自動車部品製造の基礎知識|ドロー型とは

自動車部品製造の基礎知識|ドロー型とは

車を知りたい

先生、「ドロー型」って単語が出てきたのですが、どんな型のことか教えてください。

自動車研究家

「ドロー型」は、自動車のボディのような複雑な形状の部品を作るための型のことだよ。材料を引っ張って伸ばしながら成形する「ドロー加工」に使う型だからそう呼ばれているんだ。

車を知りたい

引っ張って伸ばしながら成形するんですね。どんな部品に使われているんですか?

自動車研究家

自動車のボディパネルはもちろん、ドアやボンネット、フェンダーなど、いろいろな部分に使われているよ。複雑な形状の部品を作るのに欠かせない型なんだ。

ドロー型とは。

自動車業界で使われる「ドロー型」とは、材料を引っ張って成形する「ドロー加工」に使う型のことを指します。この型は、ダイ、パンチ、ブランクホルダーの3つの部品で構成されています。ドロー型は、成形方法によって「ダブルアクションプレス用ドロー型」と「クッションドロー型」の2種類に大きく分けられます。ダブルアクションプレス用ドロー型は、上下2つのスライドを持つプレス機で使われ、クッションドロー型は、プレス機のダイクッション装置を利用して成形を行います。

ドロー型とは何か?

ドロー型とは何か?

ドロー型とは、金属板を強い力でプレス機にかけ、製品の形に成形する際に用いられる金型のことです。主に自動車のボディー部品製造などに用いられ、複雑な形状を高い精度で作り出すことができます。この型は、製品の表面の形状を精密に再現した「雄型」と、その雄型に嵌合する「雌型」の2つで一対となっており、この2つの型で金属板を挟み込み、プレスすることで目的の形状を成形していきます。

ドロー型の構成要素:ダイ、パンチ、ブランクホルダー

ドロー型の構成要素:ダイ、パンチ、ブランクホルダー

ドロー型は、プレス加工を用いて金属板を三次元形状に成形する際に使用される金型の一種です。その中でも、ダイ、パンチ、ブランクホルダーはドロー型の主要な構成要素であり、それぞれの役割を理解することが高精度な部品製造には不可欠です。

まず、ダイは、プレス機に固定され、材料を成形する型となります。製品の最終形状を決定づける重要な部分であり、その形状は製品によって様々です。次に、パンチは、ダイに挿入され、材料を押し込む役割を担います。ダイとパンチの隙間で材料が変形し、目的の形状が作られます。最後に、ブランクホルダーは、材料のしわやズレを抑え、安定した成形を補助する役割を担います。

これらの構成要素が組み合わさり、複雑な形状の自動車部品が製造されます。それぞれの役割と連携を理解することで、ドロー型を用いたプレス加工の精度と効率を向上させることができます。

ダブルアクションプレス用ドロー型の特徴と用途

ダブルアクションプレス用ドロー型の特徴と用途

– ダブルアクションプレス用ドロー型の特徴と用途

ダブルアクションプレス用ドロー型は、その名の通りダブルアクションプレスで使用される金型で、主に複雑な形状の深絞り加工に適しています。

ダブルアクションプレスは、プレス機の上昇と下降の動きを2つのスライドで行うことで、より精密な制御を可能にしたプレス機です。

1つ目のスライドでブランクホルダーにより材料を固定し、2つ目のスライドでパンチを下降させて成形を行うため、深い形状や複雑な形状の加工でも、しわや破断を抑えながら高精度な製品を製造できます。

自動車部品では、ドアパネルやルーフパネル、燃料タンク、エンジンオイルパンなど、複雑な形状で高い強度が求められる部品の製造に広く採用されています。

特に、近年では、軽量化や衝突安全性向上のために、より複雑な形状の高強度鋼板の加工ニーズが高まっており、ダブルアクションプレス用ドロー型の重要性はますます高まっています

クッションドロー型の特徴と用途

クッションドロー型の特徴と用途

クッションドロー型は、従来のドロー型にクッション機能を付加した金型です。このクッション機能により、成形時の材料の伸びを制御し、形状精度や寸法精度を向上させることができます。

従来のドロー型では、複雑な形状を成形する際に材料が過度に伸びてしまい、シワや割れの発生が課題となるケースがありました。クッションドロー型は、クッション材の反発力によって材料の伸びを抑制することで、これらの問題を解決します。

そのため、クッションドロー型は、複雑な形状で高い精度が求められる自動車部品の製造に適しています。具体的には、ドアパネルやフェンダー、ルーフパネルなどの外板部品、燃料タンクやオイルパンなどの深絞り部品などに用いられます。

クッションドロー型は、従来のドロー型よりも高精度な成形が可能となる反面、金型構造が複雑になるため、設計や製作の難易度が高くなるという側面もあります。しかし、近年では、CAD/CAM技術や加工技術の進歩により、クッションドロー型の設計・製作も容易になってきています。

自動車産業におけるドロー型の重要性

自動車産業におけるドロー型の重要性

自動車のボディやエンジン部品など、複雑な形状をした部品を作る際に欠かせないのが「ドロー型」です。 ドロー型とは、金属板を押し当てて製品の形に成形するための金型で、自動車産業においては特に重要な役割を担っています。

なぜなら、ドロー型は、自動車の軽量化、強度向上、デザインの自由度向上に大きく貢献するからです。 車体の軽量化は燃費向上に繋がり、環境負荷の低減に貢献します。また、強度を保ちながら複雑な形状を成形することで、デザイン性と安全性を両立させることが可能になります。

このように、ドロー型は自動車産業において欠かせない技術であり、自動車の進化を支える重要な要素の一つと言えるでしょう。

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