懐かしのアンダーフロアエンジン、そのメリット・デメリットとは?
車を知りたい
先生、「アンダーフロアエンジン」って、どんなエンジンなの?
自動車研究家
良い質問だね! 車の床下にエンジンを置く方式のことだよ。床が平らになって車内が広くなるんだ。昔の大型バスでよく使われていたよ。
車を知りたい
へえー、車内が広くなるのはいいけど、今はもう使われてないの?
自動車研究家
今は大型バスは低床式が主流で、後ろにエンジンがあるタイプが多いね。床下にエンジンがあると、どうしても床が高くなってしまうからね。だけど、トヨタのエスティマのように、昔は乗用車でも使われていたんだよ。
アンダーフロアエンジンとは。
「アンダーフロアエンジン」とは、自動車のエンジンを床下に設置する設計のことです。 この方式は、客室の床面積を広くできるというメリットがあり、かつては大型バスに多く採用されていました。 しかし、現代の大型バスでは、低床化と後部にエンジンを配置するリヤエンジン方式が主流となっています。 かつてトヨタから発売された初代エスティマも、このアンダーフロアエンジンを採用し、エンジンを車体中央部に搭載していました。
アンダーフロアエンジンとは?
アンダーフロアエンジンとは、その名の通り車体の床下にエンジンを搭載する方式のことです。 1950年代後半から1960年代にかけて、FF車を中心に採用されたレイアウトです。 エンジンを低い位置に搭載することで、車高を低く抑えられ、走行安定性や操縦安定性の向上に繋がると期待されました。
広々空間を実現するメリット
アンダーフロアエンジンは、車体床下にエンジンを配置する画期的な設計思想でした。この配置方式最大の特徴は、なんといっても車内空間の広さにあります。エンジンルームを必要としないため、車体の全長を短くしつつも、従来のレイアウトでは考えられなかったほどの広い室内空間を実現することが可能になりました。特に、乗員の足元空間は格段に広くなり、快適性の向上に大きく貢献しました。これは、限られたスペースを有効活用しようとする、当時の自動車設計の創意工夫の賜物と言えるでしょう。
低重心化による走行安定性向上
アンダーフロアエンジンは、車体の低い位置にエンジンを搭載することで、車全体の重心を下げることが可能となります。 重心が低くなると、カーブや旋回時の車体の傾きが少なくなり、安定した走行性能を発揮します。これは、スポーツカーやレーシングカーにおいて特に重視される要素であり、アンダーフロアエンジンを採用することで、よりスポーティーでダイナミックな走りを実現することができました。
衰退した理由:整備性の悪さ
かつてバスやトラックなどで主流を占めていたアンダーフロアエンジン。しかし、現在ではその姿を見ることはほとんどなくなりました。その理由の一つに、整備性の悪さが挙げられます。ボンネットの下にエンジンがないため、整備を行う際には車体を持ち上げて、床下にもぐりこむ必要があるのです。これは、整備士にとって負担が大きく、時間もかかってしまう作業でした。結果として、整備コストの増加にもつながってしまい、アンダーフロアエンジンの衰退を加速させる一因となってしまったのです。
初代エスティマの挑戦:FFミッドシップへの応用
1990年代、トヨタが世に送り出した初代エスティマ。卵型の丸みを帯びた独特のデザインで人気を博したこの車、実はエンジンを車体中央の床下に配置する「アンダーフロアエンジン」を採用していたことでも知られています。それも、単なるアンダーフロアエンジンではなく、駆動方式はFFという、当時としては非常に珍しい「FFミッドシップレイアウト」だったのです。
この配置を採用したことで、エスティマは広い室内空間と低い重心による優れた走行安定性を両立することに成功しました。当時としては画期的であったこのレイアウトは、ミニバンという新たなジャンルを確立したエスティマの個性の一つとして、多くの人々に強い印象を残しました。