エンジンに関する用語 幻の吸気機構 スライドバルブの栄光と挫折
- スライドバルブとは? その仕組みと利点
エンジンにとって、いかに効率よく空気を取り込み、燃焼させ、排気するか? この課題に取り組む中で、様々な技術が開発されてきました。その中でも、一時代を築きながらも、現在は姿を消してしまった幻の技術が存在します。それが、「スライドバルブ」です。
一般的なエンジンでは「ポペットバルブ」というキノコのような形のバルブが使われていますが、スライドバルブは名前の通り、シリンダーと吸排気ポートの間を「スライド」して、空気の通り道を切り替える機構です。
このスライドバルブ、ポペットバルブと比べて構造がシンプルであるため、高回転化や軽量化、製造コストの削減といったメリットがありました。 しかし、密閉性の確保や耐久性といった面で課題を抱えており、技術の進歩とともに主流の座から姿を消していきました。
