クルマの心臓部!クランクシャフトのねじり剛性とは
車を知りたい
先生、クランクシャフトのねじり剛性ってなんですか?
自動車研究家
クランクシャフトのねじり剛性とは、クランクシャフトを回転方向にねじったときのねじれにくさを表すものだよ。ねじり剛性が低いと、エンジン回転中にクランクシャフトがねじれて振動しやすくなるんだ。この振動が大きくなりすぎると、最悪の場合、クランクシャフトが破損してしまうこともあるんだよ。
車を知りたい
ねじれにくさが重要なんですね。じゃあ、ねじり剛性を高くするにはどうすればいいんですか?
自動車研究家
クランクシャフトのジャーナルやクランクピンの直径を大きくしたり、ウェブを広くすることでねじり剛性を高くできるんだ。ただ、クランクシャフトは長くなるとねじり剛性が低下してしまう。だから、直列6気筒エンジンよりもV型6気筒エンジンのほうが、クランクシャフトを短くできるので、ねじり剛性を高くしやすいんだよ。
クランクシャフトのねじり剛性とは。
自動車のエンジンにおいて重要な役割を担う「クランクシャフト」。その「ねじり剛性」とは、回転方向へのねじれに対する強さ、つまりねじれにくさを表す言葉です。クランクシャフトの破損やエンジンノイズの原因となる「ねじり振動」は、このねじり剛性と密接な関係があります。ねじり剛性が低いと、低い回転数でもねじり振動が共振しやすく、振動も大きくなってしまいます。ねじり剛性を高めるためには、ジャーナルやクランクピンの直径を大きく、ウェブの幅を広くすることが有効です。これらの寸法が大きくなるほど、ねじり剛性は飛躍的に向上します。クランクシャフトには、ねじれに対する強さだけでなく、曲げに対する強さも求められます。しかし、多くの場合、ねじり剛性を確保することで、曲げ剛性も同時に確保することができます。ただし、クランクシャフトは長くなるほど、ねじり剛性が低下するという点は注意が必要です。そのため、直列6気筒エンジンよりも、クランクシャフトを短くできるV型6気筒エンジンのほうが、高いねじり剛性を実現しやすいと言えます。近年では、コンピューターシミュレーション技術の進歩により、設計段階でクランクシャフトのねじり剛性を高い精度で予測することが可能になっています。
エンジンパワーを伝えるクランクシャフト
エンジンはクルマの動力源ですが、そのパワーをタイヤに伝えるために重要な役割を担っているのがクランクシャフトです。 クランクシャフトは、エンジンの燃焼行程で発生するピストンの上下運動を回転運動に変換し、その回転力をトランスミッションへと伝達する役割を担っています。 自転車のペダルとクランクの関係をイメージすると分かりやすいでしょう。 クランクシャフトは、エンジン内部の高温高圧の環境下で常に動作し、大きな負荷を受け続ける過酷な環境に置かれています。そのため、高い強度と耐久性が求められます。
ねじり剛性とねじり振動の関係
エンジンの中でピストンが上下する力を受け止め、回転運動に変換する重要な役割を担うクランクシャフト。その性能を左右する要素の一つが「ねじり剛性」です。
ねじり剛性とは、クランクシャフトがねじれようとする力に対して、どれだけ抵抗できるかを示す尺度です。このねじり剛性が低い場合、エンジン回転中にクランクシャフトにねじり振動が発生しやすくなります。
ねじり振動は、クランクシャフトの回転速度やエンジンが発生する力の変化によって生じる、ねじれの振動現象です。ねじり振動が大きくなると、最悪の場合クランクシャフトの破損に繋がることがあります。また、振動が他の部品に伝わることで、騒音や振動の原因となることもあります。
ねじり剛性を高めることで、ねじり振動を抑制し、クランクシャフトの耐久性を向上させることができます。そのため、クランクシャフトの設計においては、ねじり剛性を最適化することが非常に重要となります。
ねじり剛性を左右する構造的要因
クランクシャフトのねじり剛性は、その構造によって大きく影響を受けます。 まず、クランクシャフトの直径が太いほど、ねじれに対する強さが増します。 これは、断面積が大きくなることで、ねじりの力に対する抵抗力が増加するためです。 次に、クランクジャーナルとクランクピンの間の距離であるクランク throw が短いほど、ねじり剛性が高くなります。 クランク throw が短いと、クランクシャフト全体の長さが短くなるため、ねじれにくくなるためです。 さらに、クランクシャフトの材質も、ねじり剛性に影響を与えます。 高強度な鋼材を使用することで、ねじれに対する強度を向上させることができます。 これらの構造的要因を考慮して設計することで、エンジンの出力や回転数、使用条件に最適なねじり剛性を持つクランクシャフトを作り出すことができます。
ねじり剛性の重要性:なぜV6は有利?
エンジン内部でピストンの上下運動を回転運動に変換する、重要な役割を担うクランクシャフト。その性能を語る上で、「ねじり剛性」は欠かせない要素です。ねじり剛性とは、ねじれに対する強さを表すものです。
クランクシャフトは、エンジンの回転に伴い、常にねじれの力を受けています。特に高出力エンジンでは、この力が大きくなり、ねじり剛性が低いと、クランクシャフト自身がねじれてしまい、エンジンの出力損失に繋がります。最悪の場合、破損してしまう可能性も。
では、なぜV型エンジンの代表格であるV6エンジンは、直列エンジンと比べて、ねじり剛性の面で有利なのでしょうか?それは、クランクシャフトの構造にあります。V6エンジンは、クランクピンを支えるメインベアリングの数が多く、クランクシャフトをより強固に支えることが可能です。結果として、ねじり剛性が高くなり、高出力化や高回転化に適していると言えます。
シミュレーション技術の進化とクランクシャフト設計
自動車のエンジンにおいて、ピストンの往復運動を回転運動に変換する重要な役割を担うクランクシャフト。その性能を左右する要素の一つに「ねじり剛性」があります。ねじり剛性とは、クランクシャフトがねじれようとする力に対する変形への強さを示します。
従来、クランクシャフトのねじり剛性を評価するには、実際に試作品を作成し、様々な条件下で試験を行う必要がありました。しかし、近年ではコンピューターを使ったシミュレーション技術が飛躍的に進化し、設計段階でねじり剛性を高精度に予測することが可能になりました。
シミュレーション技術の進化は、クランクシャフト設計に革新をもたらしました。設計者は、コンピューター上で様々な形状や材質のクランクシャフトを仮想的に作成し、ねじり剛性や強度、振動特性などを評価できます。これにより、試作品製作の回数やコストを大幅に削減しながら、より高性能なクランクシャフトを開発することが可能になりました。
さらに、シミュレーション技術によって、従来は難しかった複雑な形状のクランクシャフトの設計も可能になりました。軽量化と高剛性を両立させる複雑な形状を、コンピューター上で精密に設計し、その性能を事前に評価することで、より高性能で環境性能に優れたエンジン開発に貢献しています。