アクティブスタビライザー:幻の技術?

アクティブスタビライザー:幻の技術?

車を知りたい

先生、「アクティブスタビライザー」って、アクティブダンパーと同じように、なかなか実現が難しい技術だって聞いたんですが、どういうことですか?

自動車研究家

良い質問だね! 実は、「アクティブスタビライザー」は、完全なアクティブ制御は難しくて、現在、ほとんどが「セミアクティブ」という制御方法で実現されているんだ。

車を知りたい

「セミアクティブ」って、どういう制御方法なんですか?

自動車研究家

簡単に言うと、バネやダンパーの硬さを電気的に変えられる技術のことだよ。ただ、メーカーによって考え方が違うから、明確な定義はまだ決まっていないんだ。例えば、トヨタのセルシオでは、スイッチで切り替えることで、硬さを二段階に変えているんだよ。

アクティブスタビライザーとは。

「アクティブスタビライザー」は、アクティブダンパーと同様に、理想的な概念として提唱されながらも、実現が困難な技術です。現状では、セミアクティブ制御によって実現されていますが、「セミアクティブ」そのものの定義が自動車メーカー間で統一されておらず、明確な定義は存在しません。一般的には、セミアクティブダイナミックダンパーは、ばねや減衰力の係数を可変できるものと定義されます。しかし、実際のシステムでは、計器盤のスイッチ操作で切り替えるデュアルモードシステムを採用しているケースがほとんどです。例えば、トヨタ・セルシオに搭載されている非線形H∞制御では、セミアクティブ減衰力制御をベースに、ソフト領域では低周波域のピークを抑制し、ハード領域では低周波から上の領域を強化する設定がされています。さらに、車高調整機能も同時に実行されます。

アクティブスタビライザーとは?

アクティブスタビライザーとは?

アクティブスタビライザーとは、自動車の旋回時の車体の傾きを抑制する装置です。従来のサスペンションシステムに組み込まれたセンサーやアクチュエーターを用いることで、状況に応じてスタビライザーの効き具合を自動的に調整します。これにより、乗り心地と操性能の両立を目指したシステムと言えるでしょう。

セミアクティブ制御との違い

セミアクティブ制御との違い

アクティブスタビライザーとセミアクティブスタビライザーは、どちらも車体の傾斜を抑制し、走行安定性を向上させるための技術ですが、その制御方法に大きな違いがあります。 アクティブスタビライザーは、モーターや油圧アクチュエータを用いて、積極的にスタビライザーの反力を発生させることで車体の傾斜を抑制します。一方、セミアクティブスタビライザーは、スタビライザーの硬さを電子制御することで、車体の傾斜を抑制します。

より具体的に説明すると、アクティブスタビライザーは、センサーで車体の傾斜や速度を検知し、その情報に基づいてモーターや油圧アクチュエータを制御します。これにより、状況に応じて最適な反力を発生させることが可能になります。一方、セミアクティブスタビライザーは、センサーの情報に基づいて、スタビライザー内部のバルブを開閉したり、磁性流体の粘度を変化させたりすることで、スタビライザーの硬さを調整します。

アクティブスタビライザーは、より高度な制御が可能であるため、車体の傾斜をより効果的に抑制することができます。しかし、その反面、システムが複雑で大規模になるため、コストや重量の増加が課題となります。一方、セミアクティブスタビライザーは、アクティブスタビライザーと比較して、システムがシンプルで小型軽量であるため、コストや燃費の面で有利です。しかし、制御の自由度はアクティブスタビライザーよりも低いため、車体の傾斜抑制効果は若干劣ります。

メーカーによる解釈の違い

メーカーによる解釈の違い

「アクティブスタビライザー」。自動車の乗り心地と操作性を両立させる夢のような技術として、その名を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、実際にどのような仕組みで、どのような効果があるのか、明確に説明できる方は少ないかもしれません。その理由の一つに、メーカーや車種によって、その解釈や実装方法が大きく異なるという点が挙げられます。あるメーカーは、油圧シリンダーを用いてスタビライザーの硬さを機械的に変化させる方式を採用する一方で、別のメーカーは、サスペンションの動きをセンサーで検知し、モーターによって車体の傾きを制御する方式を採用しているケースもあります。このように、「アクティブスタビライザー」と一口に言っても、その内容は千差万別なのです。

セミアクティブダイナミックダンパーの仕組み

セミアクティブダイナミックダンパーの仕組み

-# セミアクティブダイナミックダンパーの仕組み

アクティブスタビライザーと混同されがちな技術に、セミアクティブダイナミックダンパーがあります。
これは、サスペンション内部のオイルの流量を電子制御で変化させることで、乗り心地と操縦安定性を両立させる技術です。

具体的には、車体の傾斜や路面状況に応じてダンパーの減衰力を調整します。
例えば、コーナリング時には外側のダンパーを硬くすることでロールを抑え、安定した旋回を実現します。
一方、悪路走行時にはダンパーを柔らかくすることで衝撃を吸収し、快適な乗り心地を確保します。

セミアクティブダイナミックダンパーは、アクティブスタビライザーのように外部動力を必要としないため、比較的低コストで実現できるというメリットがあります。
そのため、近年多くの車種に採用され始めています。

トヨタ・セルシオの制御技術

トヨタ・セルシオの制御技術

高級車やスポーツカーを中心に、乗り心地と運動性能を高いレベルで両立させるために、様々な技術が開発されてきました。その中でも、アクティブスタビライザーは、まるで魔法のように車体の傾きを抑え、快適性と操縦安定性を向上させる革新的な技術として注目されています。

トヨタが誇る高級車、セルシオにも、このアクティブスタビライザーが搭載されていました。特に、2代目セルシオに採用された「セミアクティブサス」は、油圧制御によりスタビライザーの硬さを自動的に調整するシステムで、路面状況や走行状態に合わせて、車体の傾きを最適に制御します。コーナリング時には、スタビライザーを硬くすることでロールを抑え、安定した走行を実現。一方、直進走行時には、スタビライザーを柔らかくすることで、路面からの振動を吸収し、快適な乗り心地を提供しました。

セルシオに搭載されたアクティブスタビライザーは、まさに、「魔法の絨毯」と称されたその乗り心地を支える、重要な技術の一つと言えるでしょう。

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