懐かしの技術 – 排気加熱式自動チョークとは？
車を知りたい
先生、「排気加熱式自動チョーク」って、昔の車にあったやつですよね？ どうやって動いていたんですか？
自動車研究家
よく知ってるね！ その通り、昔はよく使われていた方式だよ。エンジンの排気マニホールドって、エンジンから出た熱い排気が通るところなんだけど、その熱を利用してチョークを動かしていたんだ。
車を知りたい
排気の熱で？ どうやってですか？
自動車研究家
排気マニホールドの近くにバイメタルっていう金属が取り付けてあって、熱でその金属が曲がったり伸びたりする性質を利用してチョークを開閉させていたんだ。ただ、排気熱だけだとエンジンの温度を正確に測れなくて、あまり精度が良くなかったから、今は電気式が主流になったんだよ。
排気加熱式自動チョークとは。
「排気加熱式自動チョーク」とは、車のエンジンに使われていた古いタイプの自動チョーク機構のことです。エンジンの排気熱を利用してチョークの開閉を行う仕組みで、排気マニホールドという部品の周りの温度変化に反応する金属（バイメタル）が使われていました。バイメタルが熱で変形することで、チョークバルブの開度を調整していたのです。しかし、この方式ではエンジンの温まり具合を正確に把握するのが難しく、次第に電気式の自動チョークへと置き換えられていきました。
自動チョークの役割
エンジンは、冷えた状態ではガソリンと空気の混合気がうまく燃焼しません。そこで活躍するのがチョークです。チョークの役割は、エンジンの始動時に空気の量を絞り、ガソリンの濃度を高くした混合気をエンジンに送り込むことです。
これにより、冷たい状態でもエンジンがスムーズに始動できるようになります。かつては手動でチョーク操作を行う必要がありましたが、自動チョークの登場により、その手間が省かれるようになりました。
排気加熱式自動チョークの仕組み
エンジンが冷えているときは、ガソリンと空気の混合気を濃くしてやらないと、うまく爆発してくれません。そこで活躍するのが自動チョークです。現代の車は電子制御でこれをやってのけますが、一昔前の車では、排気ガスの熱を利用した自動チョークが多く使われていました。
排気管から出てきた高温の排気ガスの一部を、バイメタルという金属が組み込まれたチョークバルブ付近に導きます。バイメタルは、熱によって膨張率の異なる金属を貼り合わせたもので、熱が加わることで変形する性質を持っています。この変形を利用してチョークバルブを開閉し、エンジンの状態に合わせてガソリンと空気の混合比を自動的に調整していたのです。
バイメタルとチョーク開度の関係
自動チョークの心臓部には、温度変化によって曲がる性質を持つバイメタルが使われています。このバイメタルは、エンジンの冷却水の温度に応じて形状を変化させることで、チョークバルブの開度を調整する役割を担っています。
エンジンが冷えている時は、バイメタルは縮んでおり、チョークバルブを閉じ気味にします。これにより、混合気に含まれるガソリンの割合が増え、エンジンの始動をスムーズにします。
エンジンが始動し、冷却水が温まってくると、バイメタルは徐々に伸びていきます。それに伴い、チョークバルブは徐々に開いていき、最終的には全開になり、通常の混合気となります。
このように、バイメタルの形状変化とチョークバルブの開度は密接に関係しており、エンジンの温度に応じて自動的に最適な混合気を供給することで、スムーズなエンジン始動と安定したアイドリングを実現しています。
排気加熱式自動チョークのメリット・デメリット
排気加熱式自動チョークは、エンジンの始動性を向上させるために、 carburetor （キャブレター）に供給する混合気を濃くする装置です。
メリットとしては、
* 特別な操作を必要とせず、自動的にチョークが作動するため、エンジン始動が容易になる点
* 構造がシンプルで、低コストで製造できる点
などが挙げられます。
一方で、デメリットも存在します。
* 外気温の影響を受けやすく、気温が高い場合はチョークが効きすぎる場合がある
* 排ガス中に未燃焼ガスが多く含まれるため、排ガス浄化の面では不利である
などが挙げられます。
このように、排気加熱式自動チョークはメリット・デメリットを併せ持つ技術でした。
電気式自動チョークへの移り変わり
排気加熱式自動チョークは、そのシンプルさと信頼性から長らく愛されてきましたが、時代の流れと共に、より精密な制御が可能で、環境性能にも優れる電気式自動チョークへと移り変わっていきました。電気式自動チョークは、サーミスタやバイメタルなどのセンサーを用いてエンジン温度を検知し、その信号を元にチョークバルブを電気的に制御します。これにより、エンジンの温度変化に対して、よりきめ細かくチョークの開度を調整することが可能となり、始動性の向上だけでなく、排出ガス中の有害物質の削減にも貢献しました。また、電気式は、設置場所の自由度が高いこともメリットとして挙げられます。排気ガスを利用する必要がないため、エンジンルーム内のレイアウトの自由度が増し、設計の柔軟性が向上しました。このように、電気式自動チョークは、従来の排気加熱式に比べて多くの利点を持つことから、自動車の進化と共に、広く普及していくこととなりました。