クルマを支える縁の下の力持ち!クロムモリブデン鋼とは?
車を知りたい
先生、クロムモリブデン鋼って普通の鋼と何が違うんですか?
自動車研究家
良い質問だね!クロムモリブデン鋼は、普通の鋼に比べて強度や耐久性を高めるために、クロムとモリブデンという物質を混ぜて作られているんだ。特に、分厚い部品でも中心部までしっかり硬くできるのが特徴だよ。
車を知りたい
中心部まで硬くするって、何かメリットがあるんですか?
自動車研究家
もちろん!例えば、自動車のトランスミッションギヤのような、大きな力に耐えながら回転する部品に使うことで、壊れにくく、長持ちするようになるんだ。
クロムモリブデン鋼とは。
自動車用語の「クロムモリブデン鋼」とは、厚みのある部品でも中心部まで焼き入れができるように、クロムとモリブデンを加えた鋼材のことです。クロムモリブデン鋼には、炭素量が約0.2%以下で、表面だけを硬くする浸炭焼き入れに用いるものと、炭素量が約0.3%以上で、焼き入れと焼き戻しを行い高い強度を出すものがあります。クロムだけを加えたクロム鋼では、焼き入れが十分にできない部品に、クロムモリブデン鋼が用いられます。浸炭焼き入れを行う部品としては、トランスミッションのギアなどが、焼き入れと焼き戻しを行う部品としては、ボルトやピットマンアームなどが挙げられます。
クロムモリブデン鋼とは?
クロムモリブデン鋼とは、鉄をベースにクロムとモリブデンを添加した合金鋼の一種です。「クロモリ」と略されることもあり、自動車やバイク、自転車など、私たちの身近な乗り物をはじめ、様々な工業製品に活用されています。
クロムモリブデン鋼最大の特徴は、鉄よりも高い強度と靭性を併せ持つ点にあります。強度とは、外部からの力に耐える強さのことで、靭性とは、粘り強さや衝撃に対する強さを指します。
この優れた特性から、クロムモリブデン鋼は、高い強度と耐久性が求められる自動車部品に最適です。例えば、車体の骨組みとなるフレームや、サスペンション部品、エンジン部品などに用いられ、私たちの安全な移動を支えています。
クロムモリブデン鋼が重宝される理由
クロムモリブデン鋼は、強度、靭性、耐熱性のバランスに優れた合金鋼です。特に、自動車やバイクなどの乗り物には欠かせない素材として知られています。
その理由は、過酷な環境下でも高い信頼性が求められるからです。例えば、エンジンのクランクシャフトやサスペンション部品などは、常に高温・高圧にさらされながら、激しい衝撃や振動にも耐えなければなりません。クロムモリブデン鋼は、このような過酷な条件下でも変形や破損のリスクが低く、安全な走行を支えるために最適な素材と言えるでしょう。
クロムモリブデン鋼の種類と用途
クロムモリブデン鋼は、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)を添加することで、強度、靭性、耐熱性、耐摩耗性などを向上させた合金鋼です。用途に合わせて様々な種類が存在し、それぞれ異なる特性を持っています。
例えば、SCM435と呼ばれる種類は、強度と靭性のバランスに優れており、自動車のサスペンション部品やボルト、ナットなどに用いられます。また、SNCM439は、さらに高い強度を要求されるクランクシャフトやギヤなどに使用されます。
このように、クロムモリブデン鋼は、自動車産業において必要不可欠な素材と言えるでしょう。
浸炭焼入れに用いられるクロムモリブデン鋼
クロムモリブデン鋼は、高い強度と靭性を併せ持つことから、自動車部品をはじめとする様々な工業製品に利用されています。特に、浸炭焼入れと呼ばれる熱処理との相性が抜群です。
浸炭焼入れとは、鋼材の表面に炭素を浸透させた後、焼き入れを行うことで、表面は硬く、内部は粘りのある状態にする処理です。クロムモリブデン鋼はこの処理に適しており、浸炭焼入れを行うことで、耐摩耗性、耐疲労性、耐衝撃性といった特性を飛躍的に向上させることができます。
そのため、クロムモリブデン鋼は、過酷な条件下で使用されるギア、シャフト、ボルト、ナットなどの自動車部品に最適な材料として選ばれています。日々の走行を支える、まさに「縁の下の力持ち」といえるでしょう。
焼入れ焼もどしに用いられるクロムモリブデン鋼
クロムモリブデン鋼は、焼入れ焼もどし性に優れた合金鋼の一種です。焼入れ焼もどしとは、鋼材を高温に加熱した後、急冷して硬化させる「焼入れ」と、再び加熱して粘り強さを出す「焼もどし」を組み合わせた熱処理のこと。
この処理によって、クロムモリブデン鋼は高い強度と靭性を兼ね備えるようになり、過酷な環境で使用される自動車部品に最適な材料となるのです。