快適な走りの裏側:エンジントルク変動を解説

快適な走りの裏側:エンジントルク変動を解説

車を知りたい

先生、「エンジントルク変動」ってなんですか?エンジンの回転はスムーズだと思っていたので、変動があるというのがよくわかりません。

自動車研究家

良い質問ですね! 実はエンジンの回転は、完全にスムーズではないんです。車が動くための力であるトルクは、エンジン内部のピストンの動きによって生まれますが、この動きが、吸入、圧縮、膨張、排気の4つの行程を繰り返すことで、どうしてもトルクにムラが出てしまうんです。これが「エンジントルク変動」です。

車を知りたい

なるほど。4つの行程でそれぞれトルクが違うんですね。でも、もしトルクに変動があると、乗り心地が悪くなったりするんじゃないですか?

自動車研究家

その通り! トルク変動が大きいと、振動や騒音が発生し、乗り心地が悪くなってしまいます。そこで、エンジンの気筒数を増やしたり、フライホイールという部品を使って回転を安定させることで、変動を小さく抑えているんです。

エンジントルク変動とは。

自動車用語の「エンジントルク変動」とは、レシプロエンジン特有の現象です。エンジンは吸入、圧縮、膨張、排気のサイクルを繰り返しますが、ピストンにかかる力は行程ごとに変化するため、出力されるトルクも変動します。膨張行程では大きなトルクが発生し回転速度は上昇しますが、排気、吸入、圧縮行程では逆に回転を遅らせる力が働きます。このトルクの変動が、乗り心地の悪化や騒音、振動の原因となります。エンジンを多気筒化すると、それぞれの気筒のトルク変動が打ち消し合うため、変動幅は小さくなります。さらに、フライホイールは回転速度の変化を抑制するように設計されており、トルク変動による回転速度の変化率は、回転速度の40分の1以下に抑えられています。

エンジントルク変動とは?

エンジントルク変動とは?

自動車の滑らかで力強い走りを支えるエンジン。その性能を表す指標の一つに「トルク」があります。トルクとは、回転する力、つまりエンジンが車を動かす力を示します。しかし、エンジンの出力するトルクは常に一定ではなく、回転数や運転状況によって常に変動しています。この変動のことを「エンジントルク変動」と呼びます。

トルク変動の発生メカニズム:4つの行程とトルクの関係

トルク変動の発生メカニズム:4つの行程とトルクの関係

エンジンは、吸気、圧縮、燃焼、排気の4つの行程を繰り返すことで動力を生み出しています。しかし、これらの行程すべてが、均等にトルクを発生させているわけではありません。 燃焼行程では、混合気が爆発的に燃焼することで大きな力が発生し、ピストンを押し下げます。この力が、クランクシャフトを回転させるトルクを生み出す主要な源です。一方、吸気、圧縮、排気の行程では、ピストンを動かすために逆にエネルギーを消費するため、トルクは発生しません。むしろ、燃焼行程で発生したトルクを一部相殺してしまう方向に働きます。 このように、4つの行程の中でトルクを発生するのは燃焼行程のみであり、その他の行程ではトルクが発生しない、あるいは相殺してしまう方向に働くために、エンジンの回転トルクは常に変動しているのです。

乗り心地や騒音振動への影響

乗り心地や騒音振動への影響

エンジンは車の心臓部ですが、その動力は常に一定ではなく、回転数やアクセルの踏み込み具合によって変化します。この出力の変動がエンジントルク変動です。 トルク変動が大きいと、車はギクシャクとした走りになりがちです。イメージとしては、自転車のペダルを漕ぐ際に、急に強く踏み込んだり、力を抜いたりする状況を想像してみてください。スムーズに進みづらいですよね? 車も同様に、滑らかで快適な走行のためには、このトルク変動を抑えることが重要となります。

では、トルク変動が乗り心地や騒音振動に具体的にどのような影響を与えるのでしょうか? トルク変動が大きいと、車体に振動が発生しやすくなります。この振動は、不快な乗り心地の原因となるだけでなく、車内の騒音の原因にもなります。また、振動は部品の摩耗を早めることにも繋がります。つまり、エンジントルク変動は、快適性だけでなく、車の寿命や安全性にも関わる重要な要素と言えるのです。

多気筒化によるトルク変動抑制

多気筒化によるトルク変動抑制

エンジンの回転が滑らかであれば、ドライバーは快適な運転を楽しむことができます。しかし、内燃機関では、どうしてもトルク変動が発生してしまいます。 トルク変動とは、エンジンのクランクシャフトから出力される回転力の強さが、1回転の中で常に一定ではなく、変動してしまう現象です。

このトルク変動を抑制するために、様々な技術が用いられていますが、その一つが多気筒化です。 シリンダー数を増やすことで、それぞれのシリンダーが爆発するタイミングを分散させることができ、結果としてトルク変動を小さく抑えることが可能となります。

例えば、単気筒エンジンでは、1回転中に1回の爆発しか起こりませんが、4気筒エンジンであれば、1回転中に2回の爆発が起こります。このように、爆発の頻度が高くなることで、トルク変動は滑らかになり、ドライバーは快適な走りを楽しむことができるのです。

フライホイールによる回転変動の抑制

フライホイールによる回転変動の抑制

エンジンは、ピストンが上下運動することで回転力を生み出しています。しかし、この動きは決して一定ではなく、爆発行程では急激な回転力の増加、排気行程では回転力の低下といった変動が発生します。 この回転変動がそのまま車体に伝わると、振動や騒音の原因となり、快適な走りを阻害してしまうのです。

そこで重要な役割を果たすのがフライホイールです。フライホイールは、エンジン後部に搭載された巨大な円盤状の部品で、大きな慣性モーメントを持っています。 このフライホイールが、エンジンの回転変動を吸収し、滑らかで安定した回転へと変換する役割を担っているのです。

フライホイールは、まるで重いコマのようなものです。コマは回転が速くなると安定し、回転が遅くなると不安定になるように、フライホイールも回転数が上がると安定した回転を維持しやすくなります。 エンジンの回転変動をフライホイールの大きな慣性で吸収することで、私たちは快適でスムーズな走りを楽しむことができるのです。

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