クルマの心臓を守る!クランクシャフトねじり振動とは?
車を知りたい
先生、クランクシャフトのねじり振動って、クランクシャフトがねじれるように振動することですよね?でも、なんでそんな振動が起こるんですか?
自動車研究家
良い質問ですね。クランクシャフトはエンジンの中でピストンが上下する力を回転力に変える重要な部品ですが、この時、ピストンから断続的な力が加わるため、クランクシャフト自体もねじれるように振動してしまうんです。これがねじり振動です。
車を知りたい
断続的な力なんですか?
自動車研究家
そうです。エンジンは爆発を繰り返して動いていますが、この爆発力は常に一定ではなく、爆発の度にクランクシャフトに衝撃が加わるようなイメージです。この衝撃がねじり振動を引き起こす原因の一つとなっています。
クランクシャフトのねじり振動とは。
自動車用語の「クランクシャフトのねじり振動」とは、クランクシャフトに発生するねじれ振動のことです。クランクシャフトは回転トルクが断続的に加わるため、ねじれ振動が発生しやすくなっています。さらに、クランクシャフト自身の質量と弾性によって固有振動数が決まっており、外部からの振動とこの固有振動数が共振すると、激しいねじれ振動が発生します。この激しいねじれ振動が、クランクシャフトの折損の原因となることがあります。
エンジンパワーの要!クランクシャフトの役割
自動車のエンジンルームに鎮座する、複雑な形状をした金属の塊。それがクランクシャフトです。一見すると何をしているのか分かりづらいパーツですが、実はエンジンの動力を車輪に伝えるという、非常に重要な役割を担っています。
エンジン内部でピストンが上下運動する際に発生する力を、クランクシャフトは回転運動に変換します。この回転力が、ミッションやプロペラシャフト、デファレンシャルギアといった駆動系のパーツを介してタイヤへと伝わり、車は走ることができるのです。
まさにエンジンパワーの要といえるクランクシャフト。しかし、過酷な環境下で常に稼働し続けるため、様々な負荷にさらされています。その中でも特に注意が必要なのが、「ねじり振動」と呼ばれる現象です。
回転運動の敵!ねじり振動の発生メカニズム
エンジン内部で回転運動を担うクランクシャフトは、実は常にねじれの力にさらされています。 ピストンが上下運動する際、その力はコンロッドを介してクランクシャフトに伝達されます。しかし、この力は一定ではなく、爆発のたびに強弱が生じます。 この時、クランクシャフトはまるで鞭のように「しなり」ながら回転することになり、これがねじり振動と呼ばれる現象です。
共振現象:ねじり振動を増幅させる危険因子
エンジン内部で発生するねじり振動は、常に一定のレベルに留まっているわけではありません。状況によっては、振動の周波数がエンジンやその部品の固有振動数と一致してしまうことがあります。この現象を「共振」と呼び、共振が発生すると振動のエネルギーが急激に増幅され、クランクシャフトをはじめとするエンジン部品に深刻なダメージを与えかねません。
例えるならば、ブランコに乗っている人を想像してみてください。軽く押すだけでも、タイミングが合えばブランコは大きく揺れますよね?これはブランコの揺れと押す力が共振しているからです。
クランクシャフトのねじり振動においても、共振は大きな問題となります。共振を防ぐためには、エンジンの設計段階でねじり振動の特性を把握し、ダンパーなどの部品を用いて振動を適切に抑制する必要があります。
クランクシャフト折損:ねじり振動がもたらすリスク
エンジン内部でピストン運動を回転運動に変換する重要な役割を担うクランクシャフト。 このクランクシャフトは、常にねじれるような振動「ねじり振動」を受けています。 ねじり振動は、エンジンの回転速度や負荷変動などによって発生し、過剰になるとクランクシャフトに疲労破壊を引き起こし、最悪の場合には折損に至ることがあります。 クランクシャフトの折損は、エンジンが完全に停止してしまう重大なトラブルであり、多大な修理費用や時間を要することになります。そのため、ねじり振動がもたらすリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
ねじり振動からエンジンを守る!対策技術
エンジン内部で発生するねじり振動は、放っておくとクランクシャフトの破損など、深刻なダメージに繋がります。そこで重要になるのが、ねじり振動を抑制するための様々な対策技術です。
その代表例として挙げられるのが、ダンパーと呼ばれる部品です。ダンパーは、振動エネルギーを吸収し、振動の増幅を抑える役割を担っています。クランクプーリー内部に組み込まれた「クランクシャフトダンパー」や、フライホイールに組み込まれた「デュアルマスフライホイール」など、様々な種類が存在します。
その他にも、エンジンマウントの材質や取り付け方を工夫することで、車体への振動伝達を抑制する対策も取られています。これらの技術により、エンジンの耐久性向上だけでなく、快適な乗り心地の実現にも貢献しているのです。