自動車の心臓部!オイルポンプの役割と仕組み
車を知りたい
先生、オイルポンプってエンジンオイルを循環させるためのものですよね? エンジンオイルの機能はなんとなくわかるんですけど、オイルポンプがどんな仕組みで動いているのかよく分かりません。
自動車研究家
いい質問ですね! オイルポンプは、エンジンオイルを循環させるための重要な部品です。仕組みとしては、エンジンの動力を使ってポンプを動かし、オイルを循環させています。自転車の空気入れをイメージすると分かりやすいかもしれません。自転車の空気入れも、ポンプを動かすことで空気を入れますよね? オイルポンプも同じように、ポンプを動かすことでエンジンオイルを送り出しているんです。
車を知りたい
なるほど! エンジンオイル版の空気入れみたいなものなんですね。でも、エンジンオイルってずっと送り出し続けても大丈夫なんですか?
自動車研究家
実は、送り出し続けるだけだと、オイルが過剰になってしまうんです。そこで登場するのがオイルレギュレーターという部品です。オイルレギュレーターは、オイルの圧力を一定に保つために、余分なオイルを逃がす役割をしています。いわば、オイルの流量を調整する弁のようなものです。
オイルポンプとは。
「オイルポンプ」とは、車にとって重要な部品の一つで、ギア式やトロコイド式などの構造を持つポンプです。このポンプは、エンジンオイルを循環させるために高い油圧を発生させる役割を担っています。 エンジンのクランクシャフトから動力を得ており、回転数に比例してオイルの吐出量が増加します。ただし、一定以上の圧力になると、オイルレギュレーターが作動し、余分なオイルを逃がす仕組みになっています。 エンジンオイルは、2Lクラスのエンジンで毎分30リットル以上、レーシングカーのエンジンでは毎分100リットル以上という量が循環しており、エンジンの潤滑、密閉、冷却、清浄、防錆などの重要な役割を担っています。 オイルポンプは、常に十分な量のオイルを供給し続け、エンジンの耐久性を維持するために、高い耐久性が求められます。多くの場合、ギア部分は耐久性に優れた焼結合金で作られています。
エンジンオイルの重要性
エンジンオイルは、自動車のエンジンにとって血液のようなものです。人間が血液によって酸素や栄養を体の隅々まで運んでいるように、エンジンオイルもまた、エンジン内部の重要な役割を担っています。
まず、エンジン内部の金属部品同士の摩擦を減らし、摩耗や焼き付きを防ぐ働きがあります。エンジン内部は高温・高圧な環境下で高速で動作しているため、オイルによる潤滑がなければ、すぐに摩耗してしまいます。
また、エンジンオイルは冷却の役割も担っています。エンジン内部で発生した熱を吸収し、オイルフィルターやラジエーターを通して外部へ放出することで、エンジンのオーバーヒートを防いでいます。
さらに、エンジン内部で発生するスラッジや汚れを洗浄し、エンジン内部をクリーンに保つ効果もあります。スラッジとは、オイルの酸化や燃焼によって発生する粘土状の物質で、これが溜まるとエンジンの性能低下や故障の原因となります。エンジンオイルは、これらのスラッジを洗い流し、オイルフィルターで除去することで、エンジンの寿命を延ばします。
このようにエンジンオイルは、エンジンの性能維持、寿命を延ばす上で非常に重要な役割を担っています。
オイルポンプの構造と種類
– オイルポンプの構造と種類
エンジンオイルを循環させるために欠かせないオイルポンプは、その構造によって大きく2つの種類に分けられます。
一つ目は「ギアポンプ」と呼ばれるもので、2つの歯車が噛み合うことでオイルを送る仕組みです。構造がシンプルで耐久性が高いというメリットがある一方、発生する音が比較的大きいという特徴があります。
二つ目は「トロコイドポンプ」と呼ばれ、偏心した内歯車と外歯車の組み合わせでオイルを送ります。ギアポンプに比べて静粛性が高く、小型化しやすいというメリットがあるため、近年多くの車種で採用されています。
オイルポンプは、エンジンオイルの種類や車の使用状況に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。オイル交換の際には、自分の車に合ったオイルポンプが搭載されているか、メカニックに確認してみるのも良いでしょう。
オイルポンプの駆動方式と吐出量
エンジンオイルを循環させるために欠かせないオイルポンプですが、その駆動方式や吐出量にもいくつかの種類が存在します。
オイルポンプの駆動方式は、大きく分けて「ギアタイプ」と「トロコイドタイプ」の2種類があります。ギアタイプは、2つの歯車を噛み合わせて回転させることでオイルを送り出す仕組みで、構造がシンプルで安価であることが特徴です。一方、トロコイドタイプは、内歯車と外歯車の偏心運動を利用してオイルを送り出す仕組みで、ギアタイプに比べて静粛性や耐久性に優れています。
オイルポンプの吐出量は、エンジンの回転数や油温、油圧などに応じて変化します。一般的に、エンジンの回転数が上がると吐出量も増加し、油温が上がると油圧が低下するため吐出量が減少します。 オイルの吐出量が多すぎるとエンジン内部の抵抗が増加し、燃費が悪化する原因となります。逆に、吐出量が少なすぎるとエンジン内部の潤滑が不足し、エンジンが焼き付いてしまう可能性があります。そのため、オイルポンプは、エンジンの状態に合わせて最適な量のオイルを送り出すことが重要です。
オイルの循環経路とオイルレギュレーターの役割
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却、洗浄、防錆など、様々な役割を担っています。しかし、オイルがただエンジン内部に存在しているだけでは、その効果を十分に発揮することはできません。そこで重要な役割を担うのがオイルポンプと、ここで解説するオイルの循環経路、そしてオイルレギュレーターです。
オイルポンプによってエンジンオイルは、オイルパンから吸い上げられ、まずオイルフィルターへと送られます。オイルフィルターは、オイル中のスラッジや摩耗粉といった不純物を除去する役割を担っています。フィルターを通過したオイルは、クランクシャフトやカムシャフトといった、エンジン内部の重要な摺動部へと送り込まれ、各部の潤滑や冷却を行います。その後、オイルは重力によってオイルパンへと戻り、再びオイルポンプによって吸い上げられるというサイクルを繰り返します。
この循環経路において、オイルの圧力を一定に保つ重要な役割を担うのがオイルレギュレーターです。エンジン回転数や温度によってオイルの粘度は変化するため、そのままではオイルの圧力も不安定になってしまいます。オイルレギュレーターは、このオイル圧力を適切な範囲に保つことで、エンジンオイルが常に最適な状態で循環するよう制御しているのです。
オイルポンプの耐久性と材質
エンジンオイルを循環させるために休むことなく稼働し続けるオイルポンプは、高い耐久性が求められます。 エンジン内部の過酷な環境に耐えうるように、オイルポンプの材質には、主に以下の様なものが使用されています。
* -アルミニウム合金- 軽くて放熱性に優れているため、多くのオイルポンプに採用されています。
* -鉄系合金- アルミニウム合金よりも強度が高く、高温に強い特性があります。
これらの材質は、それぞれ特性が異なるため、エンジンの種類や出力、使用環境などに合わせて最適なものが選ばれます。オイルポンプは、小さな部品ながらも、材質の選択がエンジンの性能と寿命に大きく影響する重要な部品と言えるでしょう。