品質システム審査登録制度とは？

品質システム審査登録制度とは？

品質システム規格ISO9000シリーズとは

「品質システム規格ISO9000シリーズ」は、顧客満足を実現するための品質マネジメントシステムに関する国際規格です。製品やサービスの品質を継続的に向上させるための仕組み作りを、あらゆる組織に適用できるよう、共通化・標準化したものです。

ISO9000シリーズは複数の規格で構成されており、その中でも「ISO9001」が品質マネジメントシステムの要求事項を規定した、組織が認証を取得する際に用いる規格となります。

一方、ISO9000はISO9001を理解し、導入するための基礎知識や用語を解説した規格です。ISO9004は、組織のパフォーマンスを向上させるための指針を示した規格です。

このようにISO9000シリーズの中でも、ISO9001は品質マネジメントシステムの構築と認証取得の中核となる重要な規格と言えるでしょう。

第三者機関による審査と認定

品質システム審査登録制度では、企業や組織が構築した品質システムが、国際規格であるISO9001などの要求事項を満たしているかどうかを、第三者機関が審査します。審査の結果、要求事項を満たしていると認められれば、その証として「登録証」が発行されます。

この第三者機関は、審査を行うための力量が十分であると認められた機関です。
公正・中立な立場で審査を行うことが求められており、審査結果の信頼性を担保しています。

このように、第三者機関による審査と認定を受けることで、企業や組織は、自社の品質システムが国際的な基準を満たしていることを客観的に証明することができます。

品質システム審査登録制度のメリット

品質システム審査登録制度を取得するメリットは、企業にとって非常に多岐にわたります。まず、顧客からの信頼性向上が挙げられます。第三者機関による厳格な審査を通過することで、自社の品質システムが国際基準を満たしていることを客観的に証明できます。これは、新規顧客の獲得や既存顧客との取引拡大に大きく貢献します。また、審査登録に向けた社内体制の整備を通じて、業務プロセスが標準化され、業務効率が向上する点もメリットです。さらに、品質に関する意識が社内に浸透し、製品やサービスの品質向上、ひいては顧客満足度の向上につながります。このように、品質システム審査登録制度は、企業の競争力強化に欠かせない要素と言えるでしょう。

JABの役割と重要性

品質システム審査登録制度は、組織が国際規格に適合した品質システムを構築・運用しているかを、第三者機関が審査し、その適合性を認める制度です。この制度において、JAB（日本適合性認定協会）は重要な役割を担っています。

JABは、審査機関が国際基準に基づいた運営を行い、信頼できる審査サービスを提供しているかを評価し、認定する機関です。 JABの認定は、審査機関の信頼性を担保するものであり、ひいては品質システム審査登録制度全体の信頼性を支えるものでもあります。

JABの認定を受けた審査機関から登録を受けることは、組織にとって大きなメリットとなります。なぜなら、JABの認定は、その審査機関が国際的に認められた基準を満たしていることを意味し、客観的な立場からその組織の品質システムが評価されたことを証明するからです。これは、顧客からの信頼獲得、企業イメージの向上、国際競争力強化などに繋がるため、多くの組織にとって重要な要素となっています。

様々な業界への広がり

品質システム審査登録制度は、元々は製造業で発展してきました。しかし近年では、その有用性が認められ、製造業以外の分野にも広く普及しつつあります。
例えば、サービス業やソフトウェア開発など、様々な業界で品質マネジメントシステムの構築と国際規格への適合が求められるようになっています。
これは、顧客満足度向上や競争力強化のために、業界を問わず品質管理が重要視されていることの表れと言えるでしょう。