リンケージ型パワステ:大型車から姿を消した理由

リンケージ型パワステ:大型車から姿を消した理由

車を知りたい

先生、「リンケージ型パワーステアリング」って、どういう仕組みなんですか? 大型車によく使われていたって書いてあるけど、今はあまり使われていないんですか?

自動車研究家

いい質問だね! リンケージ型パワーステアリングは、ハンドル操作を油圧で補助する仕組みで、特に昔の大型車によく使われていたんだ。構造としては、油圧ポンプ、コントロールバルブ、油圧シリンダーなどが別々に配置されていて、それらをリンケージで繋いでいるんだよ。だから「リンケージ型」って呼ばれているんだね。

車を知りたい

なるほど。でも、今はあまり使われていないんですよね?

自動車研究家

そうなんだ。リンケージ型は構造が複雑で部品点数も多いから、コストがかかってしまう。1960年代半ばから、よりシンプルで小型化できる「インテグラル型」が開発されて、今ではほとんどの車がインテグラル型になっているんだよ。

リンケージ型パワーステアリングとは。

「リンケージ型パワーステアリング」とは、主に大型車で使用されていたパワーステアリング方式の一つです。生産台数の少ない大型車では、車種ごとに構造が異なるため、インテグラル型パワーステアリングギヤボックスはコストがかかりすぎる問題がありました。また、大型車は高い操舵力が求められるため、ギヤボックス一体型の構造ではスペースの制約も受けやすかったです。そこで、リンケージ型パワーステアリングが主流となりました。

リンケージ型では、ハンドル操作を補助するため、タイロッドまたはドラッグリンクに複動型油圧シリンダーを平行に配置し、ボールジョイントで接続します。運転操作によりギヤボックスから出力された力は、ドラッグリンクを通じて油圧倍力装置のコントロールバルブに伝わります。この動きによってコントロールバルブが開き、ポンプからの油圧がシリンダーの左右どちらかの室に送られ、操舵をアシストします。ハンドル操作をしていない状態では、左右の室を油圧が循環するだけで、力は発生しません。

しかし1960年代半ば以降、中型・大型トラック向けにインテグラル型の開発が進み、より構造がシンプルなインテグラル型が主流となっていきました。現在では、一部の大型車を除き、リンケージ型はあまり使われていません。

リンケージ型パワーステアリングとは?

リンケージ型パワーステアリングとは?

自動車の操舵を補助するパワーステアリングには、いくつかの種類が存在します。その中でも、かつて大型車に多く採用されていたのが「リンケージ型パワーステアリング」です。この方式は、油圧を利用してステアリング操作を補助する点では現在の主流である油圧式パワーステアリングと共通していますが、その構造や作動原理は大きく異なります。具体的には、ステアリングホイールとタイヤを繋ぐ機構に油圧シリンダーを組み込み、運転操作を油圧でアシストする仕組みとなっています。

大型車における採用理由:コストと高倍力への対応

大型車における採用理由:コストと高倍力への対応

大型車は、その車重から、ハンドル操作を人力のみで行うことが非常に困難です。そこで、油圧を利用して運転手のハンドル操作を補助するパワーステアリングが必須となります。パワーステアリングにはいくつかの種類がありますが、かつて大型車では「リンケージ型」と呼ばれる方式が主流でした。リンケージ型は、構造が比較的単純で製造コストが低く抑えられるというメリットがあり、大量生産される大型車に適していました。また、油圧を効率的に利用できるため、大型車に必要な高い倍力を得るのにも適していました。これらの理由から、リンケージ型パワステは長らく大型車の動力操舵システムとして採用され続けてきました。

リンケージ型パワステの仕組み:油圧シリンダーとコントロールバルブ

リンケージ型パワステの仕組み:油圧シリンダーとコントロールバルブ

リンケージ型パワーステアリングは、油圧を利用して操舵力を補助するシステムで、かつては大型車に広く採用されていました。その仕組みは、ステアリングホイールとギアボックスの間に配置された油圧シリンダーとコントロールバルブが中心となります。

ドライバーがステアリングホイールを回すと、その回転はコントロールバルブに伝達されます。コントロールバルブは、ステアリングの回転方向と角度に応じて、油圧ポンプから送られてくる油圧をシリンダーの左右どちらかに分配します。

シリンダーに油圧がかかることでピストンが動き、その力がギアボックスに伝達されてタイヤの向きが変わります。 油圧によるアシストがあるため、ドライバーはハンドル操作を軽く行うことができます。

インテグラル型パワステの登場と普及

インテグラル型パワステの登場と普及

油圧パワーステアリングの進化の歴史において、インテグラル型パワーステアリングの登場は大きな転換点となりました。従来のリンケージ型に比べ、インテグラル型はパワーステアリング機構をエンジンルーム内に収めることで、省スペース化、部品点数の削減、整備性の向上を実現しました。この結果、小型車だけでなく、大型車にも搭載が可能となり、その普及を大きく後押ししました。特に、大型車にとって、従来のリンケージ型では対応が難しかった、操舵力の軽減と燃費向上といったメリットは大きく、インテグラル型への移行が急速に進みました。

リンケージ型パワステの終焉:時代の流れ

リンケージ型パワステの終焉:時代の流れ

かつて大型車のパワーステアリングといえば、リンケージ型が主流でした。しかし、近年ではその姿を見ることはほとんどなくなりました。技術の進化とともに、リンケージ型パワステは、より高性能な油圧パワステや電動パワステに取って代わられていったのです。 特に、油圧パワステの登場は、リンケージ型パワステの終焉を決定づけるものでした。 油圧パワステは、リンケージ型よりも小型軽量で、よりパワフルな操舵力を実現できたため、大型車にとって大きなメリットとなりました。さらに、油圧パワステは、路面からの振動を吸収する効果もあり、運転の快適性向上にも貢献しました。 このように、時代の流れとともに、リンケージ型パワステは大型車にとってその役目を終えていったのです。

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