逆輸入車:その魅力と歴史

逆輸入車:その魅力と歴史

車を知りたい

先生、「逆輸入」ってどういう意味ですか? 日本で作った車を海外に輸出するんじゃないんですか?

自動車研究家

良い質問だね! 実は「逆輸入」は、日本のメーカーが海外の工場で作った車を、日本に輸入することなんだよ。

車を知りたい

えー! なんでそんなことをするんですか?

自動車研究家

理由はいくつかあるけど、例えば円高ドル安の時には、海外で作った方が安く輸入できる場合があるんだ。それに、日本では売っていないモデルを逆輸入することもあるんだよ。

逆輸入とは。

「逆輸入」とは、日本の自動車メーカーが海外工場で生産した車を日本に輸入することです。この言葉が生まれたきっかけは1988年、ホンダがアメリカ工場で製造したアコードクーペを、当時の円高ドル安を背景に日本に輸入したことに始まります。日本では販売されていないモデルであること、左ハンドルという希少性が受けて、予想を上回る人気となりました。その後、日本向けには右ハンドル車を販売するという行政指導がありましたが、一時期は輸入車の年間売上トップになるほどの人気を博しました。今では、日本の自動車メーカーの海外生産が増加したことを受け、最初から日本向けに作られた現地生産車が逆輸入されるケースも出てきています。

逆輸入車とは?

逆輸入車とは?

「逆輸入車」とは、日本の自動車メーカーが海外で生産・販売している車を、再び日本に輸入して販売している車のことです。 並行輸入車と混同されがちですが、逆輸入車はメーカーの正規ルートを通して輸入される点が異なります。そのため、品質や保証の面で安心感がある点が特徴です。

逆輸入車の歴史:アコードクーペから始まったブーム

逆輸入車の歴史:アコードクーペから始まったブーム

日本の自動車メーカーが海外生産に乗り出したのは、1970年代後半のこと。当初は現地生産、現地販売が基本でしたが、1980年代に入ると、日本国内では販売されていない魅力的なモデルが海外で生産されるケースが増えてきました。 その代表格が、ホンダ アコードクーペです。スタイリッシュな2ドアクーペは、当時の日本にはない斬新なデザインで、若者を中心に大きな注目を集めました。そして、このアコードクーペの登場をきっかけに、日本国内で逆輸入車がブームとなっていくのです。

逆輸入車のメリット・デメリット

逆輸入車のメリット・デメリット

逆輸入車には、国内正規販売車とは異なる個性的な魅力がある一方で、いくつか注意すべき点も存在します。ここでは、メリット・デメリットの双方を詳しく解説し、逆輸入車の購入を検討する際の判断材料を提供します。

まず、逆輸入車の最大のメリットは、国内で販売されていない車種に乗ることができる点です。海外メーカーが自国向けに開発・販売している車種の中には、日本市場のニーズに合致しないなどの理由で正規輸入されていない魅力的なモデルが存在します。逆輸入車は、こうした車種に乗る貴重な機会を提供してくれるのです。

また、価格面でのメリットも大きいです。為替レートや流通経路の違いなどにより、国内正規販売車よりも割安で購入できるケースが少なくありません。特に、高級車や希少性の高いモデルにおいては、価格差が顕著になる傾向があります。

一方、逆輸入車にはデメリットも存在します。まず、故障時の修理やメンテナンスに手間や費用がかかる可能性があります。国内正規販売車とは仕様が異なる場合があり、部品の調達に時間がかかったり、専門知識を持った整備工場を探す必要が生じたりすることがあります。

また、保証の面でも注意が必要です。逆輸入車の多くは、国内正規販売車のようなメーカー保証が付帯していません。保証期間や内容については、販売店にしっかりと確認しておくことが重要です。

日本で人気の逆輸入車種

日本で人気の逆輸入車種

日本メーカーの技術力で製造されながら、海外市場をターゲットに開発された逆輸入車。その魅力は、日本国内向けモデルとは一線を画す個性にあります。性能、デザイン、装備など、細部に至るまでこだわり抜かれたモデルの数々は、多くの自動車ファンを魅了してきました。

ここでは、日本で特に人気が高い逆輸入車種をいくつかご紹介します。まず、スポーティな走行性能と洗練されたデザインで人気の高いのが、ホンダの「シビック タイプR」です。欧州市場を中心に開発が進められたこのモデルは、日本国内でも高い評価を受けています。

次に、トヨタの「タンドラ」は、アメリカで人気のピックアップトラックです。その堂々たるサイズ感とパワフルなエンジンは、他の車種では味わえない魅力を放ちます。

また、SUV人気が高まる中、注目を集めているのが、スバルの「アウトバック」です。アメリカ市場を意識した広々とした室内空間と、スバル独自のAWD技術による高い走破性が魅力です。

このように、逆輸入車は、日本車離れした個性と魅力を備えています。日本車でありながら、どこか異彩を放つ存在。それが、逆輸入車の人気の理由と言えるでしょう。

逆輸入車の未来

逆輸入車の未来

日本の自動車メーカーが世界に誇る技術力によって生み出された車が、海を渡り再び日本へ。それが逆輸入車です。 近年では、為替の影響や輸入販売ルートの多様化により、その存在感は薄れつつあるように思われます。しかし、環境性能に優れたモデルや、日本国内では販売されていない個性的な車種を求める声は根強く、逆輸入車市場は新たな局面を迎えています。

例えば、世界的なEVシフトの流れは、逆輸入車市場にも影響を与えています。高性能な電気自動車やプラグインハイブリッド車が、いち早く日本に導入されるケースも増えています。また、並行輸入や個人輸入のハードルが下がったことで、希少性の高い限定車や、クラシックカーを手に入れるチャンスも広がっています。

このように、逆輸入車の未来は、単に「日本未発売の車を手に入れる」という枠を超え、「世界の最新トレンドをいち早く体験する」「こだわりの一台と出会う」といった、より多様なニーズに応えるものへと変化していくでしょう。

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