
空気は目に見えないため、イメージしにくいかもしれませんが、空気にも重さがあり、抵抗が存在します。例えば、ストローでジュースを勢いよく吸込むのが難しいように、エンジンも空気を取り込む際に抵抗を受けているのです。同様に、排気ガスを出す際にも抵抗が生じます。吸排気損失は、この吸気と排気の際に発生する抵抗の合計を指します。
ポンプ損失:吸気から排気までの圧力差
エンジンは、ガソリンを燃焼させることでピストンを動かし、車を走らせるための動力を生み出しています。この時、重要な役割を担うのが「吸気」と「排気」のプロセスです。空気中の酸素をエンジン内部に取り込み(吸気)、燃焼後のガスを排出する(排気)という流れの中で、実はエネルギーの損失が発生しています。これが「ポンプ損失」と呼ばれるものです。
ポンプ損失は、具体的には吸気行程で生じる負圧と、排気行程で生じる圧力差によって発生します。エンジンはピストンの上下運動によって動いていますが、この動きと吸排気バルブの開閉タイミングにはズレが生じます。このため、吸気する際にピストンが空気を吸い込むための抵抗となり、逆に排気する際には、排気ガスを押し出すために余分なエネルギーが必要となります。
このポンプ損失を減らすことができれば、エンジンの効率が上がり、燃費向上に繋がります。近年の車では、バルブタイミングの可変機構など、様々な技術によってポンプ損失の低減が図られています。
排気損失:排気ガスに含まれる熱エネルギー
エンジンはガソリンを燃焼させて動力を得ていますが、この時発生する熱エネルギーの全てが車の走行に活かされているわけではありません。 排気ガスとして排出される際に、多くの熱エネルギーが一緒に捨てられているのです。これが「排気損失」です。
高温の排気ガスには、まだ利用できるエネルギーが含まれていますが、 現在の技術では、この熱エネルギーを完全に回収することは困難です。そのため、少しでも排気損失を減らすために、エンジンの改良や排熱回収システムの開発などが進められています。
吸排気損失が燃費に与える影響
車はエンジンで燃料を燃焼させて動力を得ていますが、この際空気を取り込み、排気ガスを出す必要があります。この空気の出し入れの際に抵抗が生まれ、これが吸排気損失と呼ばれます。
吸排気損失が大きくなると、エンジンはより多くの力を使って空気を出し入れしなければならず、その分燃費が悪化してしまいます。逆に、吸排気損失を減らすことができれば、エンジンの負担を軽減し、燃費向上に繋がるのです。
吸排気損失を減らす技術
燃費向上のため、自動車メーカーは様々な技術開発に取り組んでいますが、その中でも「吸排気損失」を減らす技術は重要な要素です。吸排気損失とは、エンジンが空気を取り込み、排気ガスを出す際に生じる抵抗のこと。 この抵抗が大きくなると、エンジンはより多くのエネルギーを消費するため、燃費が悪化してしまいます。
吸排気損失を減らすための代表的な技術としては、「可変バルブタイミング機構」や「可変バルブリフト機構」が挙げられます。これらの技術は、エンジンの回転数や負荷に応じてバルブの開閉タイミングやリフト量を最適化することで、吸排気効率を高め、損失を低減します。
その他にも、吸気管の長さや形状を最適化する「可変吸気システム」や、排気ガスの流れをスムーズにする「エキゾーストマニホールド」なども、吸排気損失低減に貢献しています。
これらの技術により、燃費の向上だけでなく、出力やトルクの向上、排気ガスのクリーン化など、様々なメリットが生まれています。