クルマの寿命を左右する「耐食性」とは?

クルマの寿命を左右する「耐食性」とは?

車を知りたい

先生、「耐食性」ってどういう意味ですか? 車のボディに関係あるって聞いたんですけど…

自動車研究家

いい質問だね! 「耐食性」っていうのは、簡単に言うと「錆びにくさ」のことだよ。 車のボディは金属でできているから、雨風にさらされると錆びてしまうんだ。だから、錆びないようにするための工夫が必要になるんだよ。

車を知りたい

なるほど!じゃあ、どんな工夫がされているんですか?

自動車研究家

色々あるんだけど、例えば、ボディに塗装をしたり、錆びにくい金属を使ったりするんだ。 他にも、わざと錆びやすい金属を使って、ボディ本体を守ったりする方法もあるんだよ!

耐食性とは。

自動車用語の「耐食性」とは、錆や腐食に対する強さを表す言葉で、「防錆性」と同じ意味です。車のボディシェルは、錆を防いで美観を保つために、電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装といった複数の塗装層で覆われています。その他にも、本体を守るために犠牲腐食を起こさせたり、酸化膜で覆ったりする方法で耐食性を高めています。車が錆びると、板厚が減ったり、穴が開いたりします。板厚が減少すると、車の耐久強度、大荷重強度、衝突安全性、剛性、振動、騒音などが悪化します。また、穴が開くと、水、外気、排気ガス、埃、砂、音などが車内に侵入する原因になります。

車の敵!錆とは?

車の敵!錆とは?

愛車を長く、そして安全に乗り続ける上で欠かせないのが「耐食性」です。 耐食性とは、読んで字のごとく「腐食に耐える性質」のこと。 車における腐食の大敵といえば、そう、「錆」です。

錆とは、金属の表面が空気中の酸素や水分と化学反応を起こし、酸化鉄になる現象のこと。 鉄サビはもろく、強度が低下するため、放置するとボディに穴が開くなど、深刻なダメージに繋がります。

ボディの防錆対策:多層塗装の役割

ボディの防錆対策:多層塗装の役割

クルマのボディは、常に雨風や紫外線、そして飛び石などの外的ダメージにさらされています。特に金属部分は、これらの影響を受けて錆が発生しやすく、放置すると腐食が進んで強度が低下してしまうことも。そこで重要な役割を果たすのが「防錆対策」です。

現代のクルマのボディは、多層構造の塗装によって錆から守られています。まず金属の表面には、密着性を高めるための下塗り塗料が塗布されます。その上に、防錆効果の高い電着塗装を施し、さらに鮮やかな発色や光沢を出す中塗り塗料、紫外線や傷から守る上塗り塗料と、いくつもの層を重ねていくことで、長期間にわたってボディを錆から保護するのです。

見えないところで活躍する犠牲腐食と酸化皮膜

見えないところで活躍する犠牲腐食と酸化皮膜

クルマのボディは、常に雨風や紫外線、そして走行中の飛び石など、過酷な環境にさらされています。それらの外的要因からボディを守り、美観と強度を保つために重要な役割を果たしているのが「耐食性」です。

耐食性が高いほど、クルマは錆びにくく、長く乗り続けることができます。では、この耐食性を支える技術にはどのようなものがあるのでしょうか?

その一つに、「犠牲腐食」と呼ばれる現象を利用した方法があります。これは、鉄よりもイオン化傾向の高い金属(亜鉛やアルミニウムなど)をボディに用いることで、鉄自身が錆びるのを防ぐというものです。

例えば、亜鉛メッキが施された鉄板の場合、亜鉛が先に腐食することで鉄を守ります。これは、亜鉛が鉄よりも先に錆びる性質を持つためです。まるで自分が犠牲になって鉄を守っているように見えることから、「犠牲腐食」と呼ばれています。

また、もう一つの重要な要素として「酸化皮膜」があります。これは、金属の表面に形成される薄い酸化物の層のことです。

酸化と聞くと、金属が錆びていくネガティブなイメージを持つかもしれません。しかし、この酸化皮膜は、金属本体を保護する役割を果たします。例えば、アルミニウムは空気中の酸素と反応して、表面に強固な酸化皮膜を形成します。

このように、目に見えないところで活躍する犠牲腐食や酸化皮膜は、クルマの寿命を延ばすために重要な役割を担っています。

錆による車の劣化:板厚減少がもたらすリスク

錆による車の劣化:板厚減少がもたらすリスク

車は、日々、雨や風、紫外線、そして走行中の飛び石など、過酷な環境にさらされています。特に、目に見えない場所でも進行する「錆」は、車の寿命を縮める大きな原因となります。

錆は、金属の表面が空気中の酸素や水分と反応することで発生する腐食現象です。車の場合、ボディはもちろんのこと、フレームやサスペンションなど、重要な構造部にも鉄が使われているため、錆の発生は深刻な問題を引き起こします。

錆によって金属の板厚が減少すると、車の強度が低下し、事故時の安全性に大きく影響します。薄い鉄板は、衝突時の衝撃を十分に吸収できず、車体の変形が大きくなり、乗員が深刻な怪我を負うリスクが高まります。また、錆が進行した部分は、見た目に悪いだけでなく、修理費用も高額になりがちです。

そのため、日頃から車の錆対策を意識し、定期的な点検やメンテナンスを行うことが大切です。

穴あきによる深刻な影響:浸入を防ぐ重要性

穴あきによる深刻な影響:浸入を防ぐ重要性

クルマのボディに発生する錆は、見た目を損なうだけでなく、安全性や寿命にも大きな影響を与えます。特に深刻なのが、錆による穴あきです。 一度穴が開いてしまうと、そこから雨水や泥水が浸入し、内部の腐食が急速に進んでしまいます。 こうなると、修理には高額な費用がかかり、最悪の場合、車両の買い替えを余儀なくされることも。 錆による穴あきを防ぐためには、日頃からこまめな洗車や防錆処理など、適切なメンテナンスを行うことが重要です。

タイトルとURLをコピーしました