ヒステリシス

機能に関する用語

ブレーキの効きとヒステリシス

ブレーキシステムにおいて、ヒステリシスは重要な役割を果たしています。ヒステリシスとは、簡単に言うと、ブレーキペダルの踏み込み量に対するブレーキ力の発生量が、踏み込む時と戻す時で異なる現象を指します。 例えば、同じペダル量だけ踏み込んだ場合でも、踏み込む時よりも戻す時の方がブレーキ力が弱くなる現象がヒステリシスの一例です。これは、ブレーキシステムの構成部品であるディスク、パッド、キャリパー、油圧系統などが、完全な剛体ではなく、わずかながら変形したり、摩擦や遊びが存在するために起こります。 このヒステリシス特性は、ブレーキのフィーリングに大きく影響を与えます。 ヒステリシスが大きすぎると、ブレーキの効き始めが分かりにくくなったり、コントロールが難しく感じることがあります。逆に、ヒステリシスが小さすぎると、ブレーキの効きが急になりがちで、滑らかさに欠けるフィーリングになる可能性があります。 そのため、自動車メーカーは、ブレーキシステムの設計段階で、ヒステリシスの量を最適化し、ドライバーにとって自然でコントロールしやすいブレーキフィーリングを実現するよう努めています。
駆動系に関する用語

快適な走りを実現する「クラッチディスクヒステリシス」

自動車の滑らかな発進や加速には、エンジンとトランスミッションを繋ぐクラッチが欠かせません。その中でも、クラッチディスクは重要な役割を担っています。 クラッチディスクは、摩擦材と呼ばれる特殊な素材で覆われており、エンジンの回転力をトランスミッションに伝達したり、切断したりする役割を果たします。 エンジン出力の伝達という重要な役割に加え、クラッチディスクは、シフトチェンジ時の衝撃吸収という重要な役割も担っています。これにより、スムーズな変速と快適な乗り心地を実現しています。