乗り心地の秘密兵器!? たる形コイルスプリングとは

乗り心地の秘密兵器!? たる形コイルスプリングとは

車を知りたい

先生、「たる形コイルスプリング」って、どんなスプリングなんですか? 図で見ただけだと、コイルがただたるんでいるようにしか見えなくて、いまいち理解できません。

自動車研究家

なるほど。確かに、図だけだと分かりづらいかもしれませんね。たる形コイルスプリングは、コイルの中央部分が膨らんだ形をしていて、普通のスプリングとは違う、面白い特徴があるんですよ。例えば、車を想像してみて下さい。車が段差を乗り越えるとき、タイヤと車体の間にあるサスペンションが衝撃を吸収してくれますよね?

車を知りたい

はい、なんとなく分かります。サスペンションにスプリングが使われているんですよね?

自動車研究家

その通り!たる形コイルスプリングは、そのサスペンションに使われることがあります。普通のスプリングよりも、圧縮されると硬くなる性質を持っているので、車高を低くしたり、乗り心地を良くしたりするのに役立つんです。

たる形コイルスプリングとは。

自動車用語の「たる形コイルスプリング」とは、その名の通り、中央部分が膨らんだ樽のような形状をしたコイルスプリングです。これは非線形コイルばねの一種で、通常のばねとは異なる特性を持っています。

ばねを圧縮すると、線材間の隙間が狭い部分から順に線材同士が接触していきます。線材が接触した部分はばねとしての役割を果たさなくなるため、圧縮が進むにつれてばね全体が硬くなるという非線形的な特性を示します。

この形状の利点は、最大圧縮時のばねの高さを抑えられることです。そのため、サスペンションのスペースが限られている車や、トランクスペースを広く確保したい車などに採用されています。

さらに、設計次第では、最大圧縮時でも線材同士の接触部分を最小限に抑えることができ、よりコンパクトな設計が可能です。なお、コイルの上部を小さく、下部を大きくした円錐形のばねは「ピッグテール型」と呼ばれています。

たる形コイルスプリング:その形状と特徴

たる形コイルスプリング:その形状と特徴

自動車のサスペンションには、様々な種類のスプリングが使われていますが、その中でも近年注目を集めているのが「たる形コイルスプリング」です。名前の通り、中心部分が太く、両端に向かって徐々に細くなっていく、まるで酒樽のような形状をしているのが特徴です。

この独特な形状が、従来のコイルスプリングと比べて、よりしなやかで快適な乗り心地を実現する鍵となっています。一体どのようにして、たる形は快適な乗り心地を生み出すのでしょうか?

非線形ばね特性:線間接触が生み出す効果

非線形ばね特性:線間接触が生み出す効果

自動車のサスペンションにおいて、乗り心地の良さと操縦安定性を両立させることは永遠の課題と言えるでしょう。この難題に挑む一つの解決策として、近年注目を集めているのが「たる形コイルスプリング」です。

一般的なコイルスプリングは、円筒形をしていますが、たる形コイルスプリングはその名の通り、中央部分がたるんだ形状をしています。この独特な形状が、線間接触と呼ばれる現象を生み出し、非線形なばね特性を発揮することが、たる形コイルスプリング最大の特徴です。

線間接触とは、スプリングが圧縮される際に、コイル同士が接触する現象を指します。たる形コイルスプリングの場合、中央部の径が小さいため、比較的低い荷重で線間接触が発生します。線間接触が発生すると、ばね定数が変化し、小さな入力に対しては柔らかく、大きな入力に対しては硬くなるという、非線形なばね特性を示すようになります。

この非線形ばね特性により、たる形コイルスプリングは、路面の細かい凹凸による振動を効果的に吸収し、乗員に快適な乗り心地を提供します。一方、コーナリング時など、大きな力が加わる状況では、ばね定数が大きくなるため、車体のロールを抑え、優れた操縦安定性を確保することができます。

このように、たる形コイルスプリングは、線間接触による非線形ばね特性を活かすことで、乗り心地と操縦安定性を高い次元で両立させることが可能な、次世代のサスペンション技術として期待されています。

省スペース設計:車高を抑えるための工夫

省スペース設計:車高を抑えるための工夫

車高を低く抑えたいスポーツカーや、デザイン性を重視する車種にとって、サスペンション周りのスペース確保は悩みの種です。そこで活躍するのが、たる形コイルスプリングです。通常の円筒形コイルスプリングと比べて、上下のコイル径が異なるこのスプリングは、限られたスペースに効率的に配置することができます。これにより、車高を抑えながらも、快適な乗り心地を実現するための十分なサスペンションストロークを確保することが可能になります。

乗り心地への影響:硬さとストロークの関係

乗り心地への影響:硬さとストロークの関係

クルマの乗り心地を左右する要素の一つに、サスペンションの存在が挙げられます。そして、そのサスペンションの性能を大きく左右するのがコイルスプリングです。一口にコイルスプリングと言っても、実は様々な形状が存在します。その中でも、「たる形コイルスプリング」は、乗り心地の向上に大きく貢献する特殊な形状として知られています。

では、たる形コイルスプリングは、具体的にどのように乗り心地に影響するのでしょうか?それを理解するには、「スプリングの硬さ」と「ストローク量」の関係について理解する必要があります。

一般的に、スプリングが硬いと、路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地は硬くなります。逆に、スプリングが柔らかすぎると、車体がふらふらと不安定になりがちです。そこで重要になるのが、ストローク量です。

ストローク量とは、スプリングが伸び縮みできる量のこと。このストローク量が大きいほど、路面の凹凸を吸収しやすくなるため、乗り心地が良くなります。

たる形コイルスプリングは、中央部分を細くすることで、スプリング全体を柔らかく設計しつつ、十分なストローク量を確保することができます。つまり、路面の凹凸をしっかりと吸収しながら、安定した走行性能を実現できるのです。

たる形コイルスプリングの未来:進化と可能性

たる形コイルスプリングの未来:進化と可能性

たる形コイルスプリングは、その独特の形状から、従来のコイルスプリングよりも高い性能を引き出す可能性を秘めています。 例えば、素材や製造方法の進化によって、さらに軽量化・高強度化が実現すると期待されています。また、コンピューターシミュレーション技術の向上により、車両の特性に合わせた最適な形状の設計が容易になるでしょう。

これらの進化は、乗り心地の向上だけでなく、燃費向上や環境負荷低減にも貢献すると考えられます。たる形コイルスプリングは、これからの自動車業界において、重要な役割を担う可能性を秘めていると言えるでしょう。

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