自動車を支える縁の下の力持ち:転がり軸受け
私たちの生活に欠かせない自動車。スムーズな走行を支えているのは、エンジンやタイヤだけではありません。車輪を支え、なめらかな回転を可能にしている「転がり軸受け」も、重要な役割を担っています。
転がり軸受けは、軸と軸受ハウジングの間に、ボールやローラーと呼ばれる転動体を配置し、摩擦を減らすことで回転をスムーズにする機械要素です。
滑り軸受けと比べて摩擦係数が小さく、省エネルギー、長寿命化に貢献できることから、自動車をはじめ、様々な機械に使用されています。
転がり軸受けは、大きく分けて「玉軸受」と「ころ軸受」の2種類に分類されます。
玉軸受は、転動体として球形の玉を使用しており、ラジアル荷重とアキシアル荷重の両方に対応できるという特徴があります。
一方、ころ軸受は、円筒形のころ、円すい形のころ、樽形のころなど、様々な形状のころを使用しており、大きな荷重に耐えることができるという特徴があります。
自動車には、これらの転がり軸受けが、エンジン、トランスミッション、タイヤなど、様々な箇所に使用されています。
例えば、エンジンのクランクシャフトには、大きな荷重がかかるため、ころ軸受が使用されています。
また、タイヤのハブベアリングには、ラジアル荷重とアキシアル荷重の両方に対応できる玉軸受が使用されています。
このように、転がり軸受けは、自動車の性能と信頼性を支える、重要な部品の一つと言えるでしょう。