車の心臓を守る!タペットクリアランスの重要性
車を知りたい
先生、「タペットクリアランス」ってなんですか?自動車のエンジンに使われている言葉らしいんですけど、よく分からなくて…
自動車研究家
いい質問だね!「タペットクリアランス」は、エンジンのバルブとカムの間に設けられたわずかな隙間のことだよ。分かりやすく例えると、熱いフライパンにフタをすると、熱で膨張してフタが開かなくなっちゃうことがあるよね? エンジンでも同じことが起こるんだ。エンジンが熱くなると、バルブやシリンダーヘッドが膨張する。そこで、「タペットクリアランス」という隙間を設けることで、この膨張による不具合を防いでいるんだよ。
車を知りたい
なるほど!エンジンの熱膨張対策なんですね。でも、隙間があると、バルブがうまく動かないんじゃないですか?
自動車研究家
鋭いね!確かに隙間があると、バルブの動きが少し遅れてしまう。しかし、この隙間がないと、熱で膨張したバルブがシリンダーヘッドに接触してしまい、エンジンが壊れてしまう可能性があるんだ。だから、「タペットクリアランス」は、エンジンの性能と耐久性を両立させるための、とても重要な調整なんだよ。
タペットクリアランスとは。
自動車用語の「タペットクリアランス」とは、エンジンのバルブとカムの間に設けられたわずかな隙間のことです。エンジンが熱くなると、バルブやシリンダーヘッドが膨張するため、この隙間がないとバルブが押し付けられてしまい、正常に動作しなくなります。
タペットクリアランスの調整方法は、エンジンの種類によって異なります。直動式の場合は、シムと呼ばれる薄い板やタペットの厚さを調整することで、吸気側で約0.25mm、排気側で約0.30mmの隙間を設けます。一方、ロッカーアーム式の場合は、ロッカーアームの先端にある調整ねじを使って隙間を調整します。
排気バルブは吸気バルブに比べて高温になるため、熱膨張も大きくなります。そのため、排気バルブ側のタペットクリアランスは、吸気バルブ側よりも少し大きく設定するのが一般的です。
最近のエンジンには、自動的にタペットクリアランスを調整する「ラッシュアジャスター」が搭載されている場合があり、その場合は手動での調整が不要となっています。
タペットクリアランスとは?
エンジンをかけると、ピストンが上下運動を始め、その動きがクランクシャフトに伝わり車が走ります。このピストン運動をスムーズに行うために、バルブと呼ばれる部品が開いたり閉じたりして、空気と燃料の出し入れを調整しています。
タペットクリアランスとは、このバルブと、バルブを動かすためのロッカーアームやカムシャフトとの間に設けられたわずかな隙間のことを指します。
なぜタペットクリアランスが必要なのか?
エンジンは車にとって心臓部とも呼ばれ、その滑らかで力強い動きは、快適なドライブに欠かせません。このスムーズな動きを支える重要な要素の一つが「タペットクリアランス」です。
タペットクリアランスとは、簡単に言うとバルブとロッカーアームの間に設けられたわずかな隙間のことです。この隙間は、エンジンが過熱して膨張する際に、バルブとロッカーアームが接触して損傷することを防ぐための重要な役割を担っています。
もし、タペットクリアランスが適切に設定されていないと、バルブが完全に閉じず、エンジンの性能低下や燃費悪化に繋がることがあります。最悪の場合、バルブやピストンが損傷し、高額な修理費用が発生してしまう可能性もあるのです。
タペットクリアランスの調整方法
タペットクリアランスの調整は、エンジンの種類や車種によって手順が異なります。ここでは、一般的なガソリンエンジンの調整方法について、大まかに説明します。
1. -準備- エンジンが冷えていることを確認し、必要な工具(シックネスゲージ、ラチェットレンチ、トルクレンチなど)を用意します。
2. -カバーの取り外し- シリンダーヘッドカバーを取り外し、ロッカーアームとバルブステムの先端を露出させます。
3. -調整箇所の確認- 調整するシリンダーを圧縮上死点にします。この時、調整するバルブが完全に閉じている状態であることを確認してください。
4. -シックネスゲージによる測定- シックネスゲージを使い、バルブステムとロッカーアームの隙間を測定します。
5. -クリアランスの調整- 測定値が規定値と異なる場合は、ロッカーアームの調整ナットを回してクリアランスを調整します。
6. -確認と締め付け- 再度シックネスゲージでクリアランスを測定し、規定値内であることを確認します。その後、規定トルクで調整ナットを締め付けます。
7. -組み立てと最終確認- シリンダーヘッドカバーなど、取り外した部品を元に戻し、エンジンをかけて異音などが無いか確認します。
上記の調整はあくまでも一般的な手順であり、車種やエンジンによって異なる場合があります。もし、自身で調整を行う場合は、必ず整備書を参照し、自信がない場合は専門業者に依頼するようにしてください。
タペットクリアランスが適切でない場合に起こる問題
タペットクリアランスが適正値から外れてしまうと、エンジンに様々な悪影響を及ぼします。クリアランスが狭すぎる場合は、バルブが完全に閉じなくなり、圧縮漏れを起こしてパワーダウンや燃費悪化に繋がります。最悪の場合、バルブがピストンに接触し、エンジンが破損してしまうことも。
反対にクリアランスが広すぎる場合は、バルブを開閉するタイミングがずれてしまい、異音や振動が発生します。また、バルブの開閉動作が不安定になるため、こちらもパワーダウンや燃費悪化の原因となります。
このように、タペットクリアランスはエンジンの性能と寿命に大きく関わる重要な要素と言えるでしょう。
ラッシュアジャスターの役割
車のエンジン内部では、ピストンが上下運動を繰り返すことで動力が生まれます。このピストン運動とバルブの開閉タイミングを正確に制御しているのが、カムシャフトとバルブの間にあるわずかな隙間「タペットクリアランス」です。
このタペットクリアランス、適切に保たれていないとエンジン出力の低下や燃費悪化、最悪の場合はエンジントラブルに繋がってしまうため、非常に重要です。
しかし近年、このタペットクリアランスの調整を自動で行う「ラッシュアジャスター」という部品が多くの車に搭載されるようになりました。ラッシュアジャスターは、エンジンオイルの油圧を利用して自動的にクリアランスを調整してくれるため、従来のように定期的な調整は不要となっています。
ラッシュアジャスターの登場により、車のメンテナンスは簡素化されました。しかし、ラッシュアジャスターも機械である以上、故障の可能性はゼロではありません。異音やエンジン警告灯の点灯など、いつもと違う車の挙動に気付いたら、早めに整備工場で点検を受けるようにしましょう。