クルマの傾き「ロール角」を解説
車を知りたい
先生、「ロール角」ってなんですか? 車体が斜めになること、くらいはなんとなくわかるんですけど…
自動車研究家
そうだね。自動車用語で「ロール角」は、車がカーブなどを曲がる時に、車体が水平線からどれだけ傾くかを示す角度のことだよ。例えば、右に曲がるときには車体は左に傾くよね? その傾きの角度が「ロール角」なんだ。
車を知りたい
なるほど。じゃあ、ロール角が大きければ大きいほど、車体が大きく傾くってことですね?
自動車研究家
その通り! ロール角が大きいと車体が不安定になりやすいけど、小さくしすぎるとカーブを曲がりづらくなってしまう。だから、車の設計では、走行性能と乗り心地のバランスを考えて、適切なロール角を設定することが重要なんだよ。
ロール角とは。
「ロール角」とは、自動車用語で、車体が前後軸を中心にどれだけ傾いているかを示す角度のことです。厳密には車体ロール角と区別されますが、一般的にはどちらもロール角と呼ぶことが多いです。 車が旋回する際に発生するローリングモーメントによって、サスペンションがたわんだりタイヤが変形したりすることでロール角が生じます。計測には、フリージャイロを直接用いる方法と、レートジャイロで角速度を計測し積分する方法があります。 ロール角は、タイヤの接地角度やロールステアといったサスペンションの特性や車の運動性能に大きな影響を与えます。また、乗員は体の傾きや視線の変化を通してロールを敏感に感じるため、自動車のセッティングにおいては特に注意深く調整されます。 最近では、サスペンションを電子制御する技術も進歩しており、他の性能への影響を抑えつつロール角を効果的に低減できるようになっています。
ロール角とは?
クルマは走行中、カーブや旋回時などに車体が傾きます。この傾きのことを「ロール」といい、車体の傾斜角度を「ロール角」と呼びます。
たとえば、右にカーブを曲がるときは車体は左側に傾き、左にカーブを曲がるときは車体は右側に傾きます。
ロール角の発生メカニズム
車がカーブを曲がるときに車体が傾く現象を、「ロール」と言います。そして、この時に車体が水平線から傾斜する角度を「ロール角」と呼びます。ロール角が発生するメカニズムは、車がカーブに進入する際に、遠心力が車体に対して外側に働くためです。この時、車体の重心と路面との間の距離(重心高さ)が大きければ大きいほど、また、サスペンションが柔らかければ柔らかいほど、車体は大きく傾斜し、ロール角は大きくなります。
ロール角の影響 – 乗り心地と操縦性
クルマのロールは、乗り心地と操縦性に大きな影響を与えます。
まず、乗り心地に関してですが、急なカーブや旋回時にロールが大きすぎると、乗員は車体の傾きを大きく感じ、不快感や不安定感を覚えます。一方、ロールが小さすぎると、路面の凹凸を車体が吸収しきれず、ゴツゴツとした乗り心地になってしまいます。
次に操縦性ですが、ロールはタイヤのグリップ力に影響を与えます。旋回時にロールが大きすぎると、外側のタイヤに荷重が集中しすぎてグリップ力が低下し、アンダーステアと呼ばれる状態になりやすく、旋回性能が低下します。逆に、ロールが小さすぎると、タイヤのグリップ力を十分に活かせず、オーバーステアを招きやすくなる可能性もあります。
このように、ロールは乗り心地と操縦性の両方に深く関わっており、最適なロール角は車種や走行状況によって異なります。一般的に、高級車やファミリーカーでは、快適性を重視してロール角を大きめに設定し、スポーツカーでは、俊敏なハンドリングを実現するためにロール角を小さめに設定する傾向があります。
ロール角の計測方法
ロール角を正確に計測するには、いくつかの方法があります。中でも一般的なのはモーションセンサーを用いた方法です。車体に高精度なセンサーを取り付けることで、走行中の車体の傾きをリアルタイムに計測することができます。具体的には、ジャイロセンサーで回転角速度を、加速度センサーで重力方向に対する傾きを計測し、これらのデータを組み合わせることで正確なロール角を算出します。
また、近年では画像解析を用いた計測方法も注目されています。これは、車載カメラや外部カメラで撮影した映像から、画像処理技術を用いて車体の傾きを解析する手法です。
これらの計測方法は、それぞれにメリット・デメリットがあります。モーションセンサーは高精度な計測が可能ですが、センサーの取り付け位置やキャリブレーションに注意が必要です。一方、画像解析は手軽に計測できる反面、天候や路面状況に影響を受けやすいといった側面もあります。目的に応じた適切な計測方法を選択することが重要です。
最新技術で制御 – アクティブサスペンション
コーナリング時などに車体が傾く度合いである「ロール角」。 このロール角を抑え、安定した走行を実現するのが「アクティブサスペンション」です。従来のサスペンションがバネやダンパーのみで衝撃を吸収していたのに対し、アクティブサスペンションはモーターや油圧などを用いて車高や減衰力を能動的に制御します。 これにより、路面状況や走行状態に合わせた最適なセッティングが可能となり、高い操縦安定性と快適な乗り心地を両立させています。スポーツカーから高級車まで幅広く採用されるなど、自動車のサスペンション技術において、アクティブサスペンションは重要な進化を遂げていると言えるでしょう。