クルマの心臓部を支える「スピードデンシティ方式」とは?

クルマの心臓部を支える「スピードデンシティ方式」とは?

車を知りたい

先生、「スピードデンシティ方式」って、結局どういう仕組みなんですか?説明を読んでも、難しくてよく分かりません。

自動車研究家

そうか、難しかったね。簡単に言うと、エンジンが吸い込む空気の量を測って、それに合わせて燃料の量を決める方式だよ。空気の量が多い時は燃料も多く、少ない時は燃料も少なくするんだ。

車を知りたい

なるほど。空気の量が多い時って、例えばどんな時ですか?

自動車研究家

例えば、アクセルを強く踏んでエンジンの回転数を上げるときだね。回転数が上がると、より多くの空気を吸い込むから、燃料も多く噴射する必要があるんだ。

スピードデンシティ方式とは。

自動車用語の「スピードデンシティ方式」とは、エンジンの回転速度と吸入空気の重さから、燃料噴射量を調整する電子制御式燃料噴射装置の仕組みのことです。具体的には、エアフローメーターなどで吸入空気の量を測定し、温度変化などを考慮して正確な空気量を計算することで、最適な燃料噴射量を決めています。ほとんどの市販車はこの方式を採用しており、吸入空気の重さを計測することから「マスフロー方式」とも呼ばれます。一方、エンジンの回転速度とアクセルの踏み込み量から燃料噴射量を決める「α-N方式」という方法もあります。

エンジン制御の要!燃料噴射方式とは

エンジン制御の要!燃料噴射方式とは

自動車の心臓部であるエンジン。その性能を最大限に引き出し、スムーズな走りを支えているのが燃料噴射システムです。
燃料噴射システムは、エンジン内部の燃焼室へ適切な量の燃料を、最適なタイミングで送り込む役割を担っています。
この燃料噴射システムにはいくつかの種類が存在しますが、その中でも主流となっているのが「スピードデンシティ方式」と呼ばれる方式です。

スピードデンシティ方式の仕組みを解説

スピードデンシティ方式の仕組みを解説

スピードデンシティ方式は、燃料噴射量を制御するシステムです。従来の吸入空気量で燃料噴射量を決める方式とは異なり、エンジン回転数と吸気管内圧力からエンジンの負荷状態を計算し、最適な燃料噴射量を決定します。

具体的には、まずエンジン回転数を検出します。次に、吸気管内圧力センサーを用いて吸気管内の圧力を測定します。これらの情報と、あらかじめ設定されたマップを照らし合わせることで、エンジンの負荷状態を推定します。そして、その負荷状態に応じた最適な燃料噴射量を計算し、インジェクターに指示を出して燃料を噴射します。

この方式のメリットは、高精度な燃料噴射制御が可能になることです。従来の方式では、吸入空気量の変動によって燃料噴射量が影響を受けやすく、正確な制御が難しかったという課題がありました。しかし、スピードデンシティ方式では、吸気管内圧力も加味することで、より正確にエンジンの負荷状態を把握できるため、最適な燃料噴射量を実現できます。その結果、燃費の向上、排ガス浄化、出力向上などに貢献します。

空気の重さを測る?マスフロー方式との関係

空気の重さを測る?マスフロー方式との関係

エンジンが効率よく動くためには、ガソリンと空気の混合比率を適切に保つことが重要です。そのために、吸入する空気量を正確に測定する必要があります。「スピードデンシティ方式」は、空気の“速さ”と“密度”から空気量を算出する方式です。

一方、空気の“重さ”を直接測定する方法に「マスフロー方式」があります。こちらは、センサーに流入する空気の質量を測定することで、より直接的に空気量を把握できます。

スピードデンシティ方式とマスフロー方式は、どちらも空気量測定の重要な手法ですが、測定方法や精度、コストなどに違いがあります。近年では、より高精度な制御が求められるようになり、マスフロー方式が主流になりつつあります。しかし、スピードデンシティ方式も、コストパフォーマンスの高さから、依然として多くの車種で採用されています。

スピードデンシティ方式のメリット・デメリット

スピードデンシティ方式のメリット・デメリット

スピードデンシティ方式は、エンジンの回転数と吸入空気量から燃料噴射量を制御する、自動車のエンジン制御における重要な技術です。

メリットとしては、シンプルな構造であるため、システムの低コスト化や小型化を実現できる点が挙げられます。また、制御が比較的容易であるため、開発期間の短縮にも繋がります。さらに、応答性が高く、エンジンの回転変化に対して素早く燃料噴射量を調整できるため、キビキビとした走りを体感できます。

一方で、デメリットとしては、吸入空気量以外の要素を考慮できないため、環境変化や走行条件によっては、燃費や排ガス性能が最適化されない場合があります。たとえば、外気温や標高の変化、エンジンの経年劣化などによって、吸入空気量が変化する場合があります。このような場合、スピードデンシティ方式だけでは正確な燃料噴射量が算出できないため、燃費の悪化や排ガス増加につながる可能性があります。

α-N方式との違いは?

α-N方式との違いは?

自動車のエンジンは、アクセル操作に応じて最適な量の燃料と空気の混合気を燃焼させることで、スムーズな加速と燃費効率を実現しています。この混合気の量を制御するのが、ECU(エンジンコントロールユニット)に搭載された燃料噴射システムです。

「スピードデンシティ方式」は、エンジンの回転数(スピード)と吸入空気量(デンシティ)から、必要な燃料噴射量を計算する方式です。アクセル開度を直接測定するわけではありませんが、回転数と吸入空気量という、より正確にエンジンの状態を反映するパラメータを用いることで、高精度な燃料制御を可能としています。

一方、「α-N方式」は、アクセル開度(α)とエンジン回転数(N)から燃料噴射量を決定する方式です。構造がシンプルでコストを抑えられるというメリットがある反面、吸入空気量の変化を直接的に捉えられないため、環境変化やエンジン個体差による影響を受けやすいという側面も持っています。

このように、スピードデンシティ方式とα-N方式は、燃料噴射量を決定するための要素と、その計算方法、そしてそれぞれが持つメリットとデメリットが異なります。

近年の自動車では、より精密な制御と環境性能の向上が求められることから、スピードデンシティ方式が主流になりつつあります。しかし、α-N方式もシンプルさとコスト面での優位性から、現在でも一部の車種で採用されています。

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