懐かしのベルテッドバイアスタイヤ、その構造と歴史
車を知りたい
先生、「ベルテッドバイアスタイヤ」って、どんなタイヤだったんですか?
自動車研究家
いい質問だね。「ベルテッドバイアスタイヤ」は、バイアスタイヤにベルトを巻き付けて強化したタイヤだよ。1970年代に北米でよく使われていたんだ。
車を知りたい
ベルトを巻き付けることで、何かいいことがあったんですか?
自動車研究家
そうなんだ。ベルトによってタイヤの剛性が向上し、高速走行時の安定性が向上したんだよ。ただ、その後登場したラジアルタイヤの方が性能が良かったので、今ではあまり見かけなくなったんだ。
ベルテッドバイアスタイヤとは。
「ベルテッドバイアスタイヤ」とは、自動車に使われるタイヤの一種です。バイアスタイヤと似た構造ですが、外側に円環状のベルトが追加されているのが特徴です。このベルトによって、タイヤの強度を高めています。1970年代、北米を中心にローセクションタイヤとして普及し、ディスクブレーキなどの技術進歩を後押ししました。しかし、その後登場したラジアルタイヤに比べて利点が少なくなってしまったため、現在では規格上の存在となっています。
ベルテッドバイアスタイヤとは?
ベルテッドバイアスタイヤとは、バイアスタイヤのトレッド面にベルト層を重ねた構造を持つタイヤのことです。バイアスタイヤのしなやかな乗り心地と、ラジアルタイヤのような高い操縦安定性を兼ね備えている点が特徴でした。1960年代に登場し、当時の高級車や高性能車に広く採用され、一世を風靡しました。しかし、ラジアルタイヤの性能向上と低価格化に伴い、次第に姿を消していきました。
構造:バイアスタイヤとラジアルタイヤの中間
ベルテッドバイアスタイヤは、その名の通り、バイアスタイヤとラジアルタイヤの両方の特徴を併せ持った構造を持つタイヤです。具体的には、バイアスタイヤのようにトレッド面とビードを繋ぐカーカス層のコードが斜めに交差している点はバイアスタイヤと共通しています。しかし、トレッド面の下には、ラジアルタイヤのようにカーカス層のコードと直交するベルト層が配置されている点が、バイアスタイヤとは異なる点であり、ラジアルタイヤの特徴を取り入れている部分と言えるでしょう。
この構造により、ベルテッドバイアスタイヤはバイアスタイヤの欠点であった高速走行時の変形や発熱を抑え、高い耐久性と操縦安定性を実現しました。同時に、ラジアルタイヤに比べて乗り心地が柔らかく、静粛性にも優れているというメリットも持ち合わせていました。
1970年代、ローセクションタイヤとして一世を風靡
1970年代、クルマは大きく様変わりしました。それまでの重厚長大なアメリカ車が主流だった時代から、オイルショックの影響もあり、よりコンパクトでスポーティなヨーロッパ車が人気を集めるようになったのです。この時代の流れとともに、タイヤにも大きな変化が訪れました。それが、ロープロファイル化の波に乗り、一世を風靡した「ベルテッドバイアスタイヤ」です。
ディスクブレーキ普及の影の立役者?
1960年代から80年代にかけて、自動車の足元を支えたのがベルテッドバイアスタイヤです。バイアスタイヤの構造にベルトを加えることで、高速安定性と耐久性を向上させたこのタイヤは、当時の自動車産業の発展に大きく貢献しました。 特に、ディスクブレーキの普及とベルテッドバイアスタイヤの進化は、切っても切り離せない関係にあります。 ディスクブレーキは、従来のドラムブレーキに比べて制動力が強く、フェード現象も起きにくいというメリットがありました。しかし、その強力な制動力ゆえに、タイヤにはより高い強度と耐久性が求められることになったのです。そこで登場したのが、ベルテッドバイアスタイヤでした。 ベルト層によってタイヤの剛性を高めることで、ディスクブレーキの強力な制動力にも耐えうる強度を実現し、自動車の安全性を飛躍的に向上させたのです。 このように、ベルテッドバイアスタイヤは、ディスクブレーキの普及を陰ながら支え、自動車史にその名を刻みました。
ラジアルタイヤの台頭とベルテッドバイアスタイヤの終焉
1960年代に登場し、優れた耐久性と操縦安定性で人気を博したベルテッドバイアスタイヤ。しかし、その栄華は長くは続きませんでした。1970年代に入ると、より快適性と燃費性能に優れたラジアルタイヤが台頭してきたのです。ラジアルタイヤは、構造の違いから、ベルテッドバイアスタイヤよりも乗り心地が柔らかく、燃費性能にも優れていました。また、路面への追従性も高いため、操縦安定性においてもベルテッドバイアスタイヤを凌駕するようになりました。
これらの利点を持つラジアルタイヤは、次第に市場で受け入れられ、1980年代にはタイヤの主流となりました。ベルテッドバイアスタイヤは、一部の車種で採用され続けましたが、その数は減少し続け、やがて姿を消していきました。しかし、ベルテッドバイアスタイヤが自動車史に刻んだ功績は大きく、その後のタイヤ開発に多大な影響を与えたことは間違いありません。