燃費向上!進化する冷却水量可変装置
車を知りたい
「冷却水量可変装置」って、エンジンの温度に合わせて冷却水の量を変える装置のことですよね?
自動車研究家
その通りです。 冷却水をただ循環させるだけでなく、エンジンの状態に合わせて量を調整することが重要なんですよ。
車を知りたい
へぇー。具体的にどんな時に冷却水の量が変わったりするんですか?
自動車研究家
例えば、エンジンが冷えている時は温まりやすくするために冷却水の量を減らしたり、高負荷運転時はオーバーヒートを防ぐために冷却水の量を増やしたりします。
冷却水量可変装置とは。
「冷却水量可変装置」とは、自動車の液冷エンジンに使われる装置で、エンジンの状態に合わせて冷却水の循環量を最適に調整します。従来のウオーターポンプはエンジンのクランクシャフトと連動しているため、冷却水の循環量はエンジン回転数に比例していました。しかし、近年では、エンジンの暖機促進や、シリンダーヘッド、シリンダーブロックといった部位への冷却水量を個別に制御するため、電気モーターで駆動するウオーターポンプが採用され始めています。コンピューター制御によってモーターの回転数を調整することで、エンジンの状態に最適な冷却水量を実現しています。
冷却水量可変装置とは?
車の燃費を向上させるための技術の一つに、冷却水量可変装置があります。これは、その名の通り、エンジンの冷却水量を状況に応じて変化させることで、燃費の改善を図るシステムです。 本稿では、冷却水量可変装置の仕組みやメリット、そして今後の進化について解説していきます。
従来の冷却システムの課題
自動車のエンジンは、常に最適な温度で稼働することが燃費や性能を大きく左右します。 しかし、従来の冷却システムは、エンジンの温度が低い状態でも一定量の冷却水を循環させていました。これは、エンジンが暖まるまでの時間を要し、燃費の悪化や排気ガス増加につながっていました。また、冷却水の循環に大きなエネルギーを使うことも課題でした。
冷却水量可変装置の仕組み
冷却水量可変装置は、その名の通り、エンジンの温度に応じて冷却水の流量を調整するシステムです。では、具体的にどのようにして流量を調整しているのでしょうか?
その心臓部には、サーモスタットと電動バルブが組み込まれています。エンジンが冷えている始動時は、サーモスタットが閉じ、冷却水の循環を制限します。これにより、エンジンが素早く暖まることができるのです。そして、エンジンが適切な温度に達すると、サーモスタットが開き始め、冷却水が循環し始めます。
さらに、走行状況に合わせて、電動バルブが冷却水の流量を細かく制御します。例えば、高速道路など、エンジン負荷の高い状況では、バルブを大きく開いて冷却水量を増やし、オーバーヒートを防ぎます。一方、市街地など、エンジン負荷の低い状況では、バルブを絞って冷却水量を減らし、燃費向上を図ります。
このように、冷却水量可変装置は、状況に応じて冷却水の流量をきめ細かく調整することで、エンジンの性能を最大限に引き出し、環境負荷の低減にも貢献しているのです。
冷却水量可変装置によるメリット
冷却水量可変装置は、その名の通り、エンジンの冷却水量を状況に応じて変化させるシステムです。 従来の冷却システムでは、エンジン温度が低い状態でも一定量の冷却水を循環させていましたが、冷却水量可変装置は、エンジン温度が低い始動時などには冷却水の循環量を抑制します。 これにより、エンジンが温まるまでの時間を短縮し、燃費の向上、排出ガス削減に貢献します。
さらに、冷却水量可変装置は、走行状況に合わせて冷却水の循環量を最適に制御することで、エンジンのオーバーヒートを防ぐ効果もあります。 高負荷運転時など、エンジンが高温になりやすい状況では、冷却水の循環量を増やすことで、エンジンを効率的に冷却します。このように、冷却水量可変装置は、燃費向上だけでなく、エンジンの耐久性向上にも貢献する重要な技術と言えるでしょう。
今後の展望
冷却水量可変装置は、燃費向上という地球規模の課題に応える重要な技術として、今後も進化を続けていくと考えられます。
まず期待されるのが、素材や設計のさらなる進化による装置自体の小型化・軽量化です。これにより、様々な車種への搭載が容易になるだけでなく、燃費向上効果のさらなる向上が見込めます。
また、AIやセンサー技術との融合も期待されます。走行状況や環境に合わせて冷却水量をより精密に制御することで、燃費向上効果の最大化を目指せるでしょう。
さらに、電動車への応用も期待されています。バッテリーの温度管理など、従来のエンジン車とは異なる冷却ニーズに対応することで、電動車の普及促進にも貢献していくことが期待されます。