車の寿命を左右する？ 不凍液の役割と重要性

車の寿命を左右する？ 不凍液の役割と重要性

不凍液とは？ エンジンを守る縁の下の力持ち

「不凍液」って、冬場に使うものだと思っていませんか？ 実は、不凍液は一年を通してエンジンの性能維持に欠かせない重要な役割を担っています。
不凍液は、その名の通り、凍結を防ぐ効果を持つ液体です。冬の寒い時期に、車のラジエーターやエンジン内部の水が凍ってしまうと、体積が増加し、最悪の場合、エンジンブロックが破損してしまうことも。不凍液は、そんな事態を防ぐために、水の凍結点を下げ、寒冷地でも車を安全に走らせることを可能にしています。
しかし、不凍液の役割は、ただ凍結を防ぐだけではありません。実は、冷却と防錆効果も持ち合わせている、まさに「縁の下の力持ち」的存在なのです。

氷点降下作用：冬の寒さからエンジンを守る

冬の厳しい寒さは、エンジンにとっても過酷な環境です。特に、エンジン内部の冷却水は、氷点下になると凍結し、体積が増加してしまいます。これが、エンジンブロックやラジエーターなどの部品に損傷を与える可能性があるのです。最悪の場合、エンジンが破損し、高額な修理費用が発生することも考えられます。

不凍液は、その名の通り、冷却水の凍結点を下げることで、このような事態を防ぐ重要な役割を担います。不凍液に含まれるエチレングリコールなどの成分は、水分子と結合することで、水の凍結温度を大幅に低下させる効果があります。これにより、真冬の厳しい寒さでも、エンジン内部の冷却水が凍結することなく、安心して車を運転することができるのです。

沸点上昇作用：オーバーヒートのリスクを軽減

不凍液は、その名の通り凍結を防ぐだけでなく、実はエンジンの冷却にも重要な役割を担っています。その秘密は、「沸点上昇作用」にあります。水は100℃で沸騰しますが、不凍液を混ぜることで、沸点を120℃程度まで上昇させることができます。エンジンは高温で稼働するため、冷却水が沸騰しやすくなりますが、不凍液を混ぜることで、沸騰を防ぎ、オーバーヒートのリスクを大幅に軽減することができるのです。

不凍液の交換時期と注意点

エンジンを最適な温度で保つために重要な役割を果たす不凍液ですが、その効果は永続的に続くわけではありません。経年劣化により、防錆効果や冷却効果が低下してしまうため、定期的な交換が必要です。

一般的には2年ごと、または走行距離4万kmごとを目安に交換することが推奨されています。ただし、車種や使用環境によって交換時期は異なってきますので、所有している車の取扱説明書を確認するか、整備工場に相談することをおすすめします。

不凍液を交換する際には、交換する不凍液の種類にも注意が必要です。車種によって適合する不凍液が異なるため、間違った種類を使用すると、エンジンに悪影響を及ぼす可能性があります。

ご自身で交換する場合は、必ずエンジンが冷えている状態で行ってください。また、使用済みの不凍液は環境に悪影響を与える可能性があるため、適切な方法で処理する必要があります。不安な場合は無理せず、整備工場に依頼しましょう。

適切な不凍液選びで、愛車を長く快適に

「不凍液」って、冬に使うもの？ 実はそれだけではありません。不凍液は、一年を通して車のエンジンを守る、重要な役割を担っています。

不凍液は、その名の通り、寒冷地でエンジンの冷却水を凍結から防ぐ効果があります。しかし、それだけではありません。夏場には、冷却水の沸点を上昇させ、オーバーヒートを防ぐ効果も持ち合わせています。さらに、錆や腐食の発生を抑制し、ラジエーターやウォーターポンプなどの部品を保護する役割も担っています。

不凍液には、LLC（ロングライフクーラント）など、様々な種類があります。車種や使用環境に適した不凍液を選ぶことが、車の寿命を延ばし、快適なドライブを楽しむ秘訣と言えるでしょう。