バイフューエルカーとは?:2つの燃料を使いこなす車の仕組み
車を知りたい
先生、「バイフューエルカー」ってどういう車のことですか?
自動車研究家
いい質問ですね! バイフューエルカーは、2種類の燃料を使える車のことです。例えば、ガソリンとアルコールの両方を使える車などがあります。
車を知りたい
へぇー!でも、なんで2種類の燃料を使う必要があるんですか?
自動車研究家
それは、アルコールや天然ガスなど、ガソリン以外の燃料を供給できる場所がまだ少ないからなんです。だから、普段はアルコールや天然ガスを使い、供給場所が少ない地域ではガソリンを使えるように、2種類の燃料を使えるようにしているんですよ。
バイフューエルカーとは。
「バイフューエルカー」とは、2種類の燃料を使い分けられる自動車のことです。例えば、エタノールやメタノールなどのアルコール燃料車、天然ガス車、LPG車は、基本的にはガソリンエンジンを搭載しており、燃料供給が難しい場合に備え、ガソリンでも走行できるバイフューエルシステムを採用しています。これは、アルコールや天然ガスのスタンドがまだ十分に普及していない現状を考慮した、利便性を重視した設計と言えるでしょう。ただし、日本のLPGタクシーの場合、LPGスタンドが比較的充実しているため、バイフューエルシステムを搭載していない車両も多いです。
バイフューエルカーの定義と仕組み
バイフューエルカーとは、ガソリンとLPG(液化石油ガス)またはCNG(圧縮天然ガス)など、2種類の燃料で走行できる車のことです。通常のガソリン車とは異なり、これらの車は燃料系統を2系統備えています。
エンジンには、どちらの燃料でも燃焼できるように専用の設計が施されています。燃料の切り替えは、車種によってボタン操作や自動で行われます。
例えば、LPGがなくなると自動的にガソリンに切り替わるため、ガス欠の心配なく走行できます。
メリット:経済性と環境性能
バイフューエルカーは、経済性と環境性能の両方を兼ね備えている点が大きなメリットとして挙げられます。まず、燃料の価格が安い方を選んで給油できるため、燃料費を大幅に節約することができます。例えば、ガソリン価格が高騰している時期には、比較的安価なLPGをメインに走行することで、家計への負担を軽減できます。また、走行距離や燃費に応じて最適な燃料を選択することで、燃料消費を抑え、結果的にCO2排出量の削減にも貢献します。特に、LPGはガソリンに比べてCO2排出量が少なく、環境に優しい燃料としても注目されています。このように、バイフューエルカーは、経済的なメリットと環境への配慮を両立できる、大変魅力的な選択肢と言えるでしょう。
デメリット:航続距離とインフラ
バイフューエルカーのメリットは多くありますが、一方でデメリットも存在します。その一つが航続距離です。ガソリンに比べて、天然ガスなどの代替燃料は充填できる量が限られるため、一度の給油で走行できる距離が短くなってしまいます。また、ガソリンスタンドは数多くありますが、代替燃料の充填ステーションはまだまだ数が少ないという現状があります。そのため、ガス欠の心配や、充填ステーションを探す手間がかかる可能性も考えられます。
代表的なバイフューエルカーの種類
バイフューエルカーと一言で言っても、その仕組みは様々です。ここでは代表的なバイフューエルカーの種類をご紹介しましょう。
まず挙げられるのは、ガソリンとLPG(液化石油ガス)を切り替えて使うことができる「LPGバイフューエル車」です。タクシーなどでよく見かけるタイプですね。LPGはガソリンに比べて安価で、環境負荷も低いというメリットがあります。そのため、ランニングコストを抑えたい方や環境に配慮したい方に人気です。
次に紹介するのは、「フレックス燃料車」です。これは、ガソリンにエタノールを混合した燃料に対応した車で、混合比率を幅広く変更できるのが特徴です。ブラジルなどで普及しており、サトウキビ由来のエタノールを燃料とすることで、二酸化炭素排出量削減に貢献しています。
最後に、ハイブリッド車と仕組みは似ていますが、ガソリンと電気の両方を動力源として走行できる「プラグインハイブリッド車」もバイフューエルカーの一種と言えるでしょう。外部から充電可能なバッテリーを搭載しており、電気自動車と同様の走行も可能です。燃費が良く、環境性能にも優れている点が魅力です。
今後の展望:普及への課題と可能性
バイフューエルカーは、環境性能と利便性の高さを兼ね備えたシステムとして注目されていますが、普及に向けてはいくつかの課題も残されています。まず、車両価格が高くなる点が挙げられます。2種類の燃料システムを搭載するため、どうしても製造コストが上昇してしまいます。また、燃料補給のインフラ整備も課題です。ガソリンスタンドは多くありますが、もう一方の燃料、例えばCNGやLPGの充填設備は限られています。
しかし、これらの課題解決に向けた取り組みも進められています。政府による補助金制度や、企業によるインフラ整備が進めば、バイフューエルカーはさらに身近な存在になる可能性を秘めています。環境負荷低減への意識の高まりとともに、バイフューエルカーは、次世代モビリティの選択肢として、ますます重要な役割を担っていくことが期待されています。