クルマを守る!電気亜鉛めっき鋼板の秘密
車を知りたい
先生、電気亜鉛めっき鋼板って、自動車だとどんな部品に使われているんですか?
自動車研究家
いい質問だね! 電気亜鉛めっき鋼板は、耐食性が必要な部分に使われることが多いんだ。例えば、車の骨格となるフレームや、ドアの内側、ボンネットの裏側などだね。君が普段目にする部分は塗装されていることが多いから、なかなか気づきにくい部分かもしれないね。
車を知りたい
なるほど。じゃあ、ボディの外側には使われないんですか?
自動車研究家
実は、外側にも使われることがあるんだ。ただし、電気亜鉛めっき鋼板はめっき層があることで金型との滑りが悪くなってしまうという欠点がある。だから、複雑な形状に加工する必要がある外板には、別の種類の鋼板が使われることが多いんだよ。
電気亜鉛めっき鋼板とは。
「電気亜鉛めっき鋼板」とは、自動車に使われる表面処理鋼板の一種です。鋼板の片面または両面に電気を使って亜鉛めっきを施しています。用途に合わせて、一般的な鋼板用、絞り加工用、深絞り加工用の3種類があります。自動車のボディには、部位によって使い分けられています。電気亜鉛めっきは、溶かした亜鉛に浸ける溶融亜鉛めっきと比べて、めっきの厚さが均一になるため、スポット溶接に適しています。また、めっき処理の温度が低いため、元の鋼板に影響を与えないというメリットもあります。ただし、めっき層があると、金型との滑りが悪くなるという側面もあります。電気亜鉛めっきは、厚くめっきすると耐食性が向上しますが、コストが高くなるため、あまり使われていません。
電気亜鉛めっき鋼板とは?
電気亜鉛めっき鋼板とは、その名の通り鋼板の表面に亜鉛をコーティングしたものです。亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きく、鉄の代わりに錆びるという性質を持っています。この性質を利用して、鋼板を錆から守るのが電気亜鉛めっき鋼板なのです。
電気亜鉛めっき鋼板は、自動車のボディーをはじめ、家電製品や建築材料など、私たちの身の回りの様々なものに使われています。
自動車における用途の違い
電気亜鉛めっき鋼板は、その優れた防錆性能から自動車の様々な部分に使用されています。部位によって求められる性能は異なり、使用される鋼板の種類も変わってきます。 例えば、車体外板には、耐食性に加えて、美しい外観を保つための耐傷付き性や加工性が求められます。そこで、高強度で薄い鋼板に、均一で密着性の高い亜鉛めっき層を形成することが重要となります。一方、車体骨格やフレームには、高い強度と耐衝撃性が求められるため、より厚く、強度が高い鋼板が使用されます。このように、電気亜鉛めっき鋼板は、部位ごとに最適な特性を持つ鋼板を選定し、加工技術を駆使することで、自動車の安全性、耐久性、美観に貢献しているのです。
溶融亜鉛めっきとの比較
クルマのボディには、錆から守るために亜鉛めっきされた鋼板が使われています。亜鉛めっきには、溶融亜鉛めっきと電気亜鉛めっきの二種類があります。
溶融亜鉛めっきは、鋼板を溶かした亜鉛に浸してめっきする方法です。この方法は、厚く均一なめっき層を形成できるため、高い防錆性を持ちます。一方、電気亜鉛めっきは、電気を用いて亜鉛を鋼板上に析出させる方法です。溶融亜鉛めっきに比べて薄いめっき層となりますが、より均一で平滑な表面を得ることができ、複雑な形状にも対応しやすいという特徴があります。
そのため、高い防錆性と加工性を両立させる必要のある自動車部品には、電気亜鉛めっき鋼板が多く用いられています。近年では、電気亜鉛めっきの技術革新により、さらに薄く均一なめっきが可能になり、自動車の軽量化にも貢献しています。
電気亜鉛めっき鋼板のメリット・デメリット
電気亜鉛めっき鋼板は、その優れた特性から自動車のボディなどに広く使用されています。しかし、他の素材と同様に、メリットだけでなくデメリットも存在します。
メリットとしてまず挙げられるのは、その高い防錆性能です。亜鉛めっきは、鉄鋼表面に薄い亜鉛の層を形成することで、錆の原因となる水分や酸素との接触を防ぎます。特に、電気亜鉛めっきはめっき層が均一で薄いため、複雑な形状の部品にも適用しやすいという利点があります。また、コストパフォーマンスの良さも魅力です。他の防錆処理と比較して、電気亜鉛めっきは比較的安価で加工できるため、自動車の製造コストを抑えることに貢献しています。
一方、デメリットとしては、酸性雨などへの耐性が低い点が挙げられます。近年問題となっている酸性雨は、通常の雨よりも強い酸性を持つため、亜鉛めっきの防錆効果を弱めてしまう可能性があります。また、めっき層が薄いため、傷がつくとそこから錆が発生するリスクもあります。
このように、電気亜鉛めっき鋼板はメリットとデメリットを併せ持つ素材と言えます。自動車の設計や使用環境に合わせて、適切な素材を選択することが重要です。
今後の展望
電気亜鉛めっき鋼板は、自動車の進化とともに、さらなる発展が期待されています。 軽量化や高強度化などのニーズに応えるため、より薄く、そして強い鋼板の開発が進められています。また、環境負荷低減の観点から、製造過程におけるエネルギー消費削減や、CO2排出量削減に向けた取り組みも重要となっています。さらに、電気自動車や自動運転技術の進展に伴い、電磁波遮蔽性やセンシング機能など、新たな機能を付与した電気亜鉛めっき鋼板の開発も期待されています。このように、電気亜鉛めっき鋼板は、これからも安全性、環境性能、そして快適性を追求し、進化し続ける自動車社会に貢献していくことでしょう。