マグネトー点火:仕組みと利点
車を知りたい
先生、「マグネトー点火」ってどういう仕組みなんですか? イグニッションコイルが不要って書いてあるけど、本当に電気なしで点火できるんですか?
自動車研究家
良い質問だね! マグネトー点火は、電気なしで点火するわけじゃないんだ。永久磁石とコイルを使って、エンジン自身が回転する力で高電圧を発生させて、点火プラグに供給する仕組みなんだよ。
車を知りたい
なるほど。 エンジンが回る力で電気が作れるんですね。でも、なんで今はレーシングカーでは使われていないんですか?
自動車研究家
それは、エンジンの回転数が低い時よりも高い時の方が、マグネトー点火は高い電圧が得られるという特徴があるからなんだ。 レーシングカーのように常に高回転で走るエンジンには、より精密な点火タイミングの制御が求められるようになったため、今は電子制御式のイグニッションシステムが主流になっているんだよ。
マグネトー点火とは。
「マグネトー点火」とは、自動車のエンジンに使われる点火方式の一つです。フライホイールや回転板に設置された永久磁石が、エンジンに固定されたコイルのそばを通過する際に高電圧を発生させます。この高電圧はハイテンションコードを通じて点火プラグに送られ、燃料の燃焼を引き起こします。マグネトー点火は、イグニッションコイルが不要なため、小型エンジンや汎用エンジンで広く採用されています。また、エンジンの回転数が高くなると発生電圧が安定し、点火エネルギーも増加するため、かつてはレーシングカーにも利用されていました。
マグネトー点火とは?
マグネトー点火とは、内燃機関の点火システムの一種であり、スパークプラグに必要な高電圧をバッテリーやオルタネーターではなく、マグネトーと呼ばれる装置を使って生成します。 マグネトーは、エンジン自体によって駆動される一種の発電機であり、永久磁石とコイルを用いて電気エネルギーを発生させます。 この自己完結型のシステムにより、マグネトー点火は、特に航空機や小型エンジンなどの特定の用途で、バッテリー点火と比べていくつかの利点があります。
仕組みを解説
マグネトー点火は、内燃機関においてスパークプラグに必要な高電圧を発生させる自己完結型のシステムです。その心臓部となるのはマグネトーと呼ばれる発電機で、永久磁石とコイルを用いて電気を発生させます。
エンジンがクランキングされると、マグネトー内の磁石が回転します。この回転運動がコイル内の磁束の変化を生み出し、電磁誘導の法則に基づいて高電圧が発生します。この電圧は、ディストリビューターを通じて適切なタイミングで各スパークプラグに送られ、混合気に点火します。
マグネトー点火は、バッテリーや外部電源を必要としないため、シンプルかつ信頼性の高いシステムとして、航空機や小型エンジンなどで広く採用されています。
イグニッションコイルとの違い
マグネトー点火とイグニッションコイルは、どちらもガソリンエンジンの点火システムにおいて重要な役割を担っていますが、その仕組みは大きく異なります。 イグニッションコイルは、バッテリーの電気を昇圧してスパークプラグに高電圧を供給するのに対し、マグネトー点火は、エンジンの回転運動を利用して自ら電気を発生させ、点火に必要な高電圧を生み出します。 この違いが、それぞれのシステムの特性や用途に影響を与えています。
メリット・デメリット
マグネトー点火方式は、その構造のシンプルさや独立性から多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
まずメリットとして、バッテリーやコイルなどの外部電源を必要としないため、非常にシンプルかつ軽量に仕上がります。これは、特に重量やスペースが制限される航空機やバイクなどにおいて大きな利点となります。また、外部電源に依存しないため、故障のリスクが低く、高い信頼性を誇ります。さらに、バッテリー上がりや電圧降下の影響を受けないため、過酷な環境下でも安定した点火性能を発揮します。
一方、デメリットとしては、低回転域では点火力が弱くなる傾向があり、始動性に難がある点が挙げられます。また、点火時期の調整が機械式となるため、微調整が難しく、現代の電子制御式点火システムと比較すると、燃費や排ガス性能の面で劣る場合があります。さらに、構造上、大型化が難しいため、出力の大きなエンジンには不向きです。
マグネトー点火の利用例
マグネトー点火は、その信頼性と独立性から、様々な分野で利用されています。特に、バッテリーや外部電源に頼らないという特性が活かされています。
代表的な例としては、航空機が挙げられます。小型飛行機から大型旅客機まで、エンジンの点火システムにマグネトーが広く採用されています。これは、上空でのバッテリー切れのリスクを最小限に抑え、安全性を高めるためです。
また、レーシングカーやモーターバイクなど、過酷な環境で使用される車両にも、マグネトー点火はよく見られます。激しい振動や高温にさらされる状況でも、安定した点火性能を発揮することが求められるためです。
その他、船舶、発電機、チェーンソー、芝刈り機など、信頼性や独立性が重視される機器にも、マグネトー点火は広く利用されています。