車の変速を支える「オン・オフ制御バルブ」の仕組み

車の変速を支える「オン・オフ制御バルブ」の仕組み

車を知りたい

先生、「オン・オフ制御バルブ」ってなんですか? 電子制御ATで変速に使われているって書いてあるんですけど、よくわかりません。

自動車研究家

なるほど。「オン・オフ制御バルブ」は、電気が通っているかいないかで、動作が切り替わるバルブのことだよ。たとえば、電子制御ATでは、シフトソレノイドバルブというものが「オン・オフ制御バルブ」として使われているね。

車を知りたい

シフトソレノイドバルブ…電気が通ったり、通らなかったりすることで、何が起きるんですか?

自動車研究家

簡単に言うと、電気が通るとバルブが開いて油圧が抜ける。そして、電気が通らないとバルブが閉じて油圧がかかるんだ。この油圧の変化によって、ギアが切り替わる仕組みになっているんだよ。

オン・オフ制御バルブとは。

自動車用語の「オン・オフ制御バルブ」とは、電子制御ATで使用される、電流のオンとオフで制御されるバルブのことです。変速を行うシフトソレノイドバルブがその代表例です。

シフトソレノイドバルブは、通電時(オン時)になると、内部のオリフィスを通過した後の油圧をドレーン(排出)するのが一般的です。この油圧がシフトバルブの一方の面に作用すると、反対側にあるスプリングの力によってシフトバルブは低速段側に移動します。これは、車が停止してアイドリング状態にある時です。

車が走り出し、変速が必要な速度に達すると、シフトソレノイドバルブには非通電(オフ)の指令が出されます。するとバルブが閉じ、油圧が再びシフトバルブにかかり、高速段側に移動します。

電子制御ATとオン・オフ制御バルブの関係

電子制御ATとオン・オフ制御バルブの関係

– 電子制御ATとオン・オフ制御バルブの関係

現代の車は、滑らかで快適な走りを実現する電子制御ATが主流となっています。この電子制御ATの心臓部とも言えるのが、油圧を制御して変速動作を行う「バルブボディ」です。そして、バルブボディ内で実際に油路の開閉を担っているのが「オン・オフ制御バルブ」と呼ばれる部品です。

電子制御ATは、走行状況や運転者の意図をコンピューターが分析し、最適なギアを選択します。そして、その指令に基づいて、バルブボディ内のオン・オフ制御バルブが作動します。 オン・オフ制御バルブは、電磁石によって開閉するシンプルな構造ですが、その組み合わせと制御の仕方によって、複雑な変速動作を実現しています。

つまり、電子制御ATとオン・オフ制御バルブは、切っても切れない密接な関係にあると言えるのです。

シフトソレノイドバルブ:変速の要

シフトソレノイドバルブ:変速の要

車の滑らかな変速を陰で支えているのが、「シフトソレノイドバルブ」と呼ばれる部品です。これは、電磁石の力でバルブを開閉し、油圧回路内のオイルの流れを切り替えることで変速を制御する重要な役割を担っています。

エンジンが生み出す動力は、トルクコンバーターを通じて変速機(AT車の場合)に伝えられます。この変速機内部には、複数のギアとクラッチが複雑に組み合わされており、シフトソレノイドバルブによって適切なギアにオイルを送り込むことで、最適なギア比に変速が行われます。

つまり、シフトソレノイドバルブは、ドライバーのアクセル操作や走行状況に応じて、コンピューターからの信号を受け、瞬時に最適なギアを選択する「変速の司令塔」といえるでしょう。

オン時(通電時)の動作:油圧制御で低速段へ

オン時(通電時)の動作:油圧制御で低速段へ

オン・オフ制御バルブが「オン」つまり通電状態になると、電磁石が作動します。
この電磁石の力でバルブが動かされ、油路が開きます。
開いた油路を通ってトランスミッション内部の油圧が変化し、クラッチやブレーキが作動
その結果、エンジンからの動力が低速段のギアに伝達される仕組みです。

オフ時(非通電時)の動作:ライン圧で高速段へ

オフ時(非通電時)の動作:ライン圧で高速段へ

オン・オフ制御バルブは、電磁石の力でバルブを開閉し、ATF(オートマチックトランスミッションフルード)の流れを制御することで、スムーズな変速を実現しています。

オフ時(非通電時)は、バルブはスプリングの力によって閉じられ、ATFはバルブを通過できません。この時、ATFは高速段クラッチに流れ込み、エンジン出力はダイレクトにタイヤに伝わります。

つまり、オフ時は燃料消費を抑えながら、高速走行が可能になるのです。

オン・オフ制御がもたらすスムーズな変速

オン・オフ制御がもたらすスムーズな変速

車の滑らかな加速や減速は、エンジン回転数を適切なギアに伝える変速機によって実現しています。そして、この変速機において重要な役割を担うのが「オン・オフ制御バルブ」です。

オン・オフ制御バルブは、その名の通り「オン」と「オフ」の切り替えによって、油圧回路を開閉します。油圧回路が開くと、バルブを通過したオイルがクラッチやブレーキに流れ込み、ギアの切り替えが行われます。

従来のバルブは、この開閉動作を段階的に行うことで油圧を調整していました。しかし、オン・オフ制御バルブは、デジタル信号によって瞬時に開閉を行います。これにより、より精密な油圧制御が可能となり、変速ショックの低減燃費向上に繋がります。

ドライバーが意識することなく、快適なドライブを支えるオン・オフ制御バルブ。その高度な技術は、自動車の進化を陰ながら支えているのです。

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