ミラーサイクルとは?燃費向上と出力向上の仕組みを解説

車を知りたい
先生、「ミラーサイクル」って、普通のエンジンと何が違うんですか?

自動車研究家
いい質問だね!ミラーサイクルは、吸気バルブを早閉じしたり遅閉じしたりすることで、実質的に圧縮比を下げずに膨張比だけを大きくするんだ。普通のエンジンと比べて、何が変わるかわかるかな?

車を知りたい
うーん、膨張比が大きくなるってことは、爆発の力をより多くピストンに伝えることができるってことですか?

自動車研究家
その通り!膨張比が大きいと、燃料が燃える力をより効率的に使うことができるから、燃費が良くなるんだ。ただし、ミラーサイクルはそのままでは出力が低くなってしまうこともあるから、ターボチャージャーなどの過給機と組み合わせたり、可変バルブタイミング機構を使ったりして工夫されているんだよ。
ミラーサイクルとは。
「ミラーサイクル」とは、1947年にアメリカのラルフ・H・ミラーによって提唱された、エンジンの燃焼効率を高める技術のことです。通常のエンジンよりも膨張行程を長くすることで、燃料のエネルギーをより多く取り出すことができます。
ミラーサイクルエンジンでは、吸気バルブを早く閉じたり、遅く閉じたりすることで、実質的な圧縮比を下げ、膨張比を高めています。
自然吸気エンジンでは、高膨張比の効果で燃費は向上するものの、出力が低下する傾向があります。しかし、ターボチャージャーなどの過給機と組み合わせることで、出力と燃費の両方を向上させることが可能になります。
ミラーサイクルエンジンは、マツダのKJ-ZEM型エンジン(V型6気筒2254cc)や、自然吸気エンジンではマツダのG6型エンジン(直列4気筒2605cc)、トヨタの1NZ-FXE型エンジン(直列4気筒1496cc)などが挙げられます。
また、可変バルブタイミング機構を用いることで、低回転時などには吸気バルブを遅く閉じることで、ミラーサイクルと同様の効果を得るエンジンも存在します。
ミラーサイクルの基本的な仕組み

ミラーサイクルは、ガソリンエンジンの一種で、通常の4サイクルエンジン(吸気、圧縮、膨張、排気)を改良したものです。その最大の特徴は、吸気バルブを圧縮行程中も一定時間開いたままにする点にあります。
一般的な4サイクルエンジンでは、ピストンが上死点に達する前に吸気バルブを閉じますが、ミラーサイクルでは、ピストンが上死点を少し過ぎたあたりまで吸気バルブを開き続けます。これにより、一度シリンダー内に取り込んだ混合気の一部を吸気ポートへと押し戻し、結果的に圧縮比を下げる効果が得られます。
高膨張比サイクルで燃費が向上する理由

ミラーサイクルは、通常のエンジンよりも燃費を向上させることができる技術として知られています。その理由は、高膨張比サイクルを採用することで、燃料が持つエネルギーをより効率的に取り出すことができるからです。
一般的なガソリンエンジンでは、ピストンの下降行程である程度燃焼ガスが膨張した後、排気バルブが開いて排気されます。しかし、ミラーサイクルでは、排気バルブを閉じるタイミングを遅らせることで、膨張行程を長く取ることができます。
これにより、燃焼ガスの熱エネルギーをより多く仕事に変換できるため、結果として燃費が向上するのです。 膨張比が高いほど、理論的には熱効率が向上し、燃費が向上することになります。
ミラーサイクルのメリット・デメリット

– ミラーサイクルのメリット・デメリット
ミラーサイクルは、従来のエンジンサイクルと比べて燃費と出力の向上を実現できる一方、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
-# メリット
1. -燃費の向上- ミラーサイクルは、圧縮比を高めながらもノッキングを抑えることで、燃費を向上させることができます。これは、同じ量の燃料でより多くのエネルギーを生み出すことができるためです。
2. -排出ガスの低減- 燃費向上により、排出ガス、特にCO2の排出量を削減することができます。環境負荷低減に貢献できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
-# デメリット
1. -低回転域での出力の低下- ミラーサイクルは、高回転域では力を発揮しますが、低回転域では出力やトルクが不足する傾向があります。これは、吸気量を減らすことで燃焼圧力を抑えているためです。街乗りなど、発進と停止を繰り返すような状況では、運転しにくさを感じる場合があります。
2. -構造が複雑でコストがかかる- ミラーサイクルエンジンは、従来のエンジンよりも複雑な構造をしており、製造コストが高くなる傾向があります。そのため、車両価格が割高になる可能性も考えられます。
上記のように、ミラーサイクルにはメリットとデメリットの両方が存在します。燃費の良さと環境性能の高さは魅力的ですが、運転フィーリングやコスト面とのバランスを考慮する必要があります。
ミラーサイクルを採用した代表的なエンジン

ミラーサイクルは、燃費の良さで知られる Atkinson サイクル エンジンを進化させた技術として、多くの自動車メーカーが注目しています。特に、高い出力性能と低燃費を両立できることから、近年では、ハイブリッドカーやスポーツカーなど、幅広い車種に搭載されるようになっています。
代表的な例としては、トヨタのハイブリッドカーに搭載されている「THS II」や、マツダの「SKYACTIV-X」エンジンなどが挙げられます。これらのエンジンは、ミラーサイクルの特性を活かすことで、優れた燃費性能と力強い走りを実現しています。
今後のミラーサイクル技術の展望

ミラーサイクルエンジンは、従来のガソリンエンジンと比べて、燃費効率と出力の両方を向上させる可能性を秘めています。 更なる技術革新によって、熱効率の向上やフリクションロスの低減、そして触媒の進化などが期待されています。 これらの進歩によって、ミラーサイクルエンジンは、ハイブリッド車や電気自動車など、他の環境対応車技術との競争においても、重要な役割を果たす可能性があります。 特に、低コストで高効率なエンジンを求める声は依然として高く、ミラーサイクル技術は、将来の自動車業界において、その需要に応える有力な選択肢となることが期待されています。
