クルマ開発の舞台裏!認証試験路とは?

クルマ開発の舞台裏!認証試験路とは?

車を知りたい

先生、「認証試験路」って、どんな道ですか?普通の道と何か違うんですか?

自動車研究家

いい質問ですね。「認証試験路」は、自動車の性能を試験するための特別な道のことです。ブレーキ試験や騒音試験など、様々な試験に使われます。

車を知りたい

へえー。例えば、どんなところが違うんですか?

自動車研究家

例えば、ブレーキのABS装置の試験では、滑りやすいように作られた「低ミュー路」という特殊な路面が使われます。普通の道には、そんな路面はありませんよね。

認証試験路とは。

「認証試験路」とは、自動車の開発実験や認証試験に用いられる路面のことで、ブレーキ試験や騒音試験、排出ガス試験など、様々な試験が行われます。例えば、排出ガス試験では、惰行法による減速時間を測定することで負荷設定を行います。欧州では、操縦安定性試験やスピードメーター試験なども行われます。これらの試験は、通常、直線水平舗装路が使われますが、試験内容によっては、舗装された周囲路などが使用されることもあります。また、ブレーキのABS装置の試験では、滑りやすい低ミュー路が、加速・定常走行騒音試験では、JISD8301またはISO10844で定められた特殊な路面が使用されるなど、試験内容に応じて様々な路面が使い分けられています。

認証試験路とは?

認証試験路とは?

私たちが普段、安全・安心に乗っているクルマは、実は発売前に様々な試験を受けています。その試験を行うための特別な場所が「認証試験路」です。自動車メーカーは、国が定める安全基準をクリアするために、この認証試験路で様々な走行テストを繰り返し行い、車両の安全性を確認しているのです。

様々な試験項目と路面の種類

様々な試験項目と路面の種類

クルマが私達の元に届くまでには、幾多もの試験をクリアしなければなりません。その舞台となるのが認証試験路です。ここでは、走行性能や安全性、快適性、耐久性など、様々な項目をテストします。

認証試験路には、実際の道路環境を再現するため、多種多様な路面が用意されています。例えば、高速道路を模した滑らかな路面や、悪路を想定した凹凸の激しい路面などがあります。

それぞれの路面は、テスト項目に合わせて設計されています。例えば、ハンドリング性能を評価する試験では、カーブやスラロームが設置された路面が使用されます。一方、乗り心地を評価する試験では、段差や凹凸を乗り越えた際の振動を測定できる路面が使用されます。

ブレーキ性能を評価する:ABS試験と低ミュー路

ブレーキ性能を評価する:ABS試験と低ミュー路

安全なクルマを開発するために、様々な試験が行われる認証試験路。その中でも特に重要なのが、ブレーキ性能の評価です。今回は、ABS試験と低ミュー路での試験に焦点を当てて解説します。

ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防ぎ、安定した制動距離を確保するためのシステムです。認証試験路では、ABSが正常に作動するかを確認するため、乾燥路面や湿潤路面など、様々な路面状況を想定した試験が行われます。

また、低ミュー路は、凍結路面や雪道など、滑りやすい路面を再現した試験路です。ここでは、ABSやESC(横滑り防止装置)などの安全装置が、極限状態でも正常に作動するかを厳しくチェックします。

これらの試験を通して、様々な状況下でも安全に停車できるブレーキ性能が確認され、初めて私たちの手元にクルマが届くのです。

走行時の静粛性を測る:騒音試験と規定路面

走行時の静粛性を測る:騒音試験と規定路面

快適なドライブに欠かせない要素の一つが、車内の静かさです。開発段階では、さまざまな条件下での騒音レベルを測定し、目標とする静粛性を実現するために、徹底的な試験が行われています。

騒音試験は、車外騒音車内騒音の2種類に大別されます。車外騒音試験では、加速時のエンジン音や排気音が、周辺環境へ与える影響を測定します。一方、車内騒音試験では、乗員が実際に感じるロードノイズや風切り音などを計測します。

これらの試験は、単に平坦な道を走るだけでは不十分です。なぜなら、路面状況によって騒音の発生源や大きさが異なるからです。そこで登場するのが、認証試験路です。認証試験路とは、国際基準に基づいて設計された特殊な路面のことで、例えば、凹凸のある路面や、特定の周波数の音を発生させる路面などがあります。これらの路面を走行することで、より実際に近い状況を再現し、車両の静粛性を厳密に評価することが可能になります。

安全性・快適性・環境性能を支える縁の下の力持ち

安全性・快適性・環境性能を支える縁の下の力持ち

私たちが普段何気なく乗っているクルマ。その快適性や安全性の裏には、実は想像をはるかに超える開発の努力が隠されています。今回は、そんなクルマ作りに欠かせない「認証試験路」の世界をご紹介します。

認証試験路とは、国の基準に基づいてクルマの性能を評価するための専用コースのこと。ここでは、実際に公道を走るよりも過酷な環境を作り出し、あらゆる状況下におけるクルマの性能を徹底的にテストします。

例えば、急ブレーキ時の安定性を試す制動試験路、でこぼこ道を再現した悪路試験路、高速走行時の安定性を確認する高速周回路など、様々な種類の試験路が存在します。これらの試験路で得られたデータは、クルマの設計や開発にフィードバックされ、より安全で快適なクルマ作りに活かされています。

普段は目にすることのない認証試験路ですが、私たちの生活を支えるクルマの進化を陰ながら支える、まさに「縁の下の力持ち」といえるでしょう。

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