クルマの進化！コンポジットプロペラシャフトとは？
車を知りたい
先生、コンポジットプロペラシャフトって、普通のプロペラシャフトと比べてどんなメリットがあるんですか？
自動車研究家
いい質問だね！コンポジットプロペラシャフトは、従来の鉄パイプ製のものと比べて、軽くて強いのが特徴なんだ。具体的には、約50%も軽量化された例もあるんだよ。
車を知りたい
そんなに軽くなるんですか！軽いと、車にとってどんな良いことがあるんですか？
自動車研究家
軽量化すると、燃費が向上したり、加速性能がアップしたりするんだ。それに、コンポジットプロペラシャフトは強度も高いから、安全性も向上するんだよ。
コンポジットプロペラシャフトとは。
「コンポジットプロペラシャフト」とは、車の部品であるプロペラシャフトを、従来の鉄ではなく複合材で作製したものです。鉄製のものを複合材に置き換えることで、最大で約50%の軽量化を実現できます。多くの場合、強靭な炭素繊維をエポキシ樹脂などで固めてパイプ状に成形し、強度を高めるために繊維の向きを調整しています。軽くなったことで危険回転数を上げることができ、部品の数を減らせるため、3つのジョイントを2つに減らすことも可能です。また、前面衝突時にプロペラシャフトが壊れることで衝撃を吸収する目的でも使用されます。複合材は鉄よりも高価ですが、部品の数を減らすことでコスト削減になる場合もあります。
プロペラシャフトの役割とは？
クルマを動かすために欠かせない「プロペラシャフト」。エンジンが生み出すパワーを車輪に伝えるという、重要な役割を担っています。
車を前から見た時に、エンジン、ミッション、プロペラシャフト、デファレンシャル、駆動輪の順に配置されているのが一般的です。プロペラシャフトは、ミッションとデファレンシャルの間を繋ぎ、回転運動を伝達する役割を担います。
FF車のようにエンジンと駆動輪が近い場合はプロペラシャフトは必要ありませんが、FR車や4WD車のようにエンジンと駆動輪が離れている場合は、プロペラシャフトが不可欠となるのです。
コンポジットプロペラシャフトの仕組み
従来のプロペラシャフトは、主にスチールなどの金属で作られていました。しかし、コンポジットプロペラシャフトは、炭素繊維強化プラスチック（CFRP）などの軽量な複合材料を主な素材としています。 CFRPは、鉄の約4分の1の軽さでありながら、約10倍の強度を持つなど、優れた特性を持っています。
コンポジットプロペラシャフトは、このCFRPを軸となるパイプ状の部分に用い、両端に金属製のヨークと呼ばれる部品を接合して作られます。ヨークは、トランスミッションやデファレンシャルといった駆動系とプロペラシャフトを接続する役割を担っています。
このように、軽量で高強度なCFRPと、接続部分に必要な強度を持つ金属を組み合わせることで、コンポジットプロペラシャフトは、従来のスチール製プロペラシャフトに比べて大幅な軽量化と、高い動力伝達性能を両立させているのです。
軽量化によるメリット
自動車の進化において、燃費向上は常に重要なテーマです。 コンポジットプロペラシャフトは、従来の鉄製のものと比べて大幅な軽量化を実現し、燃費向上に大きく貢献しています。 車体が軽くなることで加速性能やハンドリング性能も向上し、より快適でスポーティな走りを楽しむことができます。また、燃費が向上することで、環境への負荷を軽減することにも繋がります。
安全性向上への貢献
コンポジットプロペラシャフトは、その軽量性から、衝突時の車両挙動にも良い影響を与えます。 従来のスチール製プロペラシャフトと比較して、コンポジット製は大幅な軽量化が可能です。これは、衝突時に車体が受ける衝撃を軽減し、乗員の安全性向上に寄与します。また、コンポジット材料は、衝撃エネルギーを吸収する特性も持ち合わせているため、衝突時の衝撃を和らげ、被害を最小限に抑える効果も期待できます。
今後の展望
コンポジットプロペラシャフトは、従来の金属製シャフトに比べて軽量かつ高強度という特性を持つため、燃費向上やEVの航続距離延長に大きく貢献すると期待されています。 今後、自動車業界全体でさらなる軽量化への取り組みが進む中で、コンポジット材料の採用はますます広がっていくと考えられます。 特に、高性能スポーツカーや高級車から普及が始まり、将来的にはより幅広い車種に搭載されるようになる可能性を秘めています。 また、製造コストの低減やリサイクル性の向上など、克服すべき課題も残されていますが、今後の技術革新によってコンポジットプロペラシャフトは自動車産業の進化を牽引する重要な技術となるでしょう。