ATの加速を左右?ストールトルク比を解説

ATの加速を左右?ストールトルク比を解説

車を知りたい

先生、「ストールトルク比」ってなんですか?自動車の用語らしいんですけど、よく分からなくて。

自動車研究家

いい質問だね。「ストールトルク比」は、AT車の発進に関係する用語なんだ。簡単に言うと、エンジンが停止した状態から、どれだけ力強く発進できるかを示す数値だよ。

車を知りたい

エンジンが停止した状態からの力強さ…ですか?

自動車研究家

そう。例えば、重い荷物を積んだトラックで坂道発進する場面を想像してみて。ストールトルク比が大きいほど、グッと力強く発進できるんだ。トルクコンバーターという部品の性能を表す数値で、この数値が大きいほど、発進がスムーズで力強い車と言えるんだよ。

ストールトルク比とは。

「ストールトルク比」は、自動車のAT(オートマチックトランスミッション)車におけるトルクコンバーターの性能を表す用語です。トルクコンバーターは、エンジンからの回転力を滑らかにタイヤに伝えるための装置で、ストールトルク比は、その伝達効率を示す指標となります。

具体的には、エンジンの出力軸が停止している状態(ストール状態)での、入力トルクと出力トルクの比率を指します。つまり、AT車が発進する際に、エンジンから駆動輪にどれだけの力を伝達できるかを示す数値と言えます。ストールトルク比が大きいほど、力強い発進が可能となります。

ストールトルク比とは?

ストールトルク比とは?

ストールトルク比とは、トルクコンバーターの性能を表す重要な指標の一つです。トルクコンバーターは、AT車においてエンジンの動力を変速機に伝える役割を果たす部品ですが、このストールトルク比が高いほど、発進時や加速時に力強い走り出しを実現することができます。

具体的には、エンジンの出力を最大限に高めた状態で、出力軸が回転できないように固定した際に発生するトルクと、エンジンのトルクの比のことを指します。この数値が大きいほど、トルクコンバーターは多くのトルクを増幅させることができ、力強い発進加速に貢献するのです。

トルクコンバーターの役割

トルクコンバーターの役割

AT車のパワー伝達を担うトルクコンバーターは、エンジンとトランスミッションの間に配置され、滑らかな発進や変速を可能にする重要な役割を担っています。
トルクコンバーターは、ポンプインペラ、タービンランナー、ステーターと呼ばれる3つの主要部品から構成され、内部はATFと呼ばれるオイルで満たされています。
エンジンからの回転力は、まずポンプインペラに伝わり、ATFを介してタービンランナーへと伝達されます。この際、ステーターがオイルの流れを整え、トルクを増幅させることで、滑らかな発進と加速を実現します。
つまり、トルクコンバーターは単なる動力の伝達装置ではなく、トルクを増幅させることで、AT車の発進性能や加速性能を向上させる重要な役割を担っているのです。

ストール状態でのトルク増幅

ストール状態でのトルク増幅

トルクコンバーターの重要な役割の一つに、ストール状態でのトルク増幅があります。ストールとは、エンジンが回転している一方で、タイヤが完全に停止している状態を指します。 発進時など、まさにクルマが動き出そうとする瞬間ですね。この時、トルクコンバーター内部では、ポンプとタービン間のオイルの流れが最も大きく、トルクが最大限に増幅されます。 この増幅されたトルクをストールトルクと呼び、AT車ならではの力強い発進を支えているのです。

発進加速への影響

発進加速への影響

発進時の加速感は、ドライバーが車の性能を体感する上で重要な要素の一つです。ストールトルク比は、AT車において発進加速に大きな影響を与えます。ストールトルク比とは、エンジンのトルクとトルクコンバーターの増幅率の関係を表した数値です。
この比率が高いほど、発進時にトルクコンバーターがエンジンのトルクを大きく増幅し、力強い発進加速を実現します。逆に、ストールトルク比が低い場合は、発進時の加速感が鈍く、もたつきを感じてしまうことがあります。
そのため、スムーズで力強い発進を重視する場合は、ストールトルク比が高いAT車を選ぶことが重要です。ただし、ストールトルク比は燃費性能にも影響を与えるため、車を選ぶ際には総合的に判断する必要があります。

ストールトルク比の実際

ストールトルク比の実際

トルクコンバーターの性能を示す数値であるストールトルク比。カタログに記載されることはほぼなく、実際に体感する機会も少ないでしょう。しかし、この数値は発進時の加速や燃費に大きく影響を与えるため、その特性を理解しておくことは重要です。

一般的に、ストールトルク比が大きいほど、発進時の加速感は強くなります。これは、エンジン回転数が低い状態でも大きなトルクを発生できるためです。逆に、ストールトルク比が小さい場合は、滑らかで燃費性能に優れる傾向があります。

最近のAT車では、多段化やロックアップ機構の進化により、ストールトルク比の大小が運転感覚に与える影響は以前より少なくなりました。とはいえ、車種選びの際に、その車の性格を知るための指標の一つとして、ストールトルク比に注目してみるのも良いかもしれません。

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