懐かしの車技術解説:ダイヤフラム式燃料ポンプ
車を知りたい
先生、「ダイヤフラム式燃料ポンプ」ってどういうものですか?自動車のエンジンに使われているみたいですけど、よくわかりません。
自動車研究家
いい質問だね!「ダイヤフラム式燃料ポンプ」は、昔の車のエンジンによく使われていた燃料ポンプの一種だよ。 エンジンに燃料を送るために、薄い膜のような「ダイヤフラム」を上下に動かして、燃料を吸ったり吐き出したりするんだ。
車を知りたい
なるほど。膜を動かすんですか?どうやって動かすんですか?
自動車研究家
エンジンの一部であるカムシャフトの動きを利用して、ダイヤフラムを上下に動かすんだ。 ダイヤフラムが上下に動くことで、ポンプのように燃料を吸い込み、エンジンに送り出す仕組みになっているんだよ。
ダイヤフラム式燃料ポンプとは。
「ダイヤフラム式燃料ポンプ」とは、車のエンジンに燃料を送るためのポンプの一種です。このポンプは、ダイヤフラムと呼ばれる薄い膜の中央にある円盤を動かすことで、燃料を吸い込んだり、押し出したりします。昔は、キャブレター式のエンジンでは、エンジンの回転に合わせて動くカムを使って、このポンプを動かすのが一般的でした。また、電気で動く燃料ポンプの中にも、ダイヤフラムが使われているものがあります。
ダイヤフラム式燃料ポンプとは?
自動車の心臓部であるエンジン。そのエンジンを動かすために必要不可欠なのが燃料であり、その燃料をタンクからエンジンへと送り込む役割を担うのが燃料ポンプです。今回は、旧車の心臓を支えた「ダイヤフラム式燃料ポンプ」について解説していきます。
その仕組みと動作原理
ダイヤフラム式燃料ポンプは、その名の通り、ダイヤフラムと呼ばれる柔軟な膜を利用して燃料をエンジンに送るポンプです。 エンジンがキャブレターを採用していた時代に主流だったこの方式は、シンプルな構造ながら、確実に燃料を供給する役割を担っていました。
ダイヤフラムは、ポンプ本体内部で上下に動くことでポンプ内の容積を変化させます。 ダイヤフラムが押し下げられるとポンプ内の容積が減り、燃料は圧力を受けてキャブレターへと送り出されます。 一方、ダイヤフラムが押し上げられるとポンプ内の容積が増え、燃料タンクから新たな燃料がポンプ内に吸い込まれます。 このダイヤフラムの上下運動は、エンジンの吸気作用と連動した機械的な仕組みによって制御されています。
ダイヤフラム式燃料ポンプは、構造がシンプルであるがゆえに信頼性が高く、メンテナンスも容易という利点がありました。 しかし、排出ガス規制の強化や電子制御化の進展に伴い、より精密な燃料供給が求められるようになると、その役割を終え、電気式の燃料ポンプへと取って代わられていきました。
キャブレターエンジンとの関係
ダイヤフラム式燃料ポンプは、そのシンプルな構造と信頼性から、かつてのキャブレターエンジン搭載車にとって無くてはならない存在でした。キャブレターは、エンジンが必要とする燃料の量を、空気量とアクセル開度に応じて機械的に調整する装置です。しかし、キャブレター自身は燃料を吸い上げる機能を持たないため、燃料タンクから燃料を供給する役割を担うのがダイヤフラム式燃料ポンプだったのです。
ダイヤフラム式燃料ポンプは、エンジンの吸気作用を利用して燃料を吸い上げ、キャブレターへ安定供給します。エンジンの回転数と連動して燃料を送るため、低回転から高回転まで、常に最適な燃料供給を実現していました。これは、電子制御燃料噴射装置が主流となった現代では想像もつかない、アナログ的な技術の結晶と言えるでしょう。
メリット・デメリット
– メリット・デメリット
ダイヤフラム式燃料ポンプは、シンプルな構造と動作原理から、かつては多くの自動車で採用されていました。
メリットとしては、
* 構造が単純であるため、製造コストが低い。
* 動作音が静かである。
* 負圧で動作するため、電気的な制御が不要。
などが挙げられます。
一方で、デメリットも存在します。
* エンジンが高回転になると燃料供給量が不足する傾向があるため、高出力車には不向き。
* ダイヤフラムの劣化により耐久性に劣る。
* ポンプがエンジンルームに取り付けられるため、万が一の燃料漏れ時に火災のリスクがある。
などが挙げられます。
これらのデメリットを克服するために、現在ではより高性能な電気式燃料ポンプが主流となっています。
現代の自動車における燃料ポンプ
現代の自動車では、環境性能や燃費向上のために、燃料噴射システムが電子制御化されています。そのため、燃料ポンプもエンジンに搭載されるのではなく、燃料タンク内に設置された電気式のものが主流となっています。このタイプの燃料ポンプは、エンジンコンピューターからの信号によって動作し、常に一定の燃料圧力を維持することで、エンジンの燃焼効率を最適化しています。また、燃料の噴射量やタイミングを精密に制御することで、排気ガス中の有害物質の排出量を大幅に削減することが可能となっています。