燃費と環境性能を両立!空燃比制御を解説
車を知りたい
先生、『空燃比制御』って書いてあるんですけど、どういう意味ですか?
自動車研究家
自動車のエンジンは、ガソリンと空気の混合気を爆発させて動いているんだけど、その混合の割合を『空燃比』って言うんだ。
『空燃比制御』っていうのは、センサーを使ってその割合を常にちょうど良い状態に保つ技術のことだよ。
車を知りたい
へぇー。ちょうど良い状態に保つって、何かメリットがあるんですか?
自動車研究家
良い質問だね!
空燃比を適切に保つことで、燃費が良くなったり、排気ガスがクリーンになったりするんだ。
最近の車は、環境への配慮から、この技術が特に重要視されているんだよ。
空燃比制御とは。
自動車用語の「空燃比制御」とは、排気ガス中の酸素濃度を測定するセンサーを使って、エンジンに送り込む空気と燃料の比率(空燃比)を常に調整する技術のことです。このセンサーは、変化し続ける空燃比に応じて連続的な信号を出力するため、エンジンの要求に応じて、燃料が濃すぎる状態から薄すぎる状態まで、幅広く空燃比を調整できます。この技術は、燃費向上に効果的なリーンバーンエンジンには欠かせないものです。なお、従来の三元触媒システムで使用されるO2センサーのように、理論的な空燃比付近のみを制御する方式とは区別されます。
空燃比制御とは?
自動車のエンジンは、ガソリンと空気の混合気を爆発させることで動力を得ています。この時、ガソリンと空気の混合比率を「空燃比」と呼びます。空燃比制御とは、エンジンの動作状況に合わせて、この空燃比を理想的な状態に自動で調整するシステムのことです。
空燃比センサーの役割
自動車のエンジンルーム内には、まるでエンジンの調子を診る“五感”のように、様々なセンサーが配置されています。その中でも、排気ガス中の酸素濃度を測定し、エンジンが吸い込んだ空気に対してどれだけの燃料を混ぜるべきかを判断する上で重要な役割を担うのが「空燃比センサー」です。
このセンサーは、排気マニホールドと呼ばれる排気ガスが集まる場所に設置され、排気ガス中の酸素濃度をリアルタイムに検知します。そして、その情報をエンジンの制御コンピュータに送信することで、燃料噴射量や点火時期を調整し、常に最適な空燃比を維持するよう制御しています。
リーンバーンエンジンとの関係
リーンバーンエンジンは、空燃比制御技術を駆使して燃費を向上させるエンジンです。 ガソリンエンジンは、ガソリンと空気の混合気を燃焼させて動力を得ています。この混合気の比率を空燃比といい、理想的な燃焼を実現する比率は理論空燃比と呼ばれます。リーンバーンエンジンは、この理論空燃比よりもさらに空気の比率を高めた、薄い混合気を燃焼させることで燃費を向上させています。
リーンバーンは「薄い燃焼」を意味し、通常のエンジンよりも少ない燃料で走行できるため、燃費向上とCO2排出量削減に効果があります。しかし、薄い混合気は燃焼速度が遅く、安定した燃焼を得るのが難しいという課題もあります。そこで、リーンバーンエンジンには、燃料噴射のタイミングや量を精密に制御する技術や、排気ガスの浄化システムなど、様々な技術が搭載されています。
O2センサーとの違い
空燃比制御とO2センサーは、どちらもエンジンの燃焼効率に深く関わる重要な要素ですが、その役割は異なります。 O2センサーは、排気ガス中の酸素濃度を測定するセンサーです。この測定結果に基づいて、エンジンが理論空燃比で燃焼しているかどうかを判断します。 一方、空燃比制御は、O2センサーからの情報に加えて、エンジン回転数やアクセル開度などの様々な運転条件を考慮し、燃料噴射量を調整して最適な空燃比を維持するシステムです。
例えるなら、O2センサーは「料理の味を確かめる舌」のようなもので、空燃比制御は「舌で確かめた味に基づいて調味料を調整する料理人」のようなものです。 O2センサーはあくまでも酸素濃度を測定するだけですが、空燃比制御は、その情報を利用して、より緻密な燃料噴射制御を行います。 つまり、O2センサーは空燃比制御の一部として機能しており、空燃比制御はO2センサーの情報も活用して、より高精度な燃焼制御を実現していると言えるでしょう。
環境性能と燃費への影響
自動車の排ガスには、地球温暖化や大気汚染の原因となる物質が含まれています。 環境性能を高めるためには、これらの有害物質の排出量を抑制することが重要です。 一方で、燃費は走行距離あたりの燃料消費量で決まり、燃費が良いということは、それだけ燃料消費が抑えられ、経済的にも環境にもプラスとなります。
一見すると、環境性能と燃費は相反する要素にも思えますが、実は密接に関係しています。それを実現するのが、エンジンの燃焼効率を左右する「空燃比制御」なのです。