デスモドロミック: 超高速エンジンの心臓部

デスモドロミック: 超高速エンジンの心臓部

車を知りたい

先生、「デスモドロミックバルブ開閉機構」って、普通のバルブと何が違うんですか?

自動車研究家

いい質問だね!通常のバルブはバネで閉じるところを、「デスモドロミックバルブ開閉機構」は閉じ側のカムも使って強制的に閉じるんだ。だから、より高回転化に適していると言われているんだよ。

車を知りたい

へえー!でも、強制的に閉じたらバルブが壊れやすくなったりしないんですか?

自動車研究家

そこが難しいところで、確かにバルブシートとの密着が課題だったんだ。でも、最近のドゥカティのバイクでは、小さなスプリングを併用することで、その問題を解決しているんだよ。

デスモドロミックバルブ開閉機構とは。

「デスモドロミックバルブ開閉機構」とは、自動車用語で、通常のエンジンとは異なり、バルブを閉じる際にスプリングではなく、専用のカムを使う強制的なバルブ開閉機構のことです。 開く時と閉じる時、それぞれ専用のカムとロッカーアームでバルブを動かしますが、熱による膨張でバルブが密着するかどうかが課題でした。1950年代、メルセデス・ベンツがルマン用のレーシングカーにこの機構を採用しましたが、当時の技術ではバルブが完全に密着しない構造だったと言われています。 一方、ドゥカティのバイクでは、小さいスプリングを併用することで、バルブをしっかりと密着させる方式を採用しています。 この機構は、バルブスプリングの振動問題を解消できるため、超高速回転エンジンに適しているとされています。

デスモドロミックバルブ開閉機構とは?

デスモドロミックバルブ開閉機構とは?

一般的な自動車エンジンでは、バルブスプリングの力でバルブを閉じていますが、高速回転時などにはバルブの動きが追いつかなくなることがあります。そこで登場するのが、デスモドロミックバルブ開閉機構です。この機構は、カムとレバーの組み合わせによってバルブを開閉する際に、閉じる動作も強制的に行うという特徴があります。これにより、バルブサージと呼ばれる不具合を抑制し、高回転まで正確なバルブ制御を実現します。その結果、高出力と高効率を両立した、まさに「超高速エンジンの心臓部」といえるでしょう。

スプリングを使わないバルブ機構の仕組み

スプリングを使わないバルブ機構の仕組み

一般的なエンジンは、バルブを閉じる際にスプリングの力を使います。しかし、高速回転するエンジンにおいて、このスプリングがバルブの動きに追従できなくなり、正確なタイミングでバルブを開閉することが難しくなります。
そこで登場するのが「デスモドロミック」という機構です。これは、スプリングを使わずに、カムとレバーの組み合わせによってバルブを強制的に開閉する仕組みです。これにより、超高回転時でもバルブタイミングの精度を保ち、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になります。

メルセデス・ベンツとデスモドロミック

メルセデス・ベンツとデスモドロミック

一般的なエンジンでは、バルブを閉じる際にスプリングの力に頼っています。しかし、エンジンの回転数が上がると、このスプリングが追いつかなくなり、バルブの開閉タイミングがずれてしまうことがあります。これが、エンジンの性能を制限する大きな要因の一つです。

デスモドロミックシステムは、この問題を解決するために、バルブを閉じる動作にもカムとレバーを用いる機構です。これにより、超高速回転時でも正確なバルブタイミングを維持することができ、エンジンの出力と効率を大幅に向上させることができます。

デスモドロミックシステムは、その複雑さとコストの高さから、一部のハイパフォーマンスカーやレースカーに採用されてきました。中でも、メルセデス・ベンツは、1950年代からモータースポーツの世界でデスモドロミックシステムを採用し、数々の輝かしい成績を収めてきました。F1マシンであるW196や300SLRに搭載され、その圧倒的な性能を世に知らしめました。

しかし、高度な技術と製造コストがネックとなり、市販車への搭載は限定的でした。それでも、メルセデス・ベンツはデスモドロミックシステムの開発を続け、近年では、AMG GT Rなどのハイパフォーマンスモデルに搭載し、その伝統と技術力を示しています。

ドゥカティの進化形デスモドロミック

ドゥカティの進化形デスモドロミック

バイクファンを魅了してやまない、ドゥカティのエンジン。その心臓部には、「デスモドロミック」と呼ばれる独自のバルブ制御機構が備わっています。一般的なエンジンは、バルブを閉じる際にスプリングの力に頼るのに対し、デスモドロミックは開閉動作の両方をカムとロッカーアームによって機械的に制御します。これにより、高回転域まで正確無比なバルブコントロールを実現し、ドゥカティならではの強烈な加速と、官能的なエンジンサウンドを生み出しているのです。

しかし、従来のデスモドロミックは、構造が複雑で部品点数も多くなるため、製造コストやメンテナンスの面で不利とされてきました。そこでドゥカティは、さらなる進化を遂げたデスモドロミックを開発。最新のシステムでは、カムシャフトの回転をバルブ開閉運動に変換する機構に、従来のベベルギアではなく、よりコンパクトで軽量なフィンガーフォロワーを採用しています。これにより、部品点数を減らしつつ、高回転化とフリクションの低減を実現。エンジンの出力向上と、環境性能の両立に貢献しています。

ドゥカティは、進化を続けるデスモドロミックと共に、これからも世界中のライダーに唯一無二の走り体験を提供し続けるでしょう。

超高速エンジンへの適用と未来

超高速エンジンへの適用と未来

デスモドロミック機構は、従来のバネを用いたバルブ開閉機構とは異なり、カムとレバーの組み合わせによってバルブを強制的に開閉します。この方式は、超高回転域においても正確なバルブ制御を実現できるため、レーシングカーや高性能バイクなど、極限の性能が求められるエンジンに採用されてきました。

近年、環境規制の強化や燃費向上への要求が高まる中、自動車業界ではダウンサイジングターボエンジンが主流になりつつあります。ダウンサイジングターボエンジンは、小排気量でありながらターボチャージャーの力を借りて高出力を得るエンジンですが、高回転化に伴いバルブ制御の重要性が増しています。

デスモドロミック機構は、高回転時のバルブサージングを抑制し、エンジンの出力向上と効率化に貢献できる可能性を秘めています。また、将来的には、電動化技術との組み合わせによって、さらなる高効率化や排出ガス削減に貢献する可能性も期待されています。

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