エンジン性能UP！組立て式オイルリングとは
車を知りたい
先生、「組立て式オイルリング」って、一体型オイルリングと比べてどんな点が優れているんですか？
自動車研究家
良い質問だね！組立て式オイルリングは、一体型と比べてオイルを掻き落とす能力が高い点が優れているんだ。それと、もう一つ重要な利点があるんだけど、何だかわかるかな？
車を知りたい
えーっと、説明文に「軽量」って書いてありました！軽いと何か良いことがあるんですか？
自動車研究家
その通り！軽いということは、ピストンの動きがスムーズになるから、燃費向上や振動抑制に繋がるんだ。組立て式オイルリングは、燃費と性能の両方を向上させる優れた技術なんだよ。
組立て式オイルリングとは。
自動車用語の「組立て式オイルリング」は、オイルを掻き取る「レール部」と、必要な張力を保つバネ状の「エキスパンダー」の2つの部品で構成されるオイルリングの一種です。組立て式は、エキスパンダーの上下にレール部を組み合わせた3つの部品から成り立ち、一体型と比べてオイルを効率的に掻き取ることができます。さらに、金属板を加工して作られるため軽量である点も特徴で、ピストンの往復運動による慣性力を抑える効果も期待できます。
オイルリングの役割とは？
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却、気密性の確保など、様々な役割を担っています。しかし、そのオイルが燃焼室に過剰に流入してしまうと、不完全燃焼を起こし、パワーダウンや排気ガスの悪化につながります。
そこで重要な役割を担うのがオイルリングです。オイルリングは、ピストンが上下運動する際にシリンダー壁面に付着した余分なオイルを掻き落とし、オイルの燃焼室への侵入を防ぐ役割を担っています。このオイルリングの性能が、エンジンのパフォーマンスや寿命に大きく影響を与えるため、適切なメンテナンスや交換が必要不可欠です。
組立て式オイルリングの構造
従来のオイルリングとは異なり、組立て式オイルリングは、その名の通り複数の部品を組み合わせて作られています。 一般的には、上下に配置された2つのレールと、その間に挟まれたスペーサーで構成されます。レールは、シリンダー壁面との接触面積を減らし、摩擦抵抗を低減する役割を担います。一方、スペーサーは、レール間の隙間を一定に保ち、オイルの適度な排出と燃焼室へのオイルの侵入を防ぐ役割を担います。このように、それぞれの部品が重要な役割を果たすことで、エンジンオイルの適正なコントロールを実現しています。
一体型オイルリングとの違い
従来のエンジンに多く採用されてきた一体型オイルリングは、その名の通り一体成形されたシンプルな構造が特徴です。一方、組立て式オイルリングは複数の部品を組み合わせることで、より精密なオイル制御を実現しています。この構造の違いが、エンジン性能に大きな影響を与えるのです。
組立て式オイルリングのメリット
組立て式オイルリングは、従来の一体型オイルリングと比べて、多くのメリットを提供します。 まず、オイルリングの張力を自由に調整できるため、エンジンの状態や使用状況に合わせて最適なオイル管理が可能になります。これにより、オイル消費量を抑え、燃費向上に貢献します。また、組立て式は部品ごとに交換が可能なので、 一部が摩耗した場合でもリング全体を交換する必要がなく、メンテナンスコストを削減できます。さらに、軽量な素材を使用できるため、エンジンの回転質量が減少し、レスポンスの向上や振動の低減にも繋がります。このように、組立て式オイルリングは、エンジン性能の向上、燃費の改善、メンテナンス性の向上など、多くのメリットを持つ革新的な技術と言えるでしょう。
組立て式オイルリングの採用事例
近年の高性能エンジンにおいて、組立て式オイルリングの採用が増加傾向にあります。その背景には、環境規制の強化や燃費向上への要求の高まりがあります。従来の一体型オイルリングと比較して、組立て式オイルリングは、オイル消費量の抑制、摩擦抵抗の低減、耐久性の向上といったメリットがあるためです。
例えば、欧州の高級車メーカーであるA社では、2018年から販売開始した新型エンジンに組立て式オイルリングを採用しました。その結果、従来のエンジンと比較して、オイル消費量を約10％削減、燃費を約2％向上させることに成功したと発表しています。
また、日本の自動車メーカーB社も、2020年に発売した新型スポーツカーに組立て式オイルリングを採用しました。高回転域までエンジンを回す機会が多いスポーツカーにおいても、組立て式オイルリングは優れた性能を発揮し、高い評価を得ています。
このように、組立て式オイルリングは、様々なタイプのエンジンに採用され、その効果を発揮しています。今後も、自動車業界の技術革新に伴い、組立て式オイルリングの需要はますます高まっていくと予想されます。