ディーゼルエンジンの心臓部！セタン指数を解説

ディーゼルエンジンの心臓部！セタン指数を解説

ディーゼルエンジンの燃料に着目

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと並んで広く利用されている内燃機関の一種です。その仕組みや特徴を理解する上で、燃料は重要な要素です。ガソリンスタンドで給油する際、軽油とガソリンの区別は誰もが意識するところですが、ディーゼルエンジンにとって最適な燃料とは一体どのようなものでしょうか？

ディーゼルエンジンの燃料は、軽油と呼ばれる石油製品です。軽油は、原油を精製する過程で得られる留分で、ガソリンよりも沸点範囲が高く、粘性が高いという特徴があります。そして、ディーゼルエンジンの性能を語る上で欠かせないのが「セタン価」という指標です。

このセタン価は、軽油の着火しやすさを表す数値であり、ディーゼルエンジンの性能を左右する重要な要素となります。続く章では、セタン価についてさらに詳しく解説していきます。

セタン指数とは？

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、スパークプラグによる点火ではなく、圧縮熱による自己着火を利用して燃料を燃焼させるエンジンです。この自己着火のしやすさを示す指標が、セタン指数です。セタン指数が高いほど、自己着火しやすく、エンジンはスムーズに始動し、安定して力強く回転します。逆に、セタン指数が低いと、着火が遅れてしまい、始動が困難になったり、黒煙が発生しやすくなるなどの問題が発生します。

セタン価との違いは？

ディーゼルエンジンの性能を語る上で欠かせない「セタン指数」。しかし、それとよく似た「セタン価」という言葉も耳にすることがありますよね。一体この二つにはどんな違いがあるのでしょうか？ 実は、セタン指数とセタン価は、実質的に同じものとされています。どちらもディーゼル燃料の着火しやすさを示す指標であり、数値が大きいほど着火性が良いことを表します。

ではなぜ、二つの呼び方が存在するのでしょうか？ これは、測定方法の進化に理由があります。従来は、セタン価という指標を用いて、基準燃料と比較する相対的な評価を行っていました。しかし、技術の進歩により、現在では直接的な測定が可能となり、より正確な「セタン指数」が用いられるようになったのです。

つまり、セタン価は昔の呼び方、セタン指数は現在の呼び方と考えると分かりやすいかもしれません。ただし、現在でもセタン価という用語は広く使われており、セタン指数と置き換えても問題ありません。重要なのは、この数値が高いほど、ディーゼルエンジンはスムーズに始動し、力強い走りを実現できるということを理解することです。

セタン指数が重要な理由

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと異なり、スパークプラグによる点火ではなく、圧縮着火によって燃料を燃焼させる仕組みを持っています。空気と燃料の混合気をシリンダー内で圧縮し、高温高圧になったところに燃料を噴射することで自己着火を起こします。

この自己着火のタイミングが、ディーゼルエンジンの性能を左右する重要な要素となります。セタン指数は、燃料の着火しやすさを示す指標であり、この数値が高いほど自己着火までの時間が短くなります。

セタン指数が高い燃料は、エンジン内部でスムーズに燃焼が始まり、出力向上、燃費向上、始動性向上、黒煙の発生抑制など、様々なメリットをもたらします。逆に、セタン指数が低い燃料を使用すると、着火が遅れてしまい、エンジンノッキングや黒煙の発生といった問題を引き起こす可能性があります。

セタン指数と環境性能

セタン指数は、ディーゼルエンジンの燃焼性のみならず、環境性能にも深く関わっています。
セタン指数の高い燃料は、着火性が良く、燃焼がスムーズに行われます。
これは、不完全燃焼による有害物質の排出を抑制し、黒煙の発生を減らすことに繋がります。
具体的には、一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質（PM）などの排出量を削減することができ、環境負荷を低減できます。
そのため、環境規制の強化に伴い、セタン指数の高い燃料の需要は高まっています。