車のオーバークールとは？原因と対策を解説

車のオーバークールとは？原因と対策を解説

オーバークールとは？

オーバークールとは、エンジンが最適な温度まで温まらない状態のことです。 一般的に、エンジンの冷却水は80℃前後で適切な温度に保たれていますが、オーバークールが起こるとこの温度が低くなりすぎる現象が起こります。 冷えすぎも良くないように、エンジンは適正な温度で動いてこそ本来の性能を発揮します。オーバークールは、燃費の悪化やエンジンの出力低下など、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

オーバークールの原因

車がオーバークールを起こす原因は、主に冷却系統の不具合によって引き起こされます。 冷却水はエンジン内を循環して熱を奪い、ラジエーターで冷却されることで適切なエンジン温度を保っています。しかし、この冷却システムのどこかに異常が発生すると、エンジンの熱が過剰に奪われ、オーバークールが発生してしまうのです。

例えば、サーモスタットの故障はよくある原因の一つです。サーモスタットは冷却水の温度に応じて開閉し、水温を調整する役割を担っています。ここが故障して常に開いた状態になると、冷却水が常にラジエーターへと流れ込み、エンジンが冷えすぎる原因となります。

その他、冷却水の量不足や、ラジエーターキャップの劣化などもオーバークールを引き起こす可能性があります。冷却水の量が不足すると、エンジン熱を十分に吸収できず、冷却が過剰になることがあります。また、ラジエーターキャップは冷却システム内の圧力を調整する役割を担いますが、劣化により圧力が適切に保てなくなると、冷却水の沸点が下がり、オーバークールに繋がる可能性があります。

オーバークールによる影響

オーバークールは、エンジンが最適な温度まで温まらない状態を指し、様々な悪影響を及ぼします。 まず、燃費が悪化する点が挙げられます。 エンジンが冷えた状態では、燃料が燃焼しにくいため、より多くのガソリンを消費してしまうのです。 また、排気ガスにも悪影響があり、有害物質の排出量が増加する原因となります。 さらに、エンジンオイルの粘度が高くなり、エンジン内部の摩擦が増加することで、 エンジン寿命の低下にも繋がる可能性があります。 オーバークールは、快適なドライブや車の寿命を脅かす問題と言えるでしょう。

オーバークールの確認方法

愛車がオーバークールを起こしていないか、日頃からチェックする習慣をつけましょう。方法はいくつかありますが、ここでは代表的なものを紹介します。

まず、水温計の針が常に低い位置にある場合はオーバークールの可能性があります。通常、水温計の針は真ん中あたりに位置しているはずです。もし、針が低い位置で動かない、もしくはエンジンが温まっているにも関わらず低い位置を指している場合は注意が必要です。

また、燃費が悪化したり、エンジンの始動性が悪いと感じたら、それもオーバークールのサインかもしれません。オーバークールは放置すると、エンジンや燃費に悪影響を与える可能性があります。日頃からこれらのポイントをチェックして、愛車のコンディションを把握しておきましょう。

オーバークールの対策

愛車がオーバークールを起こしてしまった場合、まずは安全な場所に車を停止させましょう。その上で、状況に応じて以下の対策を試してみてください。

1. エンジンを停止し、しばらく冷やす
オーバーヒートほど緊急性はありませんが、オーバークールもエンジンに負担をかけている状態です。まずはエンジンを停止し、自然に冷めるまで待ちましょう。

2. 冷却水の量を確認する
冷却水が不足していると、オーバークールの原因になります。リザーブタンクを確認し、冷却水が減っている場合は補充しましょう。ただし、エンジンが熱い状態での補充は危険ですので、必ず冷めてから行ってください。

3. サーモスタットの動作を確認する
サーモスタットは冷却水の温度を調整する役割を担っています。サーモスタットが故障していると、冷却水が適切に循環せず、オーバークールを引き起こす可能性があります。確認方法は車種によって異なりますので、整備工場に相談することをおすすめします。

4. 専門業者に点検を依頼する
上記の対策を試みても改善が見られない場合は、オーバークールが重症化している可能性があります。無理に運転を続けると、エンジンに深刻なダメージを与えかねません。速やかに専門業者に点検を依頼しましょう。