エンジン回転数感応式パワステとは?仕組みとメリット・デメリット
車を知りたい
先生、「エンジン回転数感応式パワーステアリング」って、どんな仕組みなんですか?
自動車研究家
良い質問だね! エンジン回転数感応式パワーステアリングは、エンジンの回転数に応じてハンドル操作の重さを変える仕組みなんだ。エンジン回転数が高いときは軽く、低いときは重くなるように調整されるよ。
車を知りたい
へえ〜。でも、どうして回転数で変える必要があるんですか?
自動車研究家
それはね、車を運転する時の状況に合わせて、ハンドルの操作性を良くするためなんだ。例えば、駐車する時など低速時はハンドル操作が重いと安定するし、高速走行時は軽い方が楽に運転できるよね?
エンジン回転数感応式パワーステアリングとは。
「エンジン回転数感応式パワーステアリング」は、エンジンと油圧ポンプが機械的に繋がっているパワーステアリングシステムに採用されている技術です。エンジンの回転数に合わせて油圧を調整することで、ハンドルのアシスト力が急に変動するのを抑えます。仕組みとしてはシンプルですが、車速ではなくエンジン回転数に基づいて制御されるため、アクセルを強く踏み込んだ時など、車速とエンジン回転数が一致しない状況では、ハンドルが重くなってしまうことがあります。
エンジン回転数感応式パワーステアリングの仕組み
エンジン回転数感応式パワーステアリングは、その名の通り、エンジンの回転数に応じてパワーステアリングの補助力を変化させる仕組みです。具体的には、エンジン回転数が低いとき、例えば停車時や低速走行時にはパワステの補助力を強め、ハンドル操作を軽くします。反対に、エンジン回転数が高いとき、例えば高速走行時にはパワステの補助力を弱め、路面からの情報がハンドルに伝わりやすくなるよう設計されています。
この制御を行うために、エンジン回転数を検知するセンサーと、パワステの油圧を調整するバルブが用いられています。エンジン回転数が変化すると、センサーがそれを検知し、バルブに信号を送ります。信号を受けたバルブは、油圧を調整することでパワステの補助力を変化させます。
メリット:シンプル構造で低コスト
エンジン回転数感応式パワステは、そのシンプルな構造から、製造コストが低いというメリットがあります。油圧ポンプをエンジンで直接駆動するため、複雑な制御システムや高価な部品が不要となるためです。このため、車両価格を抑えたいコンパクトカーや軽自動車などに広く採用されてきました。
デメリット1:車速とのずれによる違和感
エンジン回転数感応式パワステのデメリットの一つに、車速とのずれによる違和感があります。 このタイプのパワステはエンジン回転数を基準にアシスト量を調整するため、実際の走行速度とパワステの効き具合が一致しない場合があります。 例えば、上り坂などでエンジン回転数が上がっている場合は、停車時や低速走行時でもハンドルが軽くなってしまい、逆に下り坂などでエンジン回転数が低い場合は、高速走行時でもハンドルが重く感じてしまうことがあります。 このような状況下では、ドライバーは違和感を感じ、スムーズな運転操作を阻害される可能性があります。 特に、運転に不慣れなドライバーにとっては、この違和感が運転の不安定さに繋がってしまう可能性も考えられます。
デメリット2:燃費性能への影響
エンジン回転数感応式パワステは、燃費性能の面では、常に作動している油圧式パワステと比較して有利です。しかし、電動パワステと比べると、燃費性能で劣る可能性があります。これは、エンジン回転数に応じて油圧ポンプを作動させるため、電動パワステのように必要な時だけ作動させる場合と比べて、エンジンの負荷が大きくなるためです。
ただし、燃費性能への影響は、車両の設計や運転状況によって大きく異なり、一概に断言することはできません。近年では、より燃費性能を高めたエンジン回転数感応式パワステも開発されています。
まとめ:進化するパワステ技術
パワーステアリングは、運転操作を快適にする上で欠かせない技術となり、時代と共に進化を遂げてきました。かつて主流であった油圧式に代わり、燃費向上効果の高い電動式が登場し、現在ではさらに制御の細分化が進んでいます。
本記事で解説したエンジン回転数感応式パワステも、電動パワステの一種であり、状況に応じたきめ細やかなアシストを実現しています。これにより、快適なハンドリングと燃費性能の両立が可能になりました。
パワステ技術の進化は、安全性や環境性能の向上にも貢献しています。運転の負担を軽減することで、ドライバーの疲労を抑制し、安全運転をサポートする効果も期待できます。また、燃費向上はCO2排出量の削減にもつながり、環境保護にも貢献します。
このように、パワステは安全性・環境性能・快適性を高次元でバランスさせるために、今後も進化を続けていくでしょう。