自動車燃費規制CAFEとは？メーカー平均燃費の仕組み
車を知りたい
先生、「メーカー平均燃費」ってなんですか？ アメリカの燃費規制と関係があるみたいなんですが…
自動車研究家
いい質問だね！ 「メーカー平均燃費」は、アメリカで車を販売するメーカーが、販売するすべての車の燃費を一定以上にするために設けられた基準だよ。簡単に言うと、メーカーが売る車の燃費の平均値のことだね。
車を知りたい
なるほど。燃費の悪い車も、良い車も、全部合わせて平均するんですね。でも、なんでそんな基準があるんですか？
自動車研究家
それはね、アメリカで深刻になったエネルギー問題がきっかけなんだ。燃費の悪い車が売られすぎると、環境にも悪影響を与えるし、資源も無駄に使ってしまう。だから、メーカーに燃費の良い車を作るように促すために、この「メーカー平均燃費」基準が作られたんだよ。
メーカー平均燃費とは。
「メーカー平均燃費」とは、アメリカで販売される車の燃費に関する規制です。これは、自動車メーカーが販売する全ての車の平均燃費が、一定の基準を満たす必要があるというものです。英語では「Corporate Average Fuel Economy」といい、CAFE規制と略されます。もし基準を達成できなかった場合、メーカーには罰金が科せられます。
この平均燃費は、各車種の街乗り燃費と高速道路燃費を統合した「コンバインド燃費」を元に計算されます。CAFE規制は、1970年代のエネルギー問題をきっかけに、1978年に乗用車に、翌年には商用車にも適用され、現在も継続中です。
さらにアメリカでは、CAFE規制とは別に、GGT制度も導入されています。これは、もし車のコンバインド燃費が基準を満たさない場合、購入者が追加の税金を支払わなければならないという制度です。
アメリカで販売するなら必須！CAFE規制の概要
アメリカで車を販売しようと思ったら、避けて通れないのがCAFE規制です。CAFEとは、Corporate Average Fuel Economyの略称で、日本語では「企業平均燃費」と訳されます。
この規制は、自動車メーカーごとに、販売した新車の平均燃費を一定基準以上に保つことを義務付けるものです。もし基準を満たせない場合、メーカーは巨額の罰金を支払わなければなりません。
CAFE規制は、1970年代のオイルショックをきっかけに導入されました。当時のアメリカは、燃費の悪い大型車が主流で、深刻な石油不足に悩まされていました。そこで、省エネルギー化を推進し、石油依存からの脱却を目指すという目的で、CAFE規制が制定されたのです。
CAFE規制の対象となるのは、乗用車だけでなく、トラックやバスなどの商用車も含まれます。ただし、電気自動車（EV）や燃料電池車（FCV）などの次世代自動車は、規制対象外となっています。
CAFE規制は、アメリカの自動車産業に大きな影響を与えてきました。燃費向上のための技術開発が進み、燃費の良い日本車がシェアを伸ばすきっかけともなったのです。
メーカー平均燃費はどうやって計算される？
メーカー平均燃費は、その名の通り、各自動車メーカーが販売した全ての車の燃費数値を合算して、販売台数で割ることで算出されます。つまり、単純な平均燃費ではなく、販売台数を考慮した「加重平均燃費」が採用されているのです。
例えば、A社が燃費10km/Lの車を100台、燃費20km/Lの車を10台販売した場合、メーカー平均燃費は(10km/L × 100台 + 20km/L × 10台) ÷ (100台 + 10台) = 10.9km/L となります。
この計算方法から分かるように、燃費の良い車を多く販売すればメーカー平均燃費は向上し、燃費の悪い車を多く販売すればメーカー平均燃費は低下します。そのため、各メーカーは燃費規制をクリアするために、燃費の良い車の開発・販売に力を入れているのです。
CAFE規制の歴史：なぜ燃費規制が始まったのか？
1970年代、世界は大きな転換期を迎えていました。石油危機により、エネルギー資源の枯渇が現実味を帯び、省エネルギーは世界共通の課題として浮上しました。 アメリカでは、特に燃費の悪い大型車が多く走っていたことから、深刻な石油不足に陥り、経済活動にも大きな影響が出始めました。 この状況を打破するために、アメリカ議会は1975年に「エネルギー政策および保全法」を制定。この法律の中に、自動車の燃費効率を向上させるための新たな規制として盛り込まれたのが、CAFE規制の始まりです。
CAFE規制違反でどうなる？罰金制度を解説
自動車メーカーにとって、燃費規制への対応は避けては通れない課題です。CAFE規制に違反した場合、メーカーは厳しいペナルティを受けることになります。ここでは、CAFE規制違反によって課される罰金制度について詳しく解説します。
CAFE規制とは、各自動車メーカーが販売する新車の平均燃費を一定水準以上に保つことを義務付ける制度です。もし、メーカーの平均燃費が基準値を下回った場合、販売台数に応じて1台あたり数十万円の罰金が科せられることになります。この罰金は、企業にとって大きな経済的負担となるため、メーカーは燃費向上技術の開発や低燃費車の販売促進に力を入れています。
さらに、CAFE規制違反を繰り返すと、ブランドイメージの低下や販売台数の減少に繋がる可能性もあります。消費者は、環境問題に関心の高い企業の製品を選ぶ傾向が強いため、燃費規制違反は企業の信頼性を大きく損なう可能性があるからです。
このように、CAFE規制違反は経済的にも、企業イメージにも大きな影響を与えるため、自動車メーカーは規制遵守を最優先に取り組む必要があります。
CAFE規制とGGT制度の違いとは？
自動車の燃費規制には、大きく分けてCAFE規制とGGT制度の2種類があります。日本ではこれまでCAFE規制が主流でしたが、2020年度からはGGT制度に移行しました。
CAFE規制は、各メーカーが販売する自動車の燃費を車種ごとに目標値と比較し、達成状況を評価する制度です。一方、GGT制度は、メーカーが販売する全ての自動車のCO2排出量を合計し、基準値との差分で評価する制度です。
CAFE規制では、燃費の良い車種を多く販売すれば、燃費の悪い車種を販売しても相殺できました。しかし、GGT制度では、CO2排出量の多い車を販売すればするほど、基準値を超えてしまい、ペナルティが科せられることになります。
このように、CAFE規制とGGT制度は、評価方法やペナルティの考え方が大きく異なります。GGT制度への移行は、より環境負荷の少ない自動車社会の実現を目指すための重要な転換点と言えるでしょう。