クルマの振動を抑制!パワープラントベンディングとは?

クルマの振動を抑制!パワープラントベンディングとは?

車を知りたい

先生、「パワープラントベンディング」って、エンジンと変速機が一体で振動することって書いてあるけど、なんでそんなことが起きるんですか?

自動車研究家

いい質問だね! エンジンと変速機は完全に固定されているわけではなく、接続部分にわずかな隙間や柔軟性があるんだ。車が走ると、エンジンや路面からの振動が伝わって、その接続部分がまるで曲がったり戻ったりを繰り返すんだよ。これがパワープラントベンディングだ。

車を知りたい

なるほど。でも、それがなんで問題になるんですか?

自動車研究家

パワープラントベンディングは、ある特定の周波数で共振を起こすと、車内に不快な振動や騒音(こもり音)を発生させるんだ。FF車よりもFR車の方がエンジンと変速機の距離が長いため、低い周波数で共振しやすく、問題になりやすいんだよ。

パワープラントベンディングとは。

「パワープラントベンディング」とは、自動車用語の一つで、エンジンと変速機が一体となって棒状に曲げ振動することを指します。FR車はFF車に比べてエンジンと変速機を合わせた長さが長いため、プロペラシャフトやリヤサスペンションと連動し、1次や2次の曲げ共振周波数が100~200Hzと低くなります。このため、常用回転域でこもり音が発生しやすく、問題となっています。一方、FF車では250~450Hzで左右や上下の曲げ、ねじれなどが発生します。 エンジンと変速機の結合部付近が折れ曲がりやすい部分であるため、エンジンブロックとクラッチハウジングの合わせ面の下側にスティフナーと呼ばれる斜めの補強材を入れたり、結合部の断面積を大きく設計することで剛性を高めています。

パワープラントベンディングとは?

パワープラントベンディングとは?

クルマを快適に走らせるためには、エンジンやモーター、トランスミッションなど、駆動に関わる装置をまとめた「パワープラント」から発生する振動を抑えることが重要です。 パワープラントベンディングとは、その振動を抑制するために、パワープラントを意図的に曲げたりねじったりする技術です。

従来の自動車設計では、パワープラントはできるだけ剛性を高くして、振動の発生源となる変形を抑える方法が一般的でした。しかし、パワープラントベンディングは、あえて「しなやかさ」を取り入れることで、振動を吸収したり、打ち消し合ったりして、車内への伝達を抑制する、逆転の発想から生まれた技術と言えるでしょう。

FR車におけるベンディング現象

FR車におけるベンディング現象

FR車は、エンジンを縦置きに配置し、プロペラシャフトを介して後輪を駆動させるという構造上、パワープラント全体が大きく揺れやすいという特徴があります。
特に発進時や急加速時には、駆動力が発生する際にエンジンが大きく振られ、車体全体に不快な振動が伝わることがあります。
この現象が、パワープラントベンディングと呼ばれるものです。

FF車との違いと発生しやすい周波数帯

FF車との違いと発生しやすい周波数帯

FF車ではエンジンを横置きに搭載することが多く、その際にエンジンが発生する振動が車体に伝わりやすいという特徴があります。 一方、パワープラントベンディングは、エンジンを縦置きに搭載するFR車や、エンジン回転軸と駆動軸が一致する構造を持つ車両で発生しやすい現象です。

パワープラントベンディングは、特定の回転数域で発生しやすく、その周波数は車種やエンジンによって異なります。一般的には、10Hz以下の低い周波数帯で発生しやすく、車体の共振現象を引き起こす可能性があります。この共振現象により、車内に不快な振動や騒音が発生し、乗り心地を損なう原因となります。

こもり音への影響と対策

こもり音への影響と対策

エンジンやモーターなど、クルマを動かすための動力源をまとめてパワープラントと呼びます。このパワープラントは、稼働時にどうしても振動を発生させてしまいます。そして、この振動が車体に伝わると、不快な振動や騒音の原因となってしまいます。

パワープラントの振動が車体に伝わることで発生する騒音の一つに「こもり音」があります。これは、特定の周波数帯の音が車内にこもってしまう現象で、耳障りな音になることが多く、快適なドライブの妨げとなります。

こもり音の対策としては、パワープラントの振動を抑制することが重要となります。具体的には、エンジンマウントやトランスミッションマウントなどの取り付け剛性を最適化したり、防振材を使用したりすることで、振動を吸収・遮断します。

また、車体の構造を見直すことで、こもり音の発生を抑えることも可能です。車体の剛性を高めたり、音響的な対策を施したりすることで、振動が車内に伝わるのを抑え、快適な車内空間を実現します。

設計の進化と今後の展望

設計の進化と今後の展望

パワープラントベンディングは、エンジンやトランスミッションなどのパワープラントを、あえて傾斜させて配置する設計手法です。従来の設計では、パワープラントを車体に対して垂直または水平に配置するのが一般的でしたが、パワープラントベンディングを採用することで、振動の発生源となるエンジンやトランスミッションの配置の自由度が飛躍的に向上します。これにより、車内の静粛性を高め、快適な乗り心地を実現できるというメリットがあります。

近年では、パワープラントベンディングはさらに進化を遂げています。コンピューター解析技術の進歩により、振動特性をより精密に予測することが可能となり、最適な傾斜角度や配置を決定できるようになりました。また、新素材の開発によって、軽量化と高剛性を両立させたパワープラントの設計が可能となり、振動抑制効果はさらに高まっています。

パワープラントベンディングは、今後の自動車開発においても重要な役割を果たすと考えられています。特に、電気自動車やハイブリッドカーなど、静粛性が求められる次世代モビリティにおいては、その重要性はますます高まるでしょう。パワープラントベンディングは、自動車の快適性と環境性能を向上させるための、重要な技術と言えるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました