自動車の心臓部!歯車ポンプの仕組みと役割
車を知りたい
先生、歯車ポンプって、エンジンのオイルポンプとかに使われてるって書いてあるんですけど、なんで普通のポンプが使われないんですか?
自動車研究家
良い質問だね!確かに、一口にポンプと言っても色々な種類があるよね。歯車ポンプが使われる理由の一つに、構造が簡単で小型化しやすいという点があるんだ。エンジンルームは限られたスペースだから、これは大きなメリットになるんだよ。
車を知りたい
なるほど。でも、小型化できるなら、他のポンプでもいいんじゃないですか?
自動車研究家
それも鋭いね!歯車ポンプは、回転数に応じて決まった量を送り出すことができるという特徴もあるんだ。エンジンオイルは、エンジンの回転数に合わせて送る必要があるので、歯車ポンプが適しているんだよ。
歯車ポンプとは。
「歯車ポンプ」とは、自動車に使われるポンプの一種です。ケース内部で駆動歯車と従動歯車が噛み合い、その歯溝部分の容積変化を利用して油を送り出す仕組みです。歯車の噛み合い方によって内接形と外接形に分けられます。一般的に歯車はインボリュート歯形が用いられますが、歯車の噛み合い部分に油が閉じ込められるのを防ぐため、様々な形状の歯車が開発されています。歯車ポンプは構造上、1回転で送り出す油の量が一定の定容量ポンプであり、エンジンのオイルポンプやオートマチック車(AT)のオイルポンプなどに利用されています。
歯車ポンプとは?
歯車ポンプとは、その名の通り歯車を主要部品として用いたポンプのことです。 回転する歯車の隙間が流体を取り込み、圧力をかけて送り出す仕組みで、自動車のエンジンオイルやオートマチック車(AT車)のオイルなど、様々な場面で活躍しています。
歯車ポンプの構造と種類
歯車ポンプは、その名の通り歯車が噛み合うことで流体を移動させるポンプです。単純な構造ながら、様々な産業分野で活躍しています。
歯車ポンプの基本的な構造は、駆動歯車と従動歯車の2つの歯車、そしてそれらを収めるケーシングからなります。駆動歯車が回転すると、従動歯車も噛み合いながら回転します。この歯車の回転運動によって、吸込み側から圧送側へ流体が運ばれる仕組みです。
歯車ポンプは、大きく分けて外歯車ポンプと内歯車ポンプの2種類に分類されます。外歯車ポンプは、2つの歯車が互いに外接し回転するのに対し、内歯車ポンプは、大きな歯車の中に小さな歯車が噛み合って回転するのが特徴です。
それぞれの種類によって、圧力や流量、粘度への対応能力などが異なります。そのため、用途や目的に最適な種類を選ぶことが重要です。
インボリュート歯形と進化した歯形
歯車ポンプに使われる歯車の歯形は、滑らかな回転と効率的な油圧生成に重要な役割を果たしています。古くから採用されてきたのがインボリュート歯形で、これは歯形がインボリュート曲線という特殊な曲線で構成されています。
インボリュート歯形の最大のメリットは、歯車の回転速度が変化しても、常に一定の力で噛み合う点にあります。これにより、振動や騒音を抑えながら、安定した油圧を供給することが可能になります。
しかし、近年では、さらなる高性能化を目指し、インボリュート歯形を改良した、より高度な歯形も開発されています。例えば、歯形にわずかなねじれを加えることで、接触面積を増やし、より静かで滑らかな動作と、高圧条件下での耐久性向上を実現しています。これらの進化した歯形は、燃費向上や静粛性など、自動車の性能向上に貢献しています。
歯車ポンプのメリット・デメリット
歯車ポンプは、そのシンプルな構造ゆえ多くのメリットを持つ反面、克服すべきデメリットも存在します。
まず大きなメリットとして挙げられるのは、構造が単純であるため小型化・軽量化が容易である点です。これは、限られたスペースに様々な部品を搭載しなければならない自動車にとって大きな利点となります。また、比較的安価に製造できる点もメリットと言えるでしょう。
一方で、歯車がかみ合う際に発生する騒音や振動はデメリットとして挙げられます。この騒音や振動は、乗り心地や静粛性を重視する車種にとっては改善すべき課題と言えるでしょう。さらに、粘度の高い流体には不向きである点もデメリットです。歯車の隙間が小さいため、粘度の高い流体は詰まりを起こす可能性があります。
自動車における歯車ポンプの活躍
自動車のエンジン内部では、様々な部品が正確に動き続けることで、スムーズな走行が実現しています。その中でも、縁の下の力持ちとして活躍しているのが「歯車ポンプ」です。 歯車ポンプは、エンジンオイルや冷却水、燃料といった、自動車にとって重要な流体を送る役割を担っています。 このポンプが正常に動作しなければ、エンジンはオーバーヒートを起こしたり、焼き付いたりする可能性があり、自動車の走行に大きな影響を与えてしまいます。まさに、自動車の心臓部を支える重要な役割と言えるでしょう。